化物語 第十話 『なでこスネイク 其ノ貳』 感想
化物語 第十話 『なでこスネイク 其ノ貳』より感想です。

人を呪わば、穴二つ。

今週のホイホイさん。
化物語 第十話『なでこスネイク 其ノ貳』。専用オープニングいいじゃないですか・・・(´∀`*) 撫子をイメージしたファンシーでラブリーで恋愛サーキュレーションな感じがGood!(意味不明)
作曲・編曲の神前暁さんもシャフトもさすがイイ仕事しまてますね?なんて思ってたら本編で結構な衝撃を受ける。いろんな意味で。

冒頭、忍野からの怪異の説明。今回の怪異の正体はやはり“蛇”が原因で、名称を“蛇切縄”というらしい。撫子は同級生の男子に告白され、断ったものの、その男子を好きだった他の女子の逆恨みを買い、当時中学生の間で流行っていた呪いを掛けられてしまった、と。しかし本来は未遂で終わるはずだった“おまじない”は、撫子が呪いを解こうとした事で逆に本物の“呪い”へ発展してしまった。その理由は、暦に関わった強力な吸血鬼が街を訪れた際、悪いモノの吹き溜まりになっていたあの神社で、その解呪を試みてしまったことにあったのでした。手順を間違ったうえ、運も悪かった・・・。結局、撫子は自分で自分の傷を深めてしまったという事ですね。

呪いが進行して危険な状態にある撫子を救うべく、忍野から教わった解呪を実行するために神社へと移動。手順さえ間違えなければ、あの場所は“蛇切縄”の存在を際立たせるから、かえって都合がいいらしい・・・っていうか暦が忍野の所に出掛けてる間ずっとあの格好(裸ブルマー)だったの撫子さん(^^; 近くにロリコンでレズな危険人物がいるというのに(笑)
道中の撫子の会話には暦が好きな気持ちが随所に込められていて、健気というか可愛らしい。それなのになんで告白を断ったの?ってどの口が聞くのかこの朴念仁。どこの主人公もこれだから困るね!(笑)ひたぎさんがいなかったのがホントに悔やまれますなあ・・・。

何か『なでこスネイク』でなぜ駿河が暦の相棒になっているのか理解できた気がする・・・。解呪の経過を見るために露出が多い服装をと聞いてバッチリスク水を用意してくる駿河さんさすがです(笑)
呪いを解くためには忍野からもらったお守りを握って、心の中で祈ればいいとのことですが。
『祈るって・・・何に?』
『何かに。多分、この場合は・・・』
『・・・わかった。頑張る。暦お兄ちゃん、ちゃんと見ててね。撫子のこと、ちゃんと見ててね』
っっとに健気だなぁあ!!(涙 ここの回想シーンとか、子供の頃から抱き続けていた暦に対する思いの丈が溢れるほど感じられて、切ないくらい・・・。やっぱりヶ原さんがいなくて良かったかも(ぉ

思ったより簡単に呪いの解除は成功したと思いきや、撫子の様子が何やら様子がおかしい。っていうか艶めかしすぎるでしょう常識(ry 今回やたら紙芝居のような止め絵が多いのですがこの辺りだけは演出効果が合っているというか・・・後半それどころじゃないんですけどね・・・。
撫子が急に苦しみ出した原因は、“蛇切縄”が一匹ではなく、二匹存在していたから。つまり、逆恨みした女子だけでなく、告白して振られた男子も撫子を呪っていたと・・・。
暦は撫子を救うために、忍野から止められた“蛇切縄”を引き剥がす行動に出る。結果、“呪い”は暦に向けられ、“蛇切縄”と対峙することに。・・・正直この辺りの瞳アップやカットの使い回し、黒白赤コマの入り乱れる様子や声優の声だけで状況を把握するような場面は演出というには苦し過ぎますね。制作もスケジュールが厳しくなっているのかもしれませんが、DVDで修正がかかる事に期待。というか修正されるでしょうねこのレベルだと。

劣勢にある暦を強引に押し倒して、“蛇切縄”をやり過ごそうと言う駿河。けれどそれは、残った“蛇”が呪いをかけた男子の許に返ってしまうという事に他ならない。暦としてはそれを防ぐために“蛇切縄”を抑えたかったんだけど、駿河は傷ついて死にそうになる暦を助けないわけにはいかなかった。
『阿良々木先輩!頼むから・・・助ける相手を、間違えないでくれ・・・』
呪いをかけた相手を救うために、暦は自分が傷つく事も死ぬ事も構わず相手に立ち向かっていく。けれど駿河は暦を死なせたくないから、彼を止める事を選んだ。“蛇”を逃がすことがどんな結果になるか分かっていても・・・。
自分は諦めきれず、抗おうとしたけれど、結果的に人間一人の命を駿河に選ばせることになってしまった。でも駿河はそんな暦の無謀に助けられたわけで・・・だから『立つ瀬がない』という事なのかもしれません。暦の行動は仕方なかった部分もあるとは思いますが、誰かを救うための行為が時に他者を傷つけてしまう一例として、特に『化物語』においては今回深いテーマを感じました。駿河に人間一人の命を背負わせてしまった罪。撫子を呪った相手を助けるためにとった行動を“偽善”と呼ぶには・・・ちょっと厳しすぎるようにも思えますけどね・・・。
(やめてくれ千石。お願いだから、“ありがとう”なんて言わないでくれ。お前からそんな事を言ってもらう資格はない。僕はあろうことか、お前を呪った人間までも、助けようとしていたのだから)

物語的にもかなり含むものがあったように思います。これまで行ってきた暦の人助けは忍野の力を借りるものであって、彼自身が直接的に誰かを救うわけじゃない。忍野がいつも口にする『力は貸すけど、自分は助けない。相手が勝手に助かるだけ』って一見無責任な台詞が至極真っ当に思えてきます。それは多分、忍野は出来る事、出来ない事、可能と不可能をしっかり弁えているからなんじゃないかなあと。
じゃあ自分から怪異に突っ込んでいって困っている人を助けようとする暦は間違っているのかと言えばそうじゃない。助かる可能性がある時点で救いの手を差し伸べるのを誤っているとは言えない。問題はその掛け値なしの優しさが逆に他に害を与える時や、自分の手に負える範疇を超えた時に起こり得る、自身や周りを傷つけてしまう行為が正しいと言えるのかどうか。・・・難しいですね。多分忍野がいなくなっても、暦は人を助けようとするだろうし、自分が傷つくような真似も行うことでしょう。結果、今回のように力及ばず、一人を救うために他の誰かを犠牲にしてしまうような事態も起こるかもしれない。
『でも忍野。僕はお前みたいにはなれないよ。僕は一割くらい吸血鬼。怪異そのものだからな』
自分が怪異の一部であるから忍野のような存在にはなれない・・・これって、自分の力で他人を救えない事へのジレンマを比喩しているようにも思えるんですよね。今回がハッピーエンドで終わらなかった事も意味深で、改めて暦のようなタイプの主人公について考えさせられました。でも、やっぱり『化物語』のストーリーは晴れ晴れとした気持ちで終わりを締め括って欲しいですね・・・。いろんな意味で異端な今回でした。
次回 化物語 第十一話 『つばさキャット 其ノ壹』

エンドカードはあきまん提供。久しぶりに人物画を見たような気がします(^^;
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人を呪わば、穴二つ。

今週のホイホイさん。
化物語 第十話『なでこスネイク 其ノ貳』。専用オープニングいいじゃないですか・・・(´∀`*) 撫子をイメージしたファンシーでラブリーで恋愛サーキュレーションな感じがGood!(意味不明)
作曲・編曲の神前暁さんもシャフトもさすがイイ仕事しまてますね?なんて思ってたら本編で結構な衝撃を受ける。いろんな意味で。

冒頭、忍野からの怪異の説明。今回の怪異の正体はやはり“蛇”が原因で、名称を“蛇切縄”というらしい。撫子は同級生の男子に告白され、断ったものの、その男子を好きだった他の女子の逆恨みを買い、当時中学生の間で流行っていた呪いを掛けられてしまった、と。しかし本来は未遂で終わるはずだった“おまじない”は、撫子が呪いを解こうとした事で逆に本物の“呪い”へ発展してしまった。その理由は、暦に関わった強力な吸血鬼が街を訪れた際、悪いモノの吹き溜まりになっていたあの神社で、その解呪を試みてしまったことにあったのでした。手順を間違ったうえ、運も悪かった・・・。結局、撫子は自分で自分の傷を深めてしまったという事ですね。

呪いが進行して危険な状態にある撫子を救うべく、忍野から教わった解呪を実行するために神社へと移動。手順さえ間違えなければ、あの場所は“蛇切縄”の存在を際立たせるから、かえって都合がいいらしい・・・っていうか暦が忍野の所に出掛けてる間ずっとあの格好(裸ブルマー)だったの撫子さん(^^; 近くにロリコンでレズな危険人物がいるというのに(笑)
道中の撫子の会話には暦が好きな気持ちが随所に込められていて、健気というか可愛らしい。それなのになんで告白を断ったの?ってどの口が聞くのかこの朴念仁。どこの主人公もこれだから困るね!(笑)ひたぎさんがいなかったのがホントに悔やまれますなあ・・・。

何か『なでこスネイク』でなぜ駿河が暦の相棒になっているのか理解できた気がする・・・。解呪の経過を見るために露出が多い服装をと聞いてバッチリスク水を用意してくる駿河さんさすがです(笑)
呪いを解くためには忍野からもらったお守りを握って、心の中で祈ればいいとのことですが。
『祈るって・・・何に?』
『何かに。多分、この場合は・・・』
『・・・わかった。頑張る。暦お兄ちゃん、ちゃんと見ててね。撫子のこと、ちゃんと見ててね』
っっとに健気だなぁあ!!(涙 ここの回想シーンとか、子供の頃から抱き続けていた暦に対する思いの丈が溢れるほど感じられて、切ないくらい・・・。やっぱりヶ原さんがいなくて良かったかも(ぉ

思ったより簡単に呪いの解除は成功したと思いきや、撫子の様子が何やら様子がおかしい。っていうか艶めかしすぎるでしょう常識(ry 今回やたら紙芝居のような止め絵が多いのですがこの辺りだけは演出効果が合っているというか・・・後半それどころじゃないんですけどね・・・。
撫子が急に苦しみ出した原因は、“蛇切縄”が一匹ではなく、二匹存在していたから。つまり、逆恨みした女子だけでなく、告白して振られた男子も撫子を呪っていたと・・・。
暦は撫子を救うために、忍野から止められた“蛇切縄”を引き剥がす行動に出る。結果、“呪い”は暦に向けられ、“蛇切縄”と対峙することに。・・・正直この辺りの瞳アップやカットの使い回し、黒白赤コマの入り乱れる様子や声優の声だけで状況を把握するような場面は演出というには苦し過ぎますね。制作もスケジュールが厳しくなっているのかもしれませんが、DVDで修正がかかる事に期待。というか修正されるでしょうねこのレベルだと。

劣勢にある暦を強引に押し倒して、“蛇切縄”をやり過ごそうと言う駿河。けれどそれは、残った“蛇”が呪いをかけた男子の許に返ってしまうという事に他ならない。暦としてはそれを防ぐために“蛇切縄”を抑えたかったんだけど、駿河は傷ついて死にそうになる暦を助けないわけにはいかなかった。
『阿良々木先輩!頼むから・・・助ける相手を、間違えないでくれ・・・』
呪いをかけた相手を救うために、暦は自分が傷つく事も死ぬ事も構わず相手に立ち向かっていく。けれど駿河は暦を死なせたくないから、彼を止める事を選んだ。“蛇”を逃がすことがどんな結果になるか分かっていても・・・。
自分は諦めきれず、抗おうとしたけれど、結果的に人間一人の命を駿河に選ばせることになってしまった。でも駿河はそんな暦の無謀に助けられたわけで・・・だから『立つ瀬がない』という事なのかもしれません。暦の行動は仕方なかった部分もあるとは思いますが、誰かを救うための行為が時に他者を傷つけてしまう一例として、特に『化物語』においては今回深いテーマを感じました。駿河に人間一人の命を背負わせてしまった罪。撫子を呪った相手を助けるためにとった行動を“偽善”と呼ぶには・・・ちょっと厳しすぎるようにも思えますけどね・・・。
(やめてくれ千石。お願いだから、“ありがとう”なんて言わないでくれ。お前からそんな事を言ってもらう資格はない。僕はあろうことか、お前を呪った人間までも、助けようとしていたのだから)

物語的にもかなり含むものがあったように思います。これまで行ってきた暦の人助けは忍野の力を借りるものであって、彼自身が直接的に誰かを救うわけじゃない。忍野がいつも口にする『力は貸すけど、自分は助けない。相手が勝手に助かるだけ』って一見無責任な台詞が至極真っ当に思えてきます。それは多分、忍野は出来る事、出来ない事、可能と不可能をしっかり弁えているからなんじゃないかなあと。
じゃあ自分から怪異に突っ込んでいって困っている人を助けようとする暦は間違っているのかと言えばそうじゃない。助かる可能性がある時点で救いの手を差し伸べるのを誤っているとは言えない。問題はその掛け値なしの優しさが逆に他に害を与える時や、自分の手に負える範疇を超えた時に起こり得る、自身や周りを傷つけてしまう行為が正しいと言えるのかどうか。・・・難しいですね。多分忍野がいなくなっても、暦は人を助けようとするだろうし、自分が傷つくような真似も行うことでしょう。結果、今回のように力及ばず、一人を救うために他の誰かを犠牲にしてしまうような事態も起こるかもしれない。
『でも忍野。僕はお前みたいにはなれないよ。僕は一割くらい吸血鬼。怪異そのものだからな』
自分が怪異の一部であるから忍野のような存在にはなれない・・・これって、自分の力で他人を救えない事へのジレンマを比喩しているようにも思えるんですよね。今回がハッピーエンドで終わらなかった事も意味深で、改めて暦のようなタイプの主人公について考えさせられました。でも、やっぱり『化物語』のストーリーは晴れ晴れとした気持ちで終わりを締め括って欲しいですね・・・。いろんな意味で異端な今回でした。
次回 化物語 第十一話 『つばさキャット 其ノ壹』

エンドカードはあきまん提供。久しぶりに人物画を見たような気がします(^^;
(C)西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
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Tag ⇒ | 化物語 | 第十話なでこスネイク其ノ貳感想 | アニメ感想 | アニメ
Entry ⇒ 2009.09.12 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (4) | Trackbacks (11)