黒執事 第24話(最終話) 『その執事,滔滔』 感想
第24話(最終話) 『その執事,滔滔』より以下感想です。
熟れた果実をその口に・・・。
もう天使っていうより堕天使と捉えて良さそうな・・・。最終回に差しあたってキレやすくなったり狂人キャラの度合いが増しております(^^;
ウィルとグレル、アンダーテイカーら死神たちによって魂が次々に刈り取られ、アッシュは弱体化。ウィルの高枝バサミはちょっと地味すぎる(笑)
シエルに10秒間目を瞑るように言って、セバスチャンは悪魔の本当の姿を曝け出し、アッシュを瞬殺。
セバスチャンの本来の姿はお披露目なし。無様で醜悪で、えげつなくて、靴がハイヒールということくらいしか分かりません(笑) 戦闘シーンもただアッシュの悲鳴が聞こえるだけ。手抜き・・・じゃないよね?
夜が明けて、ロンドンが迎える新しい朝。
ヴィクトリア女王が老いた姿で登場したと思ったら替え玉・・・。まあ、あの継ぎ接ぎの病んだ女王よりずっと本物らしいですけれど(^^;
川辺で青い花の指輪を作りシエルの安否を気遣うリジーとポーラ。
リジーを残してシエルは逝ってしまうのか・・・。
EDシーンを思わせるシエルとセバスチャンの船行き。
セバスチャンが持ってきたタナカさんが綴った日記帳から、シエルの父が死を予期していたこと、もし自分が殺されてもシエルには真相を知らせずに変わらず女王に仕え続けてほしいと言い残したことが明かされる。
憎しみは何も生まれない・・・というのは分かるけど、シエルにも身の危険が及ぶ方には考えなかったんだろうか・・・。相手はファントムハイヴ家を絶やそうとしてるのに。どこまでも女王に忠実で、シエルには優しすぎたという事かな。
流れてきたリジーの花の指輪をはめて、月光にかざすシエル。
『僕は、シエル・ファントムハイヴ。そう、ただのシエル・ファントムハイブだ』
ここまできたら残されたエンディングはただ一つ。
OPを思い起こさせる石の庭園に辿りつくシエルとセバスチャン。
『・・・痛いか』
『そうですね、少しは。なるべく優しく致しますが・・・』
『いや、思いきり痛くしてくれ。生きていたという痛みを、魂にしっかり刻みつけてくれ』
『・・・イエス・マイロード』
優しくシエルの頬に手を掛けるセバスチャン。もう何だか狙い過ぎて(^^;
『『では・・・坊ちゃん・・・』』
セバスチャンは熟れて実ったシエルという果実をついに・・・というところで終わり。
う?ん、思ったとおりというか、天使と悪魔の大スペクタクルな対決の後、生きる目的を果たしたシエルはセバスチャンに魂を捧げる・・・というエンディングになりましたね・・・。
使用人たちはどうなったのか不明なまま。リジーはきっと悲しむだろうなぁ・・・。もう少し捻りがあっても良かったと思いますが、ここまできたらもう言う事はないです(^^;
ただ一視聴者としてはバッドエンディングだったと一言。後に何も残らないのは黒執事らしいかもしれませんが・・・。“感動させてくれる何か”を求めたいと思うのはわがままでしょうか。
全編を通して。
好き嫌いがはっきり分かれる物語の構成でした。裏社会に生きるシエルが触れる人の心の闇、セバスチャンには見せないシエルの人としての弱さや葛藤、またミステリーとサスペンスに富んだストーリーは引きつけられるものがありました。背徳感のある悪魔らしいセバスチャンの魅力も、そのまま作品の魅力に繋がっていたように思います。
ただ、アニメオリジナルを引き立て過ぎたせいか、時に荒唐無稽な展開が目立っていたのは少し残念・・・。今回のラストもまさにそうだったような気がします・・・。
原作に習わず、敢えてアニメオリジナル路線を突き進み、後を濁さず(?)終結させたのは潔かったのではないでしょうか。原作と見比べてみるのも良いかもしれませんね。
これにて『黒執事』の感想は終わります。
制作陣の皆様、感想にお付き合い下さった皆様、半年間本当にありがとうございました。
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Entry ⇒ 2009.03.27 | Category ⇒ [アニメ]黒執事 | Comments (3) | Trackbacks (7)
黒執事 第23話 『その執事,炎上』 感想
第23話 『その執事,炎上』より以下感想です。
誇りを取り戻すために。
その時、船上に在った少年に死神は語りかける。これから多くの人々の命が失われることを。
少年の命の灯がもうすぐ消え果ることを・・・。
■シエルの誇り
果たされることなく終わりを告げたシエルの復讐は、心から憎しみと生きる目的を失わせ、自身の誇りすら翳ませていました。セバスチャンの求めていた魂は、自分の目的のためなら如何なる犠牲も厭わない、孤高の存在だったはず。もうすぐ絶える命なら、せめてセバスチャンが求めた魂で終わらせるために・・・。
操られ暴走するプルートゥを助けようとするフィニたちに、敢えてその手で殺すように命令する姿は、酷薄でいて、どれだけの死を踏み台にしてでも目的を果たそうとしたかつてのシエルを映しているのでしょう。アバーラインの望んだ未来より、尊厳ある昏い道を選び取る。シエルらしい答えですね・・・。
■女王の末路
亡き夫の体を繋ぎあわせた体は膿んで腐り、アッシュからも見放され、ただ亡夫への想いのみを残して死んでいった女王ヴィクトリア。原作とは設定が異なるそうですが、アニメで描かれた女王は微塵も女王らしさを感じない人物として完結してしまいました。アッシュの傀儡としての役割もこなせず、人間の弱い面を示した存在、大切な人を失って脆く崩れ去る可哀そうな人・・・そんな印象です。アニメの作風のためにに大幅に改変させられてしまったキャラクターなのかもしれませんね。
■セバスチャンとの再会
女王殺害の罪を着せられ、銃弾に倒れたシエル。誇りを取り戻せないまま、何も為さないまま、倒れるわけにはいかない――。
流れる血が魔法陣を描きだし、セバスチャンの声がシエルに囁く。
『お目覚めですね。坊ちゃん━━』
あるべきところに戻ったセバスチャンはまた、シエルが戻ってくるまでの過程さえ楽しんでいるようで、悪魔らしいというか・・・いつもらしい二人を見れて安心したのが半分、撃たれたシエルの死を予感して不安になるのが半分・・・。アンダーテイカーの言ったとおりの結末になってしまうのでしょうか・・・。
アッシュの正体は天使らしく両性具有、アンジェラと同一人物であることが明かされましたが・・・今更ながら天使と悪魔の戦いになるのかという思考が置いてけぼりになったり(汗
“人間と悪魔の在り方”だけでも十分見せられるとは思うのですが、最終回で終わらせるための役割も必要なんでしょうね。
次回 黒執事 第24話(最終回) 『その執事,滔滔』
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Entry ⇒ 2009.03.20 | Category ⇒ [アニメ]黒執事 | Comments (4) | Trackbacks (6)
黒執事 第22話 『その執事,解消』 感想
シエルが求めるもの・・・。
セバスチャンが、このシエルの持つ優しさをどう捉えているのか・・・ラウとアバーラインの死からわだかまっていた二人の関係の溝が表れた第22話。
■シエルの迷い
パリ万博を訪れている女王に謁見するため、ロンドンを離れるセバスチャンとシエル。
『駒の思惑と戦略を把握しなければゲームにならない。・・・それだけだ』
口では何と言っても、アバーラインとラウの死に感傷的になっているのはどう見ても明白。
セバスチャンのシエルを見つめる目は、その様子鋭く見据えるものでした。
パリに着いた先で襲い来る天使の剝製。灯りが消えた中、シエルは“明るい出口”を目指して走ります。この時の描写も、暗い人生を歩んできた只中から抜け出そうとしているシエルの心底を思わせますね。人としては正しいことなのに、それを望んではいけないという葛藤。揺らいでいるシエルの心を垣間見せているように思いました。
■女王の真実の姿
矢継ぎ早に明かされる女王に関わる真実。
幼い少女のような容姿で、シエルの前に姿を現したヴィクトリア女王。その姿は、先立ってしまった夫、アルバートの体を、シエルの両親のように繋ぎ合わせた結果、心が浄化されたからとのこと。
・・・何だか色々と無茶をやりますね・・・。アッシュが天使だったのは想像通りですが・・・。
そしてこれまで汚れ役を請け負ってきたファントムハイヴ家を、浄化の名目で滅ぼそうとした事実。
シエルの両親の仇は、他ならない主、ヴィクトリアその人であったことが判明しました。
天使連中と組んでいるのか、操られているのか・・・はたまた偽物なのかと思いましたが、あっさり本物であると語られてしまいました(^^; というか本物でいいんでしょうか・・・こんな人が女王っていうと、いろいろ問題ありそうな気が。最終的な敵は天使だけかと思いましたが、一国の女王本人を持ってくるとは少し意外です。
■セバスチャンとシエルの決別
シエルは、セバスチャンにアッシュと女王を殺すよう命じます。この時点での覚悟は本気だったのでしょうけれど、二人の戦いで被害に巻き込まれる人々の姿を見て、戦いを中止するように促すシエルに、セバスチャンは信じられないというような目をシエルに向けています。
全てをなげうって果たしたかった復讐を目前にしながら、人々を助けるためにその命令を取り下げるシエル。アバーラインが死亡した時。彼が盾になった際、その死を踏み台にしてでも目的を貫こうとする姿をセバスチャンは期待したのではないでしょうか。
けれどシエルがセバスチャンに見せたのは、人としてその死を悼み、今復讐を果たせるその時すらも他を顧みてしまう“弱い心”だった。
この結果が、セバスチャンがシエルの元から離れることになってしまいました・・・。
■無力な子供として
荷馬車から下ろされお金だけふんだくられるは、宿屋にすら泊まれず、港に一人で辿りつくこともできない。シエルもちょっと考えなし過ぎるというか、ファントムハイヴの名前を出せばなんとかなると思ったり、簡単に騙されたりとらしくないのは、セバスチャンを失って無力になった姿を描きたかったんだろうけど、少しわざとらしくも思えます。セバスチャンが傍にいない心の動揺も少なからずあったのでしょうけれど。
しかしまだ、シエルの目にセバスチャンとの“契約の印”が残っていたのは、まだその絆が切れていない証拠。まだ試しているのかもしれませんね。枷でもあり力でもあったセバスチャンを失ったシエルが、このまま安寧の道に進むのか、以前のように孤独な生き様を求めるのかを・・・。
次回予告はセバスチャンではなく、初めてシエルが担当。
『僕は走る。赤く燃えるロンドンを。僕は走る。何のために。僕は走る。あいつの求める魂で終わりを迎えるために。次回、その執事,炎上。あくまで執事、の主人ですから』
アバーラインが語った未来を求めるではなく、セバスチャンが望む孤高の魂である事を選ぶのでしょうか。執事とその主の行く末、次回に注目です。
次回 黒執事 第23話 『その執事,炎上』
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黒執事 第21話 『その執事,雇傭』 感想
第21話 『その執事,雇傭』より以下感想です。
使用人たちの役割。
まさかあのメイリンが元・暗殺者で、しかもメガネの下はとんでもない美人さんだったとは驚きです(笑)
前回の鬱な展開から一呼吸置いて、今回はファントムハイヴの使用人たちのお話。
アバーラインの死、ラウの残した女王への疑念。誰の目から見ても落ち込んでいるシエルを励ますために、久々登場のリジーと協力して使用人三人組が頑張ってしまうわけですが・・・いつものドタバタ風景が何か安心とさせられます(^^)
バルドは過去、軍隊に所属していた時、フィニは何かの人体実験の被験者にさせられていた所を、メイリンと同じようにセバスチャンにスカウトされて、ファントムハイヴ家にやってきました。
セバスチャンが使用人としては全く無能なこの三人を雇った理由、それはファントムハイヴを狙う輩から、シエルを守ること。メイリンは銃で、バルドは軍仕込みの戦略で、フィニは得意の剛力で。それはリジーと語りあうシエルには届かないように、人知れず・・・。
『皆さん、いつも御苦労さまです』
リアルタナカさんのこの言葉で、使用人たちの戦闘風景が日常だったことを知らされるこの演出は良かったです(^^) 使用人を掘り下げるならもっと早く・・・なんて思いましたけれど、前回の幕間としてこういうお話があってもいいと思いました。メイリンがブラクラの某メイドばりに銃持って活躍するシーンなんてものも見られましたし(笑) カッコよすぎるよメイリン・・・(´∀`*)
登場人物がどんどん消えて行って、不安だったファントムハイヴの内部は今まで通りで安心。使用人たちまでいなくなったらどうしようかと思いましたが。鬱展開の続いた最後の息抜きとして楽しめました。次回からは最終回に向けてスパートがかかりそうですね。
次回 黒執事 第22話 『その執事,解消』
『パリ万博を飾るのは、煌びやかな真実。本来の坊ちゃんは、優しい良い子でございます。・・・反吐がでますね』
次回予告のセバスチャンの台詞と、22話の題名から展開を予想させますが・・・セバスチャンはシエルの元からいなくなってしまうんでしょうか・・・?
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Entry ⇒ 2009.03.06 | Category ⇒ [アニメ]黒執事 | Comments (2) | Trackbacks (8)
黒執事 第20話 『その執事,脱走』 感想
第20話 『その執事,脱走』より以下感想です。
次々と消えてゆく登場人物たち・・・
親書を持っていたジョン・スタンレーは、ラウに殺されていた。スタンレーの事を聞いたシエルにラウが“知らない”と答えた時点で、裏切りは確定していたということでしょうか。
『ねえ伯爵。それに何が書かれていたと思う?ドイツとイタリアに対して軍事同盟を申し入れる外交文書さ。君の新愛なる女王はね、ヨーロッパを・・・いや、世界を戦争に叩きこもうとしているんだよ。アヘン・・・いや、“レディーブラン”によるフランスへの侵略を口火に。そう、かつて君の国が私の母国をアヘンで侵略したように』
ファントムハイヴの製品を偽装して麻薬を売っていたのはマフィアのコラールで、そのコラールはスタンレーからの依頼で麻薬を作っていた。アッシュいわく、スタンレーは女王の命令で動いていたということですから、これで事件の背後関係ははっきりしましたね。
女王はスタンレーを通じてコラールに麻薬をばら撒かせ、それを理由に戦争を仕掛けようとしている。ラウがスタンレーを殺害したのは、スタンレーがラウにちょっかいを出したという事を考えると偶発的なものとも思えますが・・・。 ともかく“親書”を手に入れたラウは、それをシエルが探していると知って、“ある文書”をシエルが入手したと誤情報をばらまいてシエルをオトリに使い、自分はその“親書”を手土産に外国へと渡ろうとしていた。
アッシュの言う“女王”が本物の女王なのかが気になりますが・・・女王は傀儡になっているのかアッシュが成り変わっているのか、どちらにしてもシエルの敵になりそうな予感。アンジェラも生きてましたし・・・。実はアンジェラとアッシュって同一人物なのかとも思えてきます。天使っていう特性から考えて。
■ラウの裏切りの理由
ラウの手に腕だけを残して吹き飛ばされた女の子、英国服を着た人間たちにいたぶられる幼少時のラウの姿・・・。
冒頭の『胡蝶の夢』を詠むラウの回想から伝わる英国から受けた苦しみは、本人が英国に対する恨みが裏切りの理由とは違うと否定していても、今回の件に至るまで確実にラウの根底にあったものなんでしょうね。カリー品評会の時に女王が姿を見せた時、目を開いたラウの一瞬の表情も伏線だったのかと思うと、あの回も無駄ではなかったように思えてきます^^;
シエルのを裏切った理由を退屈な日常に飽きたからと答えるラウですが、その刹那的な人生観は大切なものを失ってしまったからだと考えると、少し切ないですね。
■アバーラインの死
裏の世界で一人孤独に生きようするシエルの親身になっていたアバーライン。
前回立ててしまった死亡フラグを回収するという形で、シエルを庇ってラウに刺され、死亡・・・。
アバーラインはシエルが未来ある子供だとして守ろうとしました。シエルは既に未来を引き換えにしている身だというのに・・・。アバーラインらしい行動ですけれど、子供の未来を信じているなら尚の事、自分の妻と生まれてくる子供のために生き延びてほしかった。黒執事の“表”を担って事件に関わってきた人物だけに、今回の退場は残念です・・・。
■セバスチャンとシエル
『片っ端から食い散らかすような真似はもう飽きました・・・。私が欲しいのは坊ちゃんだけ。他に欲しいものなどありません』
セバスチャンがシエルをどんなに大切に想っているかを表すこの言葉。最終回くらいまで取っておいてほしいセリフでしたが^^;
セバスチャンがシエルを欲している理由は、使命を果たすためなら他を顧みない強さにもあったように思いますが、今回ラストでアバーラインを看取ったシエルに顔をしかめたのは、それに反する弱さを見てしまったからでしょうか。
アバーラインが自分を庇って死んでも、それを踏み台にして生きる意志を見せるような姿をセバスチャンは望んでいたのかもしれません。でも、アバーラインの死の前にシエルはそんな姿ではいられなかった。セバスチャンが今後シエルに対する評価を変えてしまうような事になるんでしょうか・・・。
登場人物が次々と退場し、孤独になっていくシエル。最後に自分の近くにいるのはセバスチャン1人だけになってしまうように思わせる展開。そのセバスチャンとの関係にも変化が起こりそうで・・・。
次回は使用人たちのお話のようですし・・・不安です。
次回 黒執事 第21話 「その執事,雇傭」
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Entry ⇒ 2009.02.28 | Category ⇒ [アニメ]黒執事 | Comments (2) | Trackbacks (3)
黒執事 第19話 『その執事,入牢』
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黒執事
第19話 『その執事,入牢』より以下感想です。
荒唐無稽な物語から推理する黒執事へ。
超常能力が働かないミステリー展開は久しぶりですが、舞台設定と相まっても面白いと感じてしまいます。
テムズ川で上がった死体が、シエルと同じく女王の命で動いていたことを、アッシュから伝えられるシエル。女王から下された命は、その死体、ジョン・スタンレーが持っていた“あるもの”を処分してほしいというものだった。
シエルは死体が上がった地域を仕切るラウに協力を要請。シエル自身がドックで死んだ男から“重要なもの”を手に入れたという情報を流し、犯人の手に渡ったであろう“あるもの”の真贋を疑うように仕向け、自分自身をオトリに犯人をおびき寄せるという策を講じる。
ラウに協力を要請した際に聞いた、現在出回っている阿片に変わるドラッグ、“レディーブラン”が、ファントウハイヴの工場から出荷しているキャンディーにすり替わっている事を知ったシエルは、真相を確かめるべく工場へ向かう。しかし、そこにはアバーライン警部補とランドル卿が待ち構えていた。
彼らが言うには、シエルにはラウと結託して新型麻薬を作っていた嫌疑がかけられているという。ラウは逮捕に向かった警官を殺し逃走。シエルとセバスチャンは女王からの直々の命令で出向いたというランドルによって拘束されてしまう・・・。
警官によって手錠をかけられ、引き離される間際、シエルはセバスチャンに言付ける。
『一切抵抗はするな、その時が来たらお前を呼ぶ。そして、思い知らせてやる。この僕に屈辱を与えたものがどうなるかを。いいな、セバスチャン』
『イエス、マイ・ロード・・・』
重要な事項を省いた物語の全容はこんな感じでしょうか^^; 事件の背景や気になった事は以下。
・アッシュの暗躍
今回シエルが捕まった原因のひとつは、シエルから依頼を受けた“重要なもの”を手に入れたという情報を、ラウが“ある文書”を手に入れたと流してしまったことにあるんですが・・・。
アッシュは女王からの命令としてランドル卿に働きかけて、“あるもの”が親書だと知るのは犯人だけなので、シエルとラウを拘束するように差し向けました。アッシュがシエルを捕える口実にも、ラウがシエルを貶めたようにも見えますが、ラウ自身に嫌疑をかけられている所から見ると、アッシュの方に疑惑がまず向くかと。
ラウは今回の件をゲームを楽しんでいるように見ている節もありましたし・・・。
ラウとアッシュが結託して、という事も考えましたが、アッシュは船乗りの少年からカティサーク=ランマオの事を聞き出そうとしていることから、親書がラウの手に渡ったと知ったようにも思えます。
アッシュが今回の事件の黒幕だとして、目的は二通り。シエルを捕えることか、親書がブラフでなく、本当に存在するものとしてその行方を追っているのか・・・。実際ラウが親書らしきものを読んでいる描写もありましたね。
アッシュについて言えば、女王の命令は彼の口と書類から発せられているだけであって、本当に女王からの命令なのか疑うところも以前から多いにあるわけで。しかもあのアンジェラと関係があると思われる上、出回っている麻薬が“レディーブラン”=(アンジェラの名前はアンジェラ・ブラン)となればますます怪しく思えてきます。
・ラウの行動の謎
『伯爵。これは私たちが関わった中でも、最高のゲームになるかもしれないね』
ラウの方は、シエルの女王に対する忠誠の何故かを問いかけたり、依頼に仕掛けをするなど、愉快犯的な面が見られますが、シエルの工場に阿片を置いたのもラウかというと、また怪しくなってくる・・・。どこまでがラウで、どこまでがアッシュの仕掛けた行動なのかが鍵なんですが・・・。
カレー品評会で女王を見たラウが薄ら目を開けたのが印象的でしたが、今回の件が女王と繋がりがあると知って引っ掻き回している可能性も?一連の行動は“親書”の中身を知った故の行動だったり?シエルの敵か味方か、どちらに転ぶかのかが非常に気になりますね・・・。
・死亡フラグ?アバーラインの結婚話
アバーライン警部補が恋人にプロポーズしたというお話。
『この街ももっと安全な場所にしたいんだ。子供が安全に、子供らしく育つことができる街に』
恋人との間に出来た子供のためと、シエルのことも含めているようなセリフ。こんなキナ臭い事件を追っているタイミングではどう考えても死亡フラグのように思えてなりません。
シエルが仕える女王が本物かそうでないのか、ラウの真意はどこにあるのか、アッシュの正体とアンジェラの関係などなど、ミステリー要素が加わって複雑ながらも惹きつけるストーリー構成になっていました。
アバーライン警部補があまり出張らなかった分、忘れがちな恋人との結婚のフレーズ、次回への危険なフラグが立たないかと不安ですが・・・次回予告で刺される人物が誰なのかが気になりますね・・・。
次回 黒執事 第20話 「その執事,脱走」
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黒執事 第18話 『その執事,転送』
第18話 『その執事,転送』より以下感想です。
天使に悪魔に死神が揃い踏み。
・・・といきなりのショッキング映像に驚きましたが今回はびっくり展開が多すぎます(ーー;)
アニメのストーリー転換としてなのかどうか微妙な部分もありましたけれど、かえってオリジナルで良かったと思える所もちらほらと^^;
シネマティックレコードが収められた『死神図書館』で、アンジェラが見せるシエルの過去。
アンジェラがシエルの両親を殺したという事ですが、最後の展開を見るに別に実行犯がいる可能性も。どちらにしてもアニメオリジナルなのでしょうけれど。
シネマティックレコードを改竄して、過去の辛い記憶の印象を操作してシエルを惑わし、その魂を自分のものにしようとするアンジェラ。
憎しみに穢れた魂を浄化するなんて言ってますが、考えてもみればシエルが復讐のためにセバスチャンと契約したのも両親が殺されたからで、今のところ実行犯と思われるアンジェラが最初から関わっているとなると、最初からシエルの魂が目的で両親を殺したのかなどと色々想像してしまいましたが、黒幕が別にいるなら考えても詮無いことですね。見ていてアレッ?と思ってしまいました^^;
『僕は失わない。この憎しみを、失わない!』
憎しみも今現在の自分を象った一つとして、それを捨て去る事を拒否するシエル。
『貴方はいつも私の想像以上を見せてくれる。さすがは私の魂・・・いえ、私の坊ちゃんです』
シネマティクレコードを自力で巻き戻し、言葉と信念の強さ以外で人間としての強さを見せてくれたシーンは良かったです。形式的な心の強さに実体感が伴ったというか・・・こういう見せ方もありかな、と。セバスチャンのセリフからはシエルがもう彼のモノとして扱われているような気配も(´∀`*)
本性を現したアンジェラに対するセバスチャン、管轄内での勝手は許さないとウィルとグレルも加わって決戦開始か・・・と思ったらアンダーテイカーがいきなり現れて、その正体が実は伝説の死神だったなんてびっくり展開。
えー・・・ホント唐突すぎる(;´Д`) 管理官クラスの死神しか持ち出せない究極の死神道具とやらを使わせるためにあてがったような急な配役にしか見えなかったのですが・・・原作でもアンダーテイカーは死神さんをやっておられるのでしょうか^^;
しかもその究極の死神道具「デスブックマーク」、“ピンクのしおり”ってかまいたいちの夜ですか(笑)
しおりを挟んだシネマティックレコードのページに赤ペンを入れることで、可能な範囲の出来事を書き加えて現実を改編させる事ができるって反則も良いところ。
修道院に逃げたアンジェラが殺そうとしている人物のシネマティックレコードに、「セバスチャン登場」と書き加えられたら瞬時に修道院へ瞬間移動できるとか便利なものです^^;
書き換えられたシネマティックレコードの持ち主は前回セバスチャンと行為に及んだ女性のもので、悪魔の匂いがすると言ったアンジェラに、現れたセバスチャンが一言。
『彼女には既にマーキング済みですのでね』
ああ、あの前回のアレにはこういう伏線が・・・って納得できるかっ!(笑)
グレルとウィルまで送り込んでアンジェラを壁に磔にした状態で、ダーツボードと洒落込みましょうかってナイフを突き刺すのはドSっていうか鬼畜の域に達してるよセバスチャン(;´Д`)
さすがは悪魔だけはあるってところですか・・・。
最後は修道院を巻き添えにしてアンジェラは自滅。薄ら笑いを浮かべていたところからもまだ続きがありそう・・・と思ったらやっぱり他に犯人はいるというオチ。女王の執事のアッシュにもセバスチャンは目を付けていたし、女王も含めて犯人はあの辺りなんでしょうけれど、セバスチャンって知っていても黙ってる素振りがあるから実は事件の真相を知っているような気もしないでもないんですよね。
それにしても今回はアニメらしい展開ではありました。オリジナル展開で収束を迎えるために一気に加速してきたという感じはしますが・・・ここで一旦小休止? 次回は久々に劉(ラウ)が登場。
OPではハブられてしまった彼ですが、出番を期待しつつ少し不安も感じてしまいます・・・。
次回 黒執事 第19話 「その執事,入牢」
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黒執事 第17話 『その執事,奉納』

非常に対処に困る展開です・・・

第17話にしてOPカットが全て刷新。シエルとセバスチャンが主だった以前に比べて、仕様人組にグレル、アンダーテイカーとキャラクターが登場するOPに。アンジェラやアッシュの登場は今後のアニメオリジナルの展開を予想させますが・・・雰囲気は以前の方が良かったかな。ところで劉(ラウ)はどこに行ったの(;´Д`)

カレー品評会以来の登場の女王の付き人アッシュ。
シエルが言うには『女王の執事』だそうですが・・・もう何でも執事なのね^^; 今まで女王からの依頼は全てアッシュが届けていたそうだけど、プルートゥが懐いていたことや、容姿がアンジェラと似ていたことからも、早くも裏に関わっていそうな予感。
アニメでは顔を隠していた女王の事も考えると、あの女王って実は偽物なんじゃないの?とかいろいろ想像してしまいますが・・・

修道院に出入りする怪しげな宗教団体。大量の棺が運び込まれているという情報から、内部に侵入するために、アンダーテイカーの力を借りようとするシエル。
グレル扮するアンダーテイカーの声真似がとても似ていてビックリ。さすが福山さんですね(笑)
葬儀屋と死神っていうのも珍しい組み合わせですが^^; 最近盗まれているシネマティックレコードを調査していたグレルはお花畑でお昼寝していたところを“息の根を止めて”眠ってしまったために死体と勘違いされて葬儀屋に運び込まれてきたと・・・王子様のキスで目覚めようと思ったとかどんな理由ですか(;´Д`)

グレルと一緒に修道院に入り込むシエルとセバスチャン。やたらと友好的な雰囲気がかえって怪しい・・・。
シエルの両親を殺害した組織と同じ紋章があったり、『不浄』って例の言葉が出てきたり、もうアニメオリジナルの話と直感しましたけど、どうにも嫌な予感がしてならないのは何故でしょう^^;

情報を手に入れるために教団の女性に探りを入れるセバスチャン・・・普通に口説くなら、それらしいのもまだ分かります。けれどね・・・
『こういう手も使うのか、あいつは・・・』
・・・これって、実はマッサージしてましたとか、そういう事じゃ・・・ない・・・の?(・-||li)
その後も聞きだした“天の聖歌隊”って情報の話でも『歌う・・・というとちょっと意味合いが違うかもしれませんが、教祖様のお部屋で美しい声音を・・・』とか、カルト宗教にありがちなものを意識しているのは分かるんだけど・・・(ーー;) 大体いつものセバスチャンなら簡単に聞き出せただろうし、(現に事が済んでから話しを聞いているし)いくらなんでもやり過ぎ。見ていて( ゚д゚)ポカーンってなりました・・・。

そして教祖に召し出されたシエルの前に現れたアンジェラ。実は“天使”だったって設定・・・。不浄やら穢れやらに執着したフレーズの意味はアンジェラが天使だったから、と言えば理解できるものもありますが・・・。
悪魔や死神がいて他にもオカルト的なものが出ていてもおかしくないだろうっていう考えと、物語の本筋をオリジナルと絡ませたいっていうのは分かるんですが、何だか突拍子もないというか。
前回の1話で締めくくったお話と比べると、やっぱりストーリーの本筋の展開は見劣りしてしまうというのが本音です・・・。
次回 黒執事 第18話 「その執事,転送」

次は天国へご招待・・・みたいなお話だったりして・・・
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黒執事 第16話 『その執事,孤城』 感想


孤城を舞台にしたイングランド国王エドワード五世とその弟リチャードとのシエルたちの出会い。
今回のストーリーでは最初から二人が幽霊であることがはっきりと告げられていますが、逆に潔くて良いかと。悪魔がいるんなら確かに幽霊が居たって珍しくもないですね(笑)
『イエス、ユア・マジェスティ』・・・この言葉、どうしても懐かしく聞こえてしまいます^^;
それにしてもこんなかわいい子が男なわけが以下略。

シエルとエドワード王子のチェス勝負。賭けられたのはセバスチャンの身柄と城の所有権。
チェスの駒を自在に変えるのは自分の能力を最大限に用いているだけで不正ではないって・・・その理論が正しいかどうかは別にして、過去のシエルの台詞を引用したセバスチャンの物言いはなるほど納得できるものでした。
『我が主は、どうやら自らの信念をお忘れのようなのです。表面的なルールに縛られて、使える駒を使わずに負けるような奴は、馬鹿だというのが主の持論でございます』
セバスチャンらしい皮肉のこもった言い草ですね^^; 主に対しても容赦ないところが彼らしいです。

セバスチャンはエドワードたちの僕に、シエルは客人として孤城に滞在することに。
アイロンで靴ひもを延ばしたり衿襞を折ったりするのも時代が感じられて良い。
歴史考証とかそんなものじゃなくて、こういったちょっとしたシーンを出すところに雰囲気が感じられます。それにしても、リチャードは(ry

今回の一番の見所は、やはりシエルがエドワードの失った過去を思い出させるシーンでしょうか。
『時が経てば痛みは薄れる。だが僕は、時の癒しなど欲しくはない。
痛みから逃げ、忘れたつもりでいても、そこにあるのは停滞だけだ。先に進むことはできない』
400年の時が経って忘れさせられていたエドワードの憎しみと悲しみを呼び起こし、エドワード自身が自分に嘘をついていた事を思い出させるシエル。
今自分が生きる様を死者であるエドワードに語ったのは、似た境遇だったエドワードにシエル自身が投げかけた救いの言葉だったのかもしれませんね。もっともシエルは救いや優しさなどではなく、己の生きる道を示して見せただけかもしれませんが、それでも二人の魂を救った事には違いないのでしょう。

『憎しみも悲しみも、全て貴方のもの。それら全てを力に変えて、貴方は歩いてゆけばいい・・・』
なかなかどうして、前回とは打って変わって完成度の高いお話でした。冗長に次回続きにするより一話完結ですっきり終わらせた方が気持ちが良いものですね。今後もこのクオリティに期待したいものです。
次回 黒執事 第17話 「その執事,奉納」

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黒執事 第15話 『その執事,競争』 感想


アグニの作った究極のカリーに対するはチョコレートを隠し味に使ったりパンでルーを包んだり、斬新なアイディアと人々を思いやる(?)心で作ったセバスチャンのカリーパン。当時からしたらそれはそれは革新的だったんでしょうけれど^^; ドルイット子爵のリアクションは相変わらずで面白い役回りだけど・・・人身売買してた過去を忘れちゃいけない(;^ω^)

前回一人のシェフに怪しげなスパイスを渡していたアンジェラですが・・・この人の介入を挟んで急に展開が一変。人の欲望を曝け出すスパイスが人々の暴動を引き起こし、シエルにも暴徒と化した人間が迫りくる中、例の『不浄で消せ・・・』。
どうあってもアンジェラを黒幕にしてストーリーを運びたいようだけど、この戦闘の一部始終は何とも陳腐に見えてしまう。元々こういうノリなアニメだったかなぁ・・・。ソーマとアグニが分かり合えたのは良かったですが・・・。

『国など関係ありません。どこにいても、いつの時代も同じようなものです。人間なんてものはね』
人間を皮肉るようなセバスチャンの言葉も、アグニにとっては国を超えて変わらない人の美しさを表現する言葉に置き換えられる。セバスチャンとアグニ、シエルとソーマ、対照的な二対の関係が今回のお話で一番面白かったように思います。人間でありながら、悪魔であるセバスチャンに迫る力を持つアグニや、シエルとソーマの境遇の対比はシエルがより過酷な中で生きている事を強調付けていました。
アンジェラというキャラクターの存在がどこまでアニメのストーリーを引っ張るかで今後の展開も変わってくるように思いますが・・・。今のところ暗躍してるところを強調してるだけに思うのは気のせいでしょうか。良くも悪くも今後の鍵を握る人物ということに違いはないと思いますが。次回からは新展開です。
次回 黒執事 第16話 「その執事,孤城」

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