テイルズ オブ ジ アビス 第26話(最終話) 『新たな世界』 感想

最後の約束のために。

星の記憶を消滅させ、ユリアが世界の終末を謡った消滅預言(ラストジャッジメントスコア)を覆すために、ルークに共に来いというヴァン。しかし、毅然としてルークはその誘いを断る。
『俺はあなたに認めてほしかった。レプリカとしてではなく、一人の人間として』
ヴァンはルークにとっての剣の師匠であり、初めて自分と真正面から向き合ってくれた人物でもあります。レプリカとして生まれ、拠るべきもののなかったルークには、ヴァンが唯一絶対で、信じられる存在だった。それがルークを利用するための体裁であったとしても、ルークの人格を形作ったある意味父親的な存在として、ルークの心にヴァンは映っていたのかもしれません。それでも、今のルークにはヴァンを拒否し、はっきりと自分の生き方を告げる事のできる強さがあった。
『誰かに認めてもらうために、生きてるんじゃない。俺は、俺として精一杯生きる!』
ルークは大切な仲間と出会い旅を続けるうち、自分が何者であるかを知りました。多くの人を死に至らしめた苦悩は生きることへの迷いを与えながらも、何に換え難い命の大切さを痛感させ、そして自身が死の間際にあって生への渇望を実感した事で、誰かに依る生き方ではなく、己の生きたいという意思を素直に受け止めることができた。ヴァンへの依存を捨て、一人の人間として確立したルークはここにきてはっきり『成長した』と言えるのではないでしょうか。

『俺達は、未来が得られると信じている!!』
『私は、未来が定められていると知っている』
ラルゴの時と同じように、お互いが預言を否定するという考えに繋がりながらも、決して交わることのない両者の意思。星の記憶を消滅させ、預言によって生まれた命を消し去り、それまでの全てをレプリカに置き換えることで、何にも縛られない新世界を作ろうとするヴァンと、預言を捨て去り、自らの意思で未来を選び取って、今の世界をより良くすることで新しい世界の在り方を求めるルーク達。
ここまできたら、最早話し合いで解決できる事はありません。互いの信念はぶつからざるを得ない・・・。

ヴァンとルークたちの決戦。それぞれが必殺技を連発する様子はまさに総力戦という感じで見応えもありますが、ルークは仲間の中では遂に一言も技名を話すことはありませんでしたね(^^; せめて『ロスト・フォン・ドライブ』は最後に使ってほしかった・・・。

ローレライを取り込み、その力を手にしたヴァンは圧倒的な力を見せつける。次第に追い詰められていくルークたち。しかし、ティアが詠う譜歌はヴァンの中のローレライに反応し・・・苦しみだし、動きが鈍るヴァン。ローレライの宝珠と鍵を合わせ、ヴァンに最後の一撃を与えるルーク・・・。
ティアの詠った譜歌は、かつてヴァンから教わったもの。いつか必要になる、その時のためにと。
その優しい旋律は、世界を愛していたユリアが、ローレライに捧げた契約の詩。
世界の破滅を詠んだユリアは、その預言を覆してほしいと、世界の皆が幸せに暮らし続ける世界を心から願っていた・・・。ヴァンはユリアの真意を知っていて、ティアにユリアの譜歌を教えたんですね。そう考えると・・・ヴァンは自分とは違う方法で、ユリアの預言を覆してくれる役割を、ティアに託したようにも思えます。世界に絶望したヴァンは、それでも自分の求めるものとは違う未来をティアに望んでいたのかもしれない。ヴァンが妹のティアを想う絆は確かであっただけに、哀しい・・・。

ヴァンは最後まで自分の信念を貫き、消えていく・・・。
ティアにとっては優しい兄であり、またルークにとっても、自分の師である事に変わりはありませんでした。切ない戦いの終わりですね・・・。
崩れ始めるエルドラント。ルークは、ローレライと・・・そしてアッシュとの約束のために、ローレライの意識を解き放つため一人残ることに。そして、ルークとの再会を約束する仲間たち。

ジェイドはパーティの中で最年長だけあって、時に大人らしいシビアな意見が目立ちましたね。辛い現実を知っているからこその年長者の役割・・・。でも時折見える表情には確かに暖かいものが感じられました。ルークと握手を交わす時、左手に差し替えたのは・・・ルークに対する親愛の表れ・・・そう考えるべきでしょう。『生きて帰ってきてください。そう望みます』・・・消えかかったルークが残り僅かな命だとしても、真に願った言葉だったのでしょうね・・・。

『このまま消えるなんて・・・許さないからな!』
ガイもルークが消えてしまうことに勘付いていたんですね・・・。けれど、きっと帰ってくると信じて。
時に兄の立場として、理解者として、ガイは最初から最後までルークの友人として在り続けました。アクゼリュスの件があってもルークを信じて待ち続けていたガイ。彼がいたからこそ、今のルークは在るんだと思います。そしてその友情は永遠に変わらないはずです。

いつもと変わらない明るい笑顔でルークと接するアニス。アニスもまた、ルークの体の異常を知っていました・・・。何だかんだ言って、ルークの事をしっかり皆見てるんだなあ・・・。だからどれだけルークが大きく成長したかも分かっているし、その変化を感じとることができたのかもしれない。
ダアトを立て直すための後援者として、ちゃんと生きて帰ってくるようにルークに告げるアニス。悲壮感なんて、アニスには似合わない。その笑顔にルークもきっと救われたはず。

ナタリアはルークに必ず生き延びるようにと・・・。ナタリアって実はティアよりヒロイン向けのキャラクターなんじゃないかと思うんですよね。アッシュとルーク、両方の間に揺れ動くヒロイン・・・。ストーリーではティアがヒロイン役に選ばれた印象がありますが、ナタリアの葛藤やルークに対する気持ちがもっと見てみたかった気もします。もしナタリアが正ヒロインだったら、恋愛関係はもっと深く描かれていたのかもしれませんね。

ミュウは・・・最初のころはブタザルなんて呼ばれて激しいDVを受けていたのに、今ではルークの心の拠り所に。いつでもずっとルークの傍を離れない忠義者、ミュウもまたルークに欠かせない存在でした。アニメではほとんど見せ場が無かったのですが、(ダンジョンがほとんど無かったせいで・・・)原作ではちゃんと活躍してます(笑)

『必ず、帰ってきて・・・必ず、必ずよ!待ってるから・・・ずっと・・・』
ティアはルークを時に叱咤し、その成長を見守り、辛い時には傍にいて・・・。仲間の中では一番ルークと正面から向き合っていた印象があります。そういう面は兄のヴァンと似ているのかもしれない。
互いに痛みを分かち合って、次第にルークに惹かれていく姿が可愛らしかったです。
そして、最後の最後に、小声ながらも『好き』と想いを告げるティア・・・アニメでもこのシーンは切ない;;

崩壊するエルドラントの中で、ローレライを解放するルーク。抱きかかえられたアッシュの指が少し動いたのは『可能性』を思わせる布石でしょう。

そして、二年後。預言のない、自由な世界で人々は懸命に、それでも幸せに暮らしていた。
ルークの成人の日、エルドラントを望む渓谷で、かつての仲間たちは再会する。
誰もが、ルークの帰還を諦めてはいなかった。けれど、そこにルークの姿はなく・・・。
人々の幸せを願う、ユリアの譜歌を詠いながら・・・ティアはルークを想う。

皆が帰り始め、ティアも背を向けかけたその時、見知った赤い髪の青年の姿が・・・。
『どうして、ここに・・・?』
『ここからなら、ホドを見渡せる。それに・・・約束してたからな』
帰ってきたのは、ルークなのかアッシュなのか・・・それはもう個々の判断に委ねられるのでしょう。
原作内でも考えさせられる要素は与えられているし、実際に悩むべきところですが・・・
“約束”を守って、帰ってきてくれたこと。それを一番大切に思いたいですね。原作で得られた感動、再び感じることができて嬉しかったです・・・。
【最終回を終えての感想など】
TOAアニメ化!という事で、まず頭に浮かんだのは上手くいくのかな?という不安。
OVAでテイルズシリーズは既にアニメ化されていましたが、尺の都合上どうしても改編させなくてはならず、ほぼ別のストーリーとして出来上がっていたんですよね。もちろんアニメオリジナルが悪いというわけではないのですが、見た感想はイマイチ・・・。シリーズファンとしてはどうしても違和感が拭えませんでした。
そして今回のTVアニメシリーズは原作準拠・・・これってかえってハードルが上がるんじゃないのかと更に不安感が増しました(^^; 原作通りストーリーで進めるということは、逆に言い逃れできないんですよね。原作とどうしても比べられてしまうので・・・。そんな考えもあって、どこかで不安を感じながら見始めたのですが・・・。
序盤のストーリー展開を見て、当初の不安は消えていました。ゲームの世界をアニメにしたらこんな感じなのかと、新鮮さも感じましたね。しかもキャスト陣はゲームと同じ、アニメーションで動きまわるキャラクター達はゲームでは感じられない躍動感を与えてくれました。
ただ、中盤に差し当たって目立つようになった展開の速さ、原作イベントのカットの傾向は尺合わせを感じられて、少しもったいなかったというのはありました。それと戦闘シーン、ダンジョンの大幅短縮。ダンジョンは話に含めてもう少し絡ませてほしかったですね。やはり思い出深いですし。戦闘は・・・よく動いてくれることはありましたが、迫力を感じるようなものではなかったのが正直なところ。
イベントからイベントへ場面が映っていって、冒険や旅をしているという感覚が掴めなったところは少し残念に感じた部分です。
専門用語が多くて分かりづらいのでは・・・という部分もいくつかありましたね。説明シーンで解説されても、単語の意味が何なのか分からなければ意味はないですし・・・。原作の世界設定が複雑なだけに、難しいところではありますが、原作を知らない方には厳しいのでは、というところは多かったように思います。
いろいろ問題点も上げありましたが、それでもゲームを原作とした作品の中では、確実に成功していたのではないでしょうか。最後も原作に忠実に、綺麗にまとめられましたし、毎週楽しく視聴させて頂きました。
最後になりますが、これまで感想にお付き合い頂いた皆様、コメント、トラックバックを頂いた皆様に、感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。そして制作スタッフの皆様、今までお疲れ様でした。次回作にも期待しております・・・。

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Entry ⇒ 2009.03.28 | Category ⇒ [アニメ]テイルズ オブ ジ アビス | Comments (4) | Trackbacks (9)
テイルズ オブ ジ アビス 第25話 『存在を賭けて』 感想

お互いの存在を賭けた戦い。

リグレット、シンクとの戦い。二人とも、『星の記憶』に縋る世界を消滅させるというヴァンの思想に共通する目的を持ちながら、それとはまた違う自分自身の考えを貫いているんですよね。単に倒されるべき敵で終わらずキャラクターが掘り下げられているところもアビスらしいところでしょうか。
リグレットはヴァンの思想に傾倒しながら、ヴァン自身に好意を持って付き従っている。弟を預言で失っていたり、かつてはヴァンを憎んでいたり複雑な背景があるのですが、それらが明かされない分、ヴァンへの想いの部分が強く感じられますね。大義を掲げられるよりかえって分かりやすいかもしれません。
シンクはイオンが預言で死んだ結果生み出され、使いものにならないからと廃棄され、意味のない生を与えた世界そのものを憎み、自分の存在さえ疎ましく思っている。テーマが『生まれた意味を知る』というテイルズオブジアビスの中にあって、アンチ的なキャラクターだと思います。事実、最後までシンクは誰にも救われることはありませんでした。

交わらない二つの思想は、ティアにとって最大の恩師であるリグレットを自らの手で死なせること、アニスにとっては救うべきイオンのレプリカであるシンクを失わせることに・・・。両者も覚悟の結果とはいえ、次々に登場人物が死んでいくのは哀しいものがあります・・・。

そして対立の結果はルークとアッシュにも。
『居場所も名前も奪われ、ただ懸命に生きるしかなかった』
『自分が誰なのか分からないまま、閉じられた小さな世界で生きてきた』
かつて自分の居場所を奪われ、今その存在さえルークに吸収されると知ったアッシュは、ルークとの決着をつけずにはいられなかったのでしょう。これまで見えていたように、ルークが自分の分身だと思っていたからこそ、アッシュはレプリカであるルークに同等の価値を求めてきたんですね。
でも、ルークは自分が誰の代わりでもない事をはっきりと告げました。ルークのこれまでを作り上げた仲間たちとの絆は、ルークにしかないもの、アッシュのナタリアとの約束はアッシュにしか知りえないものであるように、お互いは違う生を持って生まれたのだと。二人の決着は、ルークとアッシュが別々の人間として真に確立した瞬間だったのでしょう。

『お前らの相手はこのアッシュ・・・いや、ルーク・フォン・ファブレだ!!』
自己を確立したアッシュはルークにヴァンとの決着を任せ、追手の足止めを買って出る。
しかし、その体の異変は音素の乖離現象という形で確実に蝕まれていました。自分が消えてしまうという事実を誰にも悟られず、アッシュは一人耐え抜いていたんですね・・・。追手のオラクル騎士団たちと刺し違え、倒れるアッシュ。

『後は・・・頼む・・・』
そしてルークに流れ込むアッシュの命。ルークに奪われるのではなく、託すという形でアッシュはその命を引き継がせたのでしょう・・・。悲しすぎる結末。けれどアッシュの気持ちは、ルークにしっかり宿っているはずです。ナタリアと共にその想いを受け継いで、ルークはヴァンを止めるための決戦へ・・・。
今回は戦闘の流れや展開もアニメオリジナルで上手くまとめられていたと思います。
アッシュとの戦いでカルマのオーケストラBGMが流れ無かったのは残念ですが、バトルシーンは見違えるほど良い動きをしていたのが印象的でした。体術を使うシンクがよく活かせてましたね。ヴァンとの一時決戦もあれくらいやってくれれば・・・(^^;
いよいよ最終回。ルークの旅先の終着点、最後までしっかり見届けたいです。原作のラストがアニメでどう表現されるのかも気になります。
次回 テイルズ オブ ジ アビス 第26話(最終話) 『新たな世界』

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テイルズ オブ ジ アビス 第24話 『栄光の大地』 感想

それぞれの決戦前夜。

エルドラント突入前の一時の休息。イオンのレプリカ、フローリアンはダアトのアニスの両親の元で保護してもらうことに。
フローリアンはその名の通り純心無垢な性格。アニスの支えとして、イオンを忘れないという意味でも心の拠り所になっていくのでしょう。
ルークとアッシュの再開。ローレライを解放できるアッシュに宝珠を託し、自分は皆と共に全力でバックアップするというルーク。アッシュはルークがまだ卑屈でいると考え、怒りを顕わにしますが・・・。
二人の考えに決定的な違いが見られるシーンですね。今までのルークは、自分がレプリカだから劣っているとして、アッシュから一方的な叱咤を受けるだけでした。
しかし今のルークは、一人の人間として生きていることを示したうえで、アッシュとは違う存在なんだとはっきり自分の口から伝えている。自分の存在を真正面から見据えて、アッシュに対峙できるようになったルークは本当の意味で成長したんだと思います。
それに対してアッシュは、ルークが自分のレプリカ以外の存在であると認めることができない。それは決して劣っていると見ているのではなく、己の居場所を奪った存在が、自分以下である事を認めることができないから・・・。アッシュにとってのルークは失った過去から生まれた自分自身なんですよね。アッシュはルークを自身と見なすことで、自分の人生を補完しているようにも思えます。
ジェイドの言う通り、これはお互いの存在意義をかけた対立。物語のテーマの生まれた意味にも繋がってくるのではないでしょうか。

フローリアンを見てイオンを思い出すティア。誰もが幸せになれる世界を願ったイオンのために、ティアは譜歌を歌う・・・。
兄から伝えられた譜歌。ヴァンは道を違えてしまったけれど、ティアを想う心に偽りはなかったのでしょうね。イオンから届く“ありがとう”という言葉・・・。やっぱり涙腺が緩んでしまいます。このシーンは;;
そして刻々と失われていくルークに残された時間・・・。
ティアのルークへの想いも、強がって心配をかけないようにするルークの気持ちも、どちらも辛くて、切ない・・・。アッシュの体も限界がきているようだし、これから起こる辛い展開を予感してしまいます・・・。

実の父親を失った悲しみを乗り越えたナタリアと、復讐を捨てルークたちと生きる道を選んだガイは、アッシュとルークに向き合うことを。アニスは自分の力で幸せになるために、導師となってダアトを復興させ、ジェイドはフォミクリーの技術でレプリカの生きる道を模索することを、戦いの後にやるべきこととして心に誓う。
最終決戦前の仲間たちの一幕。それぞれ事情を抱え込んでいた仲間たちも、ルークと同じように傷つきながら成長して、辛い過去を克服してきたんですよね・・・。
アルビオールの上で語りあうルークとティア。
『今が一番なんかじゃないって・・・これから先でもっと幸せだって思えたら・・・』
仲間がいて、自分を想ってくれる人が傍にいて、やっと自分の存在を確かめられたのに、これから消えていくしかない・・・。それを理解してしまっているルークが哀しすぎる。未来を生きる道をティアたちと変わらず過ごせたらと、願わずにはいられません・・・。
いよいよヴァンの待ち受けるエルドラントに突入。後残り2回かな? 足早ながらも、今回は決戦前夜の描写に力が入っていて良かったです・・・。自分の存在を確立したルークは本当に成長しましたね。これからの展開を思うと切ないですが;;
次回は残りの六神将とアッシュとの戦いでしょうか。ルークとアッシュの二人の存在意義がどんな決着を見せるのか・・・その行く末を見届けたいと思います。
次回 テイルズ オブ ジ アビス 第25話 『存在を賭けて』

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テイルズ オブ ジ アビス 第23話 『悲しき決別』 感想

ナタリアの悲しい戦いの結末・・・。

最終決戦前にナタリアに告げられる真実。ナタリアの本当の父親は、バダックという名の傭兵であり、今は新生ローレライ教団で黒獅子ラルゴを名乗っているという事・・・。このまま戦いを続ければ、実の親子同士で命のやり取りをしなければならない事になる。ナタリアにとっては辛い現実です・・・。

ローレライの宝珠でプラネットストームの活性化を止められる事を知るルークたち。それにはラジエイトゲートで作業する班と、アブソーブゲートで作業をする班の二手に分かれて行動する必要がある。
そんな中、ナタリアは戦いに赴く事を決意します。血を分けた親子であればこそ、越えなければならないものがあるからと・・・。

アルビオールの中でナタリアを気遣うティア。肉親であるヴァンを倒す決意をしたティアにとっては、実の父親と戦おうとしているナタリアの気持ちが痛いほど理解できるのでしょう。
世界でたった一人、同じ血を分けた者だからこそ、その過ちは自分が止めなければならないと思った。ティアがヴァンと戦う覚悟を聞くナタリアの心境も、重くて切ないものだったのでしょうね・・・。

アブソーブゲートへ向かうティア、ジェイド、アニスの3人。それを待ち受けていたのは、変わり果てたモースと、イオンのレプリカ、そしてアブソーブゲートの決戦でプラネットストームに消えたはずのヴァン・・・。
ヴァンはルークたちとの戦いの後、プラネットストームに流れるローレライの意識とユリアの譜歌によって契約し、同じくプラネットストームに落ちたシンクともども、分解して剥離しかけた体を繋ぎ止めることに成功。再びティアたちの前に姿を現しました。

モースはヴァンの復活まで六神将たちに利用され続け、精神汚染で思考すらままならなくなっても、預言のためだけに行動をとり続ける・・・可哀想な存在と言えるかもしれません。最期に呼び掛けられた声も届かず、ティアの一撃で消えていくモース。世界の繁栄を信じて預言に振り回された男の、哀れな末路でした。
第七譜石を詠むために連れてこられたイオンのレプリカ、フローリアンに手を差しのべられるアニス。笑顔で応える仕種が、イオンを思い出して切ない・・・;; アニスがフローリアンを保護する事にも、消えていったイオンに対する贖罪の意味があるように思います・・・。

一方、ラジエイトゲートに向かったルーク、ナタリア、ガイの3人は、黒獅子ラルゴと対峙することに。そこで語られたラルゴの過去の経緯。
ラルゴの留守中に、娘のナタリアはキムラスカ王家に奪われ、妻であるシルヴィアは娘を奪われたショックで錯乱し、海に身を投げて死亡。全てを失ったラルゴは、放浪中に出会ったヴァンから、一連の出来事が全て“星の記憶”に定められた出来事であったことを知ることに。星の記憶と、それを伝える預言を憎むラルゴは、ヴァンのレプリカ計画に賛同する事になった・・・。

預言を捨て去るルークたちと、預言そのものを破壊しようとするラルゴたち。もう一度未来を信じてやり直す道、全てを消して新しく生まれ変わらせる道。預言に頼らない世界へ進む道は同じでも、互いの信念に懸ける想いは違っているんですね。アリエッタが自分の信念を徹したように、ラルゴも自分が信じた道を貫こうとしている。
その信念は、ナタリアの弓でラルゴが倒れるまで揺らぐ事はなく・・・。それでも、最期にナタリアの本名を呼ぶ姿は、敵として立っていてもナタリアの父であることに変わりはありませんでした。世界を救う信念は違っていても、親子同士の絆はお互いの心にあったと信じたいですね・・・。
プラネットストームの活性化は収まり、エルドラントへの道を開いて最終決戦の地へ。
やや駆け足気味の展開ではありますが、いよいよ物語は終結へ向かいます。次回はエルドラント突入前の最後の仲間との一時でしょうか。残りの六神将たちとの戦いの結末も、辛いものになりそうです・・・。
次回 テイルズ オブ ジ アビス 第24話 『栄光の大地』

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Entry ⇒ 2009.03.07 | Category ⇒ [アニメ]テイルズ オブ ジ アビス | Comments (2) | Trackbacks (5)
テイルズ オブ ジ アビス 第22話 『消えゆく者』 感想

失われていく命・・・。

ディストとジェイド因縁の決着。
ディストの目的は死んでしまった恩師ネビリムを蘇らせることで、ジェイドもかつてはそれに賛同していました。けれど、ピオニー陛下の叱責と説得もあって、ジェイドはその研究から離れてしまった。ディスト本人はネビリムを死に至らしめたジェイドを恨むより、ネビリムを蘇らせる事に協力してほしいって想いの方が強いんですよね。アニスが言っていたように、態度はあんなでも実際は寂しがり屋で、ジェイドに対する執着も親友として認めているから。いつまでも過去の妄執に囚われたままのディストに、ジェイド自らが引導を渡すのは、ジェイドなりの親友に対する想いからなのかもしれません。
アンチフォンスロットを自力で解いて、秘奥儀『ミスティック・ケイジ』を発動。原作ではレベルアップという形で力を取り戻していましたが、こういう演出を見せるのもアニメならではで良かったと思います。

世界を覆う瘴気を消すためには、超振動で瘴気を中和するしかない。
それは1万人ものレプリカと、超振動を行う者の死を意味していました。塔にいるレプリカ以外の居場所を保障する代わりに、レムの塔のレプリカたちに命を差し出すことを要求するアッシュ。普通はどこか救いの道が用意してあるものだけど、テイルズオブジアビスにいたっては多くの人の命を犠牲にしなければ世界が生き残る道はないところにも、『命』を命題にしている所を感じますね。

各国の首脳が話し合っても解決策は見つからず。ジェイドはさらに過酷な提案を告げる・・・。
アッシュの代わりにルークが超振動を行うべきというジェイド。能力の優れたオリジナルが生き残り、処置に困るレプリカの数も減り、世界は助かる。研究者としての意見と、大局的な見方ができるのはジェイドらしいですね・・・憎まれ役を買って出るところも。本当はルークには死んでほしくないと思っているわけですが、他の仲間が反対する所で敢えてこんな発言ができるのも、年長者としてのジェイドの役割といったところでしょうか。

瘴気に侵されても使命を果たすことを、かつてルークが許してくれたように、ルークの決心が本当なら止めはしないというティア。でも内心は死んでほしくない気持ちでいっぱいなんですよね・・・。例え皆がルークを褒め称えても、自分だけは認めないってところにもう・・・;; 自分が経験してることだけに止められない、でも死んでほしくはない、死んだら許さない・・・無茶な要求のようで、ティアの心を素直に表してるシーンです。

決意を固め、超振動を行うことを告げるルーク。でもそれは、世界を救うと同時にユリアの預言を成就することに繋がっていた。ヴァンが言っていたユリアの預言は歪みをものともしないという言葉を思い出すジェイド。預言に囚われた世界はまだ続いている・・・。
レムの塔のレプリカたちも、自分たちの命をもってレプリカのための国を作ろうと決心していました。
レプリカはレプリカの意思で、自分達の仲間を守ろうとしている。命令に従うだけだったレプリカがこんな形で意思を持つことになるなんて、皮肉で、哀しい・・・。

駆け付けたアッシュが超振動を起こそうとするものの、ローレライの宝珠を感知した隙にルークに付き飛ばされ、ジェイドに取り押さえられる。アッシュが超振動を起こそうとしていたのは、残された時間がないからということですが・・・そのために自分が犠牲になろうとしていたんですね。
『皆・・・!俺に命を下さい!俺も一緒に、消えるから・・・!』
このシーンはいつ見ても辛い・・・(涙
思わず駆け寄ってしまうティアを、ガイが止めるのも、二人の気持ちが伝わってきて・・・やっぱり辛いです。
レプリカである自分が消えるべきっていう思いとは別に、イオンが遺した預言と、ルーク自身の存在意義もかけてるんだよね・・・。でも、やっぱり死ぬのは怖い。生きている者として当然の本能なのでしょう。

ルークはローレライの宝珠を自分の体に取り込んでいました。セブンスフォニムで構成されたレプリカの体が、同じセブンスフォニムでできている宝珠を体の中にしまい込んでしまっていた。
宝珠のフォニム拡散能力を打ち消すためにアッシュがルークの超振動に協力し、ルークは生還。世界を覆っていた瘴気も中和することに成功。でも、ルークの手は消えかかっていて・・・。

ベルケンドでの検査結果は心配ないと伝えるルークだけど、ジェイドの前では何もかもお見通し。この人の前で隠し事ができる人間は居ません(^^;
ルークの本当の診断結果は、細胞を繋ぐフォニム同士の極端に減少。つまり、近いうちにルークは消滅してしまうということ。その話を、影で聞いてしまったティア・・・;;
今回も辛いことばかりで見ていて心苦しいですね・・・。消滅という死の宣告を受けたルーク。死の恐怖を知ってもなお、皆に心配をかけないように隠そうとするルークが痛々しい・・・。それを知ってしまったティアは、今後どうルークと接するんでしょうか。最終回に向けて、過酷な展開が続きます・・・。
次回 テイルズ オブ ジ アビス 第23話 『悲しき決別』

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Entry ⇒ 2009.02.28 | Category ⇒ [アニメ]テイルズ オブ ジ アビス | Comments (2) | Trackbacks (5)
テイルズ オブ ジ アビス 第21話 『古の塔』 感想

レプリカの存在意義

イオンの死からアリエッタとの悲しい結末を迎え、落ち込むアニスを励そうと考えるルーク。
仲間への気配りも、長髪ルークの時からは考えられないほど進歩しましたね。アニスをティアとナタリアに任せ、インゴベルト王に聞きにいったのは、ロニール雪山で拾ったロケットペンダントのこと。
そこに写っていたのはやはりナタリアで、雪崩の後に落ちていたことから考えても、六神将のラルゴが父親である可能性が高い・・・。
『真実を知ることが必ずしも良いこととは限らない』
ジェイドの言うことは尤もですが、展開がそれを許してくれそうもありません・・・。

ルークはアッシュに家族と会わせてあげたいと思っていたんですね。アッシュの通信から屋敷に戻ることを伝えて、本来の家族である父親と母親に再会させようと・・・。アッシュの居場所を奪ったことへの引け目、それは自分が犯した罪と、レプリカである自分の存在に卑屈になっている部分が見受けられますが、ルークも本当は自分の居場所が無くなることを恐れている。
自分が作られた存在だと自覚して、あるべき方向に動こうとするルークだけど、アッシュが家族と再会する所を見て、寂しい様子は隠せません・・・。両親にしてみれば、二人とも自分の息子、という事なんでしょうけれど、アッシュはやっぱりルークなんですね・・・。

アッシュの決意は変わらず、家に戻るつもりはないと言っていますが、自分の身体の異常に気付いて、もう長くはないと思っているのもその一因か。ルークがいなければ、アッシュは預言どおりアクゼリュスで死亡していた事を考えれば、ルークは死ぬべき運命だったアッシュを救っていることにもなるんですが・・・。
現実にはアッシュにとってルークは自分の全てを奪った相手。心のどこかでわだかまっているところもあるんでしょう。ルークとアッシュ、お互いの間の溝が埋まる日は訪れるんでしょうか。

スピノザからの情報によれば、世界を覆う瘴気は惑星全体にまで広がっており、今の時点で打つ手はないとのこと。ある一つの方法を除いては・・・。
それは超振動での瘴気の中和。しかしそれにはいくつもの問題があった。惑星全体の瘴気を中和するには、超振動を行う者の身体への負担が大き過ぎる。それを解決するためには“ローレライの剣”と、大量のセブンスフォニムが必要不可欠。しかしそのセブンスフォニムは、一万人ものセブンスフォニマー(第七音素譜術士)を殺すことでしか得られないという・・・。しかも超振動を行えば、反動で必ず術者は死亡する。
『そんなの・・・』
『ええ、無理です。だから忘れなさい』
しかし、その会話はルークからアッシュに通じていた。アッシュは『レムの塔』に集まるレプリカ達をセブンスフォニマーの代わりに、共に心中するつもりで、超振動を行い、瘴気を中和させようとしている・・・。それを止めるために、ルークたちはアルビオールでレムの塔へ。
ルークはアッシュがしようとしていることを止められるんでしょうか。レプリカの存在意義が問われる中、ルークが選ぶ決断・・・次回は少し厳しいお話になるかもしれません。
次回 テイルズ オブ ジ アビス 第22話 『消えゆく者』

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テイルズ オブ ジ アビス 第20話 『森の墓標』 感想

避けられない二人の戦い・・・
原作でもイオンの死に引き続いて意見が割れるこの対決とその結末。とにかく見ていて辛い回が続きます・・・。

スピノザの情報から、アッシュがロニール雪山に向かったことを知るルーク。その途中で拾った、ナタリアの本名“メリル”の名前が刻まれたロケットペンダント。以前のロニール雪山での六神将との決戦の際、その一人が落としたものなのですが・・・。これをインゴベルト国王に確かめるイベントは省かれていますね。それとも途中で挟んでくるのかな?

アッシュが探していたのは、“ローレライの宝珠”。ヴァンを倒した後、アッシュにはローレライの意識から“ローレライの鍵”が送られ、ルークは“ローレライの宝珠”を受け取るはずだったものの、その宝珠をルークが受け取り損なったために、世界中を飛び回っていた、と・・・。
そして死んだと思われていたヴァンは、アブソーブゲートから落ちた後、ローレライを取り込んで生きていることが判明。
ローレライがヴァンに取り込まれた事で、大気中のセブンスフォニムが減少し、それを補うためにプラネットストームが活性化。そのために瘴気が再び発生し始めていました。
ローレライをヴァンから解放するには、ローレライの鍵と宝珠、二つがそろわなくてはならない・・・。
アッシュはルークが宝珠を受け取り損ねた事に憤慨していますが、“受け取れなかった”ことにも理由があるわけで・・・。ルークも自分が宝珠を受け損なった事が、不完全なレプリカであるせいと思っている様子。やはりまだ二人の間には大きな溝があるようです。

セブンスフォニムが大量に消費されている地点を頼りに、情報を求めてやってきたフェレス島。
そこは、アリエッタが生まれた海に沈んだはずの生まれ故郷でした。1人島から流され、魔物に拾われて育てられたアリエッタ。その魔物こそ、物語序盤でルークたちが倒したライガだったんですね。
アリエッタはその後ヴァンに拾われ、言葉を教えられた後、オリジナルイオンの護衛役として仕えていた。その場所を奪ったのがアニスであり、アリエッタとアニスの確執が生まれる原因となったわけですが・・・。

セブンスフォニムを消費していた原因、フェレス島奥地のフォミクリー施設を破壊した後、ディストと一緒に現れるモース。ディストは一体ケテルブルグでジェイドにどんな仕打ちをされたのか気になるところ^^;
力を求めるモースは、ディストからセブンスフォニムを体内に取り込まされ、異形の化け物、“ギガントモース”に・・・。あんな姿になっても預言(スコア)に依る世界を作ろうとする所、狂信者の哀れな末路の姿と言ってもいいかもしれませんね・・・。

浮かび上がる失われたはずのホドの大地、エルドラント。最終決戦の地がいよいよ姿を見せました。

世界が恐慌するその最中、アリエッタから送られてくる決闘状。
信頼する仲間を伴って、アリエッタとの決闘へ向かうアニス・・・。
アリエッタが導師の護衛役を解任させられたのは、病死したオリジナルイオンとレプリカイオンとのすり替えが発覚するのを防ぐためと、オリジナルイオン自身が自分以外のレプリカに仕えてほしくないという想いがあったからなんですよね・・・。そんな事を知るはずもないアリエッタは、アニスが自分のイオンを奪った上に見殺しにした憎い仇だと思い込んでしまっています。

もちろん、アリエッタのイオン本人ではないにしても、アニスが大切なイオンを見殺しにしてしまったことは事実。アリエッタの憎しみを一身に受けることが、アニスにとって罪から逃げないための選択・・・。そうとは分かっていても、やっぱりここで命を賭けて戦う必要はあったのかなと思ってしまう。

アリエッタは育ての親を殺されて、大切なイオンも失って、仇を討とうとしているだけなのに・・・それにアニスは全力で応えて、アリエッタが死ぬという結末。原作でもこのシーンは納得いきませんでした。オリジナルイオンが死んだことを知れば、アリエッタも命を断っていたとしても、避けられない戦いだったとしても、他にアリエッタが生き残る道は無かったのかな・・・。
この作品、命のやり取りに関しては容赦のない描写が多いです。やはり好き嫌いの別れる部分でしょうね・・・。
ラストに向けてシナリオもスパートをかけてきたように思います。道中の省略やシナリオの入れ替えは仕方ないとは思いますが、キャラクターの心理状態を映したイベントは逃さないでほしいところです。
次回 テイルズ オブ ジ アビス 第21話 『古の塔』

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Entry ⇒ 2009.02.14 | Category ⇒ [アニメ]テイルズ オブ ジ アビス | Comments (5) | Trackbacks (3)
テイルズ オブ ジ アビス 第19話 『最後の預言』 感想

その預言(スコア)は大切な人のために・・・。

プラネットストームの活性化、ディストの脱走、キムラスカ、マルクト両軍が謎の部隊に襲われるなど、ヴァンが倒れてから再び漂う不穏な気配。
フリングス将軍は、ジェイドにマルクト軍を襲った“生気のない目をした人間たち”の事を話してそのままお亡くなりに・・・セシル将軍との恋愛は描かれていないようですね;; ガイの従姉弟っていう設定もこのまま流れそうだし、フェードアウトしそうな気がして残念・・・。
そんな中アニスは何やら皆に隠し事をしている様子。ジェイドが流し目をすると必ず何かあるのはもう定例です^^;

キムラスカとマルクトを襲った謎の部隊は、モースが戦争を引き起こすために作ったレプリカの兵士たちでした。預言を再現するために行動するモース。ヴァンがいなくなっても終わらない、預言に依存した世界の在り様・・・。
ルークたちとの会話の最中、ティアは蓄積した瘴気による体調の悪化で倒れてしまう。
イオンはティアの体から瘴気を取り除く方法に心当たりがあると言うけれど、なぜ今までそれを言わなかったのかは・・・後半を見ると辛いです(´Д⊂ヽ

イオンを騙して連れ去るアニス。それと同時に現れるアリエッタ。
アリエッタの話では、イオンは惑星預言(プラネットスコア)を詠まされるために連れ去られたのだという。体の弱いイオンがそんな事をしては、命に関わってしまう・・・。両親を人質を取られてモースの命令を聞くしかないアニスも、実際はイオンへの罪の意識との板挟みで苦悩しているんです;;
ここで本来ならリグレットが登場するところで出てこないのは、他の六神将が生きている事を予感させたいためかな?
モースも当初はここまで出張るとは思わなかったなぁ・・・ヴァンが預言で操られた世界を憎んで滅ぼそうとしていたのに対して、モースは世界の繁栄のために狂信的に預言を実行しようとしている。
小悪党なイメージがするモースですが、今の預言が支配する世界の代表ともいえる存在。教団の教えに盲信的で、ある意味可哀そうとも思えるのは、彼の最期を知ってしまっているからでしょうか・・・。

イオンを追うルーク達の前に現れる、死んだはずのイエモン、フリングス将軍、そしてガイの姉マリィ・・・。次々に現れるレプリカたち。本物の記憶を持たない、利用されるためだけに作られたレプリカの存在が重要な意味を持つ章でもあります・・・。ルークにとっても辛い場面が多いです(´;ω;`)

ザレッホ火山でイオンを見つけるも、イオンは既に事切れる寸前でした・・・。
イオンからルークへ詠まれる最後の預言。数ある道の中で、おそらくはルークが選びとる可能性のひとつに、イオンは想いを託して・・・。
『ルーク・・・そんな顔をしないで下さい・・・僕の代わりは・・・たくさんいます・・・』
『そんな事ない!他のレプリカは俺の事何も知らないじゃないか!!一緒にチーグルの森に行ったイオンはお前だけだ!!』

ティアの瘴気を受け取り、消えていくイオン。チーグルの森で出会ってからの友達で、同じレプリカとして生まれて、最初から最後まで、どんな事があってもルークを信じ続けてくれた人でした。
イオン・・・死んでほしくなかったです;;

自分の行動のせいで、イオンを死なせてしまったアニス。罪の重さに押し潰されるアニスの後悔や悲しみの心にそっとルークが寄り添えるのは、かつての自分の過ちを知るからこそ・・・ですね。
イオンがアニスに残した『ありがとう』という言葉は、レプリカとして生まれてからずっと傍にいてくれた本当の感謝の気持ちだったのでしょうね・・・。
物語も終盤を迎えるレプリカ編。これからも辛い展開が多いですが、ルークたちが仲間に支えられていく様子をしっかり見守りたいと思います・・・。
次回 テイルズ オブ ジ アビス 第20話 『森の墓標』

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Entry ⇒ 2009.02.07 | Category ⇒ [アニメ]テイルズ オブ ジ アビス | Comments (3) | Trackbacks (4)
テイルズ オブ ジ アビス 第18話 『アブソーブゲート』 感想

『崩落編』、最終話。

決戦前夜。アッシュとの誓いをルークから言ってほしいと言うナタリア。
『いつか俺たちが大人になったら、この国を変えよう。貴族以外の人間も。貧しい思いをしないように、戦争が起こらないように、死ぬまで一緒にいて、この国を変えよう』
ルークとアッシュを重ねていたことへの区切り、目の前のルークをありのまま受け止めて向かい合おうとするナタリアなりのけじめでしょうか。このあと『一緒に生き残って、キムラスカを良い国に致しましょう』のセリフは敢えて省いたのか・・・。アッシュの事を考えると際どいですが、個人的にはここは入れてほしかった・・・。

アッシュにヴァンとの戦いを託され、やってきたアブソートゲート。
ルークとティアは二人だけはぐれてしまい、奥に進むことに。原作でのパーティ分割イベントの再現?
それにしても一気にショートカットするなぁ・・・。兄との戦いに臨むティアの決意は変わらず。ヴァンが世界を滅ぼそうとする理由は今まで散々語られていたのでここでは触れませんが、決戦直前のルークとティアの会話がヴァンを止めることに終始してしまったのはどうにも・・・。決戦前夜のケテルブルクでの二人の会話ではルークとティアの絆を確認できる重要なシーンがあっただけに残念。

ヴァンとの決戦。ルークという“レプリカ”を預言を覆すための道具としてしか見ていないヴァンは、自身が超振動を発生させる道具として扱われた過去と共通するとは考えないのかなぁ・・・。預言に振り回されているのはヴァンも同じ。彼がやろうとしていることは独り善がりにしか見えません・・・。
ティアのバニシング・ソロゥ、ガイの真空破斬にジェイドのタービュランスと、ここにきて技名つき必殺技ラッシュでヴァンを追い詰める。主人公のルークの影が薄い・・・^^;
最後はルークの一撃で決着、ヴァンはアブソーブゲートへ落下・・・。
アッシュの力が合わさったルークの超振動でセルパーティクルの逆流は元に戻り、外殻大地は無事クリフォトに降下。それから一か月後。
ルークは全てが終わった後、無気力な毎日を送っていた。そんなルークを気遣う母親のシュザンヌに言われるまま、気晴らしに仲間に会いに行くことに。もうルークがレプリカってこともはっきり明言されてるようですね。ナタリアと同じように母親もルーク自身を受け入れたということでしょうか。

ルークの旅立ちにノエルがお出迎え。アニメだとノエルの出番が多くて良い。ちょっと焦る顔がまたイイですね(´∀`*)
ノエルの話では、アッシュはアルビオール三号機を使って何かを探っているらしい。ヴァンとの戦いの後に聞こえたローレライの声が気になりますが・・・。
ティアと再開したルークはアブソーブゲートにあったヴァンの剣が無くなったことを知る。再び不穏な気配を感じつつ、真相を探るため、二人はイオンの居るダアトへ・・・。
【雑感】
崩落編が終わりました。
・・・一通り見て思ったのはやっぱり原作を知っているともったいないの一言。
決戦前夜で仲間達と話し、最後の決戦を盛り上げるイベントもガイとナタリアの二人のみ。
ルークがジェイドを師匠(せんせい)と呼ぶシーンやアリエッタを想って泣くアニスのイベントは省略。
ティアに至ってはそれらしき会話も無くなり・・・。話のテンポや尺の都合を考えれば仕方がないところはありますが、今回はそれが顕著に思えたのは、ヴァンとの一大決戦を締めくくる重要なシーンがあらかた削られてしまったからでしょうか。
ダンジョンの省略などは良いとしても、肝心の戦闘もあっさりしすぎのような・・・。
段々と改編、シナリオの収縮を図ってきたのが見えてきて少し苦しくなってきたかな?
残念な部分が目立つというのが正直な感想です。
次回 テイルズ オブ ジ アビス 第19話 『最後の預言』

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Entry ⇒ 2009.01.31 | Category ⇒ [アニメ]テイルズ オブ ジ アビス | Comments (2) | Trackbacks (6)
テイルズ オブ ジ アビス 第17話 『崩壊の序曲』 感想

決意と決別。

ティアを心配する中、スピノザが姿を現す。元々はスピノザの保身的な行動のせいででイエモンたちはその身を犠牲にすることになってしまったんだし、今更何をというアニスの意見はもっとも。ただしアニスが人を信用しないのも、用心深いこととは別に理由があるからなのですが・・・。
多くの人間を死なせ、あの四面楚歌で罪に苛む苦しい体験をしたルークだからこそ、スピノザに同調したんでしょう。周りから見ればただ甘いだけかもしれないけれど、それもまたルークらしい部分でもあります。

大変な目に遭っているのに平然としているティアに、ルークはもっと自分を頼ってほしいと訴える。自分の弱いところを見せたくないために一人にしてほしいというティア、頑なに付き添うルーク。大人の配慮より自分のティアへの心配の方を優先してしまったようにも見えますが、ルークなりにティアを想っている証拠。ティアもきっとそれが分かっているんでしょうね。

ティアとヴァンの再開と決別。妹の体を心配するヴァンもまた、パッセージリングを操作して瘴気に蝕まれる体。それでもレプリカ世界創造のために行動するのは今の預言に操られた世界を正すため・・・。でもヴァンの信念のために人々が犠牲になることは明らかに間違っている。ヴァンを倒すために現れたアッシュもティアとその心は同じ。自分の大切な人々を守るため、ティアとアッシュはヴァンと敵対する道を選ぶ。アッシュに残された時間が僅かというのが気になる・・・。

ディストをひっ捕らえて尋問するジェイド・・・路地裏に連れ込んでますけど原作ではホテルだったような?何だかヒドイことをして吐かせたところは同じですが(笑) 他の六神将と違ってディストは自分の目的のためにヴァンに忠誠を誓ってない分、まだ救いがあるんですよね・・・。最終的な生き残りの意味で(´;ω;`)

ディストから吐かせた情報で六神将が集結しているというロニール雪山へ。
同じレプリカ同士、ルークとイオンは自らの在り方について語り合う。シンクの死を目の当たりにして、自分の存在はイオンオリジナルの代わりではなく1人の人間である事を悟ったイオン。そしてレプリカとしての自分に悩むルークが1人の人間として確立するためには、ヴァンからの一人立ちが必要だと話す。未だにヴァンを先生って呼ぶところからも、まだルークには必要とされたい心が残ってるんですね。ティアや、アッシュや、イオンが決意したように、ルークにも過去とヴァンへの執着を断ち切って対決することが必要なのでしょう。
六神将との対決は最終決戦という感じでしたが、もちろんこれで終わることはなく・・・。ラルゴとナタリアの関係も明かされていませんし。雪崩は意図的にジェイドが起こしたようになってますが、原作では違っていたような。この辺り大変だった記憶があるんですが、アニメはやけにあっさり片付いたような印象^^;

セフィロトのパッセージリングを制御し、これで一安心かと思ったら、ヴァンが仕掛けたセルパーティクルの逆流のせいで再び外殻大地は崩落の危機に。大地の崩落を防ぐため、ルークたちはヴァンとの決戦に赴く・・・。
次回はアブソーブゲート。いよいよ崩落編最終章ですが・・・結局ザレッホ火山は素通り?それとも後に回したのかな・・・。アニスに関わるイベントもあっただけに気になります。
次回 テイルズ オブ ジ アビス 第18話 『アブソーブゲート』

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Entry ⇒ 2009.01.24 | Category ⇒ [アニメ]テイルズ オブ ジ アビス | Comments (2) | Trackbacks (2)