WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第13話 『器が傾いてるのに、気付かなかった?水はもう一滴も残ってなかったからね』感想
第13話 『器が傾いてるのに、気付かなかった?水はもう一滴も残ってなかったからね』

最後まで・・・すれ違い。

冒頭に冬弥と出会った新しい登場人物、松山めのう。初見では(見た目ではありますが)弥生さんに似た雰囲気を感じました。
以前に、マナが聞いていたラジオにその名前が出てきたような気がしましたが・・・今回は桜団のゲストとして呼ばれていたようですね。後期以降、由綺、理奈に続く第三のアイドルとして物語に絡んでくるのでしょうか。

そして始まるそれぞれのイヴ、それぞれのコンサート。
桜団が、理奈が歌い、各会場で盛り上がりを見せる中、視聴者に聞かせるのは由綺の歌のみ。
ライブが終えるまで流れる由綺の歌は、このイブのコンサートの主役が誰であるかを如実に表しているように思います。
全てを飲み込む圧倒的な才能の開花、片鱗を見せていた歌姫としての森川由綺の誕生━━━。
場面が変わり他の誰かが映っても、その歌だけは絶えなく聞こえ続けるように、由綺の存在感を感じさせる演出でした。
理奈の「SOUND OF DESTINY」は聞いてみたかったのですが・・・後期にお預けでしょうか(^^;
カルマでのライブを終えてスタジアムへ急行する臨場感、後の由綺が会場を出る際の替え玉などの演出はアイドルの裏舞台を感じさせますね。

ありがとう 来てくれて
約束だから・・・な
初めてですね。冬弥の心の独白以外で字幕が使われるのは・・・。お互いの気持ちが通じ合っている、そんな雰囲気を感じました。
『解禁だよね。連絡・・・』
そしてその後に続く『好き』という由綺の言葉。由綺の願いは叶い、冬弥は由綺の歌を聞いてここにいる。由綺にとってはここからが“始まり”。冬弥にとっては・・・“やり直し”でしょうか。やっと二人は恋人として再出発できる・・・そんな空気が流れたのも束の間。駐車場から由綺の乗る車が去ったあと閉じていく扉と、『ここには誰も戻ってこない』という英二のセリフが、二人の間を隔てるようで・・・。
決して冬弥と由綺の前途は明るくはならないのですね。

あのコンサートを聞いて、何も感じなかったのかと冬弥に英二は問います。歌の神に愛され、虜になっている由綺の姿が見えなかったのかと・・・。
冬弥はコンサートを終えた由綺に、歌については何も触れず、ただ由綺のために多くの人が集まったことを凄いと言いました。それは確かに由綺がアイドルとして成長した事を指しているのですが、由綺が見てほしかったのは、アイドルとして大きくなった姿ではなく、誰に頼らずとも強くなったその姿こそを見てほしかったのではないでしょうか。
そのために冬弥を突き放してまで歌のレッスンを積み重ね、あのコンサートに繋げることができのに、しかしその背景は冬弥には届かず、由綺の内側に冬弥は入れていません。お互いの好意は通じあっているはずなのに、壁一枚を隔てているような、そんな錯覚・・・。英二がコンサートに来たファン全員がライバルだと言ったように、冬弥もまたそのファンの一人としての立場から脱却できていないのではないか・・・そんな風に思えます。
『相手が俺なら・・・ちょっと、怖いんじゃないか?』
相手が誰だろうと、例え歌の神が相手であろうと、もう由綺への想いに迷いはない。そんな冬弥に対する英二からの宣戦布告。これからの由綺に相応しいパートナーの座を賭けた挑戦状・・・というところでしょうか。冬弥自身の問題とお互いのすれ違いの他に、さらに障害の風が吹く・・・そんな展開を予想してしまいます。

物事の端々から冬弥に対する美咲さんからの劣等を口にしてしまう彰は、いい加減狭量がないように見えてしまうのですが・・・。正面から美咲さんと向き合おうとせず、真っ向から冬弥と張り合おうともしなかったのに、こんな形で時期遅れの嫉妬心を見せてしまうのはどうかと。美咲さんも苦労が絶えそうにありません。

冬弥の部屋の前で帰りを待つマナ・・・可愛いったらありませんね(笑)
周囲に誰もいない寂しさを紛らわせたい、けれど誰にも甘えることができなくて、冬弥を求めてしまうのは、それだけ冬弥がマナに好かれているという事なのですが・・・今は兄妹のようなこの関係が続くことを祈りたいですね。

マナは熱を出してしまい、忘れものを届けにきた弥生さんに病院に送られ、次にやってきたのははるか。立て掛けられて地面に水の溜まった傘、家の中で誰かと過ごした様子に誤解して、冬弥はコンサートに行かず誰かと一緒にいたのだと思ったのでしょうか。すぐに走り去ってしまいました。
誤解されたと気付いて追いかける冬弥。この辺りはちゃんと気が回っていましたね(^^;
立て掛けてあった傘が美咲さんではなくマナの物だと知って、なぜマナが冬弥の部屋に行くのかと問い詰めるはるか。兄としての冬弥をマナに取られると思ったのでしょうか・・・。はるかの冬弥への依存もどんどん深まっているようです。

そして、冬弥の父親に何かが起こっという彰からの急の知らせ。
立て続けに起こる出来事に翻弄される冬弥。由綺からの電話は当然繋がらず・・・
由綺がクリスマスプレゼントに贈った留守番電話は虚しく放置され・・・
始まりは・・・終わった
ただその字幕だけが、哀しく最後を告げました・・・。
冬弥と由綺は結局最後までその距離は縮むことはなく。
これから起こる出来事を予感させる・・・時期への伏線が目立った前期の最終回でした。
思いがけず、静かに第一幕は終了したという感想ですね。弥生さんも交えて、もっと激しい展開も予想していたのですが、少し意外でした。結末はあくまで第二期で・・・というところでしょうか。
全編を通してみても、物静かな印象ですね。『WHITE ALBUM』のタイトルが示すように、冬の物静かなイメージを意識して制作されている、そんな雰囲気づくりを感じました。全体的に文学的で静謐なイメージが漂っていたようにも思います。
演出的には、事象を最後まで見せずに、敢えて視聴者に展開を想像させるような部分や、字幕で表現する主人公の心の言葉が印象的。どちらも賛否両論あるかと思いますが、個人的にはこれらがあったことで、より作品に感情移入できたのではないかと。年代を意識させる随所の演出も十分表現できていたのではないでしょうか。
前期、後期と分けられ、期間が空いてしまうのは勿体ない気もしますが・・・その分後期には期待したいと思います。ひたすら由綺とのすれ違いが続き、静かに幕を閉じた第一幕。次に『WHITE ALBUM』が幕を開けるときは、果たして、どのような展開が待っているのでしょう・・・。冬弥を巡る絡まった人間模様は、簡単には解けそうもありませんね・・・。
ここまで感想にお付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました。
後期シリーズでもどうか再び巡り合えますように・・・。
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WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第12話 『縛ること。欺くこと。奪うこと。与えること。どれより辛いのが、待つこと』感想
第12話 『縛ること。欺くこと。奪うこと。与えること。どれより辛いのが、待つこと』

伝わった気持ち。断ち切れない関係。

冬弥が弥生さんと約束があると理奈に告げたことで、理奈に弥生さんとの仲を勘付かれるのは当然なんだけど、それも冬弥が由綺を諦めてしまっている心の表れのように思える・・・。
流れされるまま自棄になって弥生さんの誘惑に飲み込まれる冬弥。由綺のためという本心を持ち合わせながらも、冬弥を自分の方に引きつけたい理奈。ストーカーによる心の怯えを隠しつつ、お互いを利用しながら、冬弥を由綺から引き離す弥生さん・・・。出来あがってしまった三角関係の中で、由綺の存在が遠くにあることを今更ながら実感してしまいます。

理奈が語る由綺からの手紙の内容。それは一字一句を冬弥へ寄せた想いの連なり。
苦しい時に冬弥に頼ろうとしてしまうのは、自分が弱いせいだから、コンサートで生まれ変わった姿を見てほしい。冬弥にはこれからを変わらずに見守り続けてほしいと――。
冬弥に駆け寄りたい気持ちを必死に遠ざけて、これからの自分を好きになってもらおうとする由綺は、今の冬弥が自身から離れている事も知っていたはず。それでも冬弥を信じて、強くなった自分に振り向いてもらおうとする姿は、由綺の一途に想う気持ちを伝えてくれます・・・。
由綺の気持ちが離れてしまったと勝手に思い込み、弥生さんに寂しさを紛らわせていた冬弥。
それまでの行為がどれだけの裏切りだったかを理解するには、あまりに遅すぎたのかもしれません。

親友として由綺を想う気持ちや、誰からも求められない寂しさ、女として他人に負ける悔しさ・・・。
理奈の複雑な心情は所々に描かれていますね。思いがけず手紙を握りつぶしてしまうシーンでは、由綺を蔑ろにした者への苛立ちと、好きな人が振り向いてくれない悔しさと、どちらの気持ちも感じ取れると思います。理奈の冬弥への想いはこのまま閉じられてしまうのでしょうか・・・?

由綺のコンサートチケットを手に入れるために奔走するも、時すでに遅く・・・。しかし救いの手は意外な方向から。
マナが桜団の神崎社長の娘だったのは意外でした。家族関係はお世辞にもうまくいっているとは言えない母親に頼み込んで、敵方のチケットを用意させるのは大変な労を要したはず。
しかも由綺のプレゼントまで持たせてあげて・・・。マナから見たら冬弥は今のところ“放っておけないお兄ちゃん”でしょうか(^^; 口では何を言っても優しい良い子です・・・。
神崎社長が母親で、由綺とは従姉妹の関係と、マナの人物関係も広がりを見せてきました。後期シリーズに入ってからどう絡むのかが気になりますね。

美咲さんは彰との約束ができたからとチケットを冬弥に譲り、はるかもマナから聞いてチケットを自宅に送り届けて・・・。冬弥の女神たちは由綺との仲を応援する動きを見せていますね(^^; 自分が周りの人に恵まれている事を冬弥も実感できたでしょう。展開もそれに応えてくれるんでしょうか・・・。

田丸の危なげな雰囲気と表情は美咲さんへの復讐を予感させていましたが、ここまで直接的な行動を取るとは・・・。冬弥から預かった小説が盾になって未遂に終わりましたが、彰は美咲さんを守ったのが冬弥から与えられたものだと知って、ますます敵愾心を強める始末。冬弥との関係は終わった、だけでは済みそうにありません。後期に彰を絡めての何らかのアクションがあるのは確かでしょう。

由綺の気持ちに気付いたにもかかわらず、弥生さんの誘惑を振り切れない冬弥。
由綺を想うならそこは何があっても突っぱねるべきでしょうに・・・。結局弥生さんとの関係は切れず、裏切りは続いたまま、イヴのコンサートを迎えてしまいました。次回予告のタイトルを見ても、一層修復できない関係を予想してしまいます。
分割2クールという事ですが、前期シリーズ、後期シリーズと分けられているように、前期は前期で区切りをつけるような終わり方になりそうですね。今回は後期に続く伏線の流れもいくつか見られましたが・・・。
次回、冬弥と由綺との関係の結末はどのような方向に終わるのか、その行方を追いたいと思います。
WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第13話 『器が傾いてるのに、気付かなかった?水はもう一滴も残ってなかったからね』

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WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第11話 『胸につかえていることを、時は解決してくれない。忘却のラベルを貼るだけで』感想
第11話 『胸につかえていることを、時は解決してくれない。忘却のラベルを貼るだけで』

伝わらなかった想い。

緒方英二から直接語られる桜団との動員値の勝負説明。前回神崎社長や理奈が見せていた数字の伏線を丁寧に回収してくれました(^^;
定員2千人の公会堂を“1”と基準を定め、アリーナ、カルマの会場の力を数値化。アリーナは3万人のキャパを持つ上、集客効果も高いため“0.15”、定員1300人のカルマは“1.5”・・・というように数値を決めた後、それに最大定員数をかけたものが『満席値』。
当然アリーナが一番高くなるわけですね。さらにそこにライブ当日の動員数をかけたものが『動員値』。この会場の動員達成率を示す数字以て桜団と勝負することに。
カルマと公会堂を満席にしても、アリーナが89%の動員を達成した時点で桜団の勝利は確定する。
アリーナを取られた時点で絶対的に条件の厳しかった緒方側ですが、理奈が提案した5万人のスタジアムでの実況中継が図らずとも功を奏しました。
カルマと公会堂を定員一杯にした上で、スタジアムに46701人集客できれば、例え桜団がアリーナを満杯にしても緒方側の勝利は確定する・・・。しかし逆に言えばカルマと公会堂を満席にした上、アリーナの最大定員数を上回る4万人を集めなければ勝てないという事。厳しい勝負に変わりありません。

前回弥生さんに破り捨てられた、由綺からの冬弥への手紙。理奈からの問い詰めに、自分が破り捨てたと答える弥生さん・・・。ストーカーからの手紙と間違えて捨てたというのはミスリードで、最初から破り捨てるつもりだったのか、それとも過ちで捨ててしまった事を言い訳にしないために敢えてそう答えたのか。今回を見ると前者のように思えますが、ストーカーに怯えているというのは事実なんですよね・・・。
前回、手紙を繋ぎあわせて読んだ理奈は、由綺の気持ちを知ってしまった。その切実な冬弥への想いを手紙を読むまで知らなかったから、冬弥を自分のスタッフに起用してしまい、結果、由綺のコンサートへ向けた願いを断ってしまった事に後悔したのでしょう。
弥生さんは、内容は知らないと言いつつ、その手紙が持つ由綺と冬弥を繋ぎ止める効力を知っている。理奈の由綺、冬弥への罪悪感も理解している。またおそらくは、理奈が傾けている冬弥への気持ちも知っているのでしょうね。弥生さんのしたたかな一面がより濃く見えると同時に、由綺を支えていたはずの理奈のポジションが揺れていることを示すシーンでもあると思います。

スタジアムで演じてみせる理奈の姿に冬弥が追う由綺の幻。それに気付いた理奈が寂しい目をする様子には、冬弥への依存が少なからず見て取れました。その後何度もリハを繰り返す理奈の様子は、冬弥への自分を見てもらいたい気持ちの現れであるように見えます。まだ確たる恋愛感情は見えないにせよ、冬弥との関係が深まるにつれて、由綺への罪悪感はさらに深くなってしまうんでしょうね・・・。

由綺自身に悪夢として現れる積もった不安。初コンサートを前にしたプレッシャー、いつまでもすれ違う冬弥との関係。強くあろうとしていても、内面は押し潰されそうになっている様子が見られて・・・切なくなってきますね。本来近くにいるべき冬弥は理奈の傍へ行ってしまうし・・・。届けられたと思った手紙も破り捨てられ、このまますれ違う先の終着をどこで見ることになるんでしょう。

今のところ蚊帳の外に置かれているはるかとマナの交流。噛み合ってるのかそうでないのか・・・(^^; ある意味特殊な二人です。
マナははるかと冬弥の関係を完全に誤解しているんだけれど、本質はズバリ見抜いているんですね。冬弥を“お兄ちゃん”として見ているというはるかを、そう思いたがっているだけで、本心に嘘を吐いていると指摘する鋭いところがありながら、真実は頑として受取ろうとしない所には、マナらしい用心深さと人をあまり信用していない性格が見られます。
あんな嘘吐きと付き合うのはやめた方がいいなんて言うところ、マナからの冬弥への気持ちが出ていて可愛いらしいとは思いますが(笑) 二人が舞台に上がるのは後半シリーズに入ってからですね・・・少し期間が空くのは残念です。

彰の美咲さんへの積極性はどんどん高くなっているんだけど、同時に冬弥への邪険もますます高まってますね・・・。今までの消極的な態度がどこへやらという感じですが。田丸を気にし過ぎて神経質になっている節もあるし、まだ安定感があるとはとても言えない仲のようで。冬弥が再び絡むことを予感してしまうのは私だけでしょうか。

恒例となってしまった弥生さんと冬弥の逢瀬・・・。慣れてしまえば罪悪感も減るものでしょうか。
由綺の話題に触れられた際、突然堰を切ったように泣き始める冬弥・・・美咲さんの時も思ったのですが、やはり独特の感情と起伏がある人物だと思います、冬弥は。女性たちにある種の崇拝を持っていて、入れ込みやすく、楽天的に見ている節があるかと思えば、自分の感情には素直であり・・・芸術家向きの気質なのかもしれませんね。流されやすいのも本人の性格なんでしょうけれど。

理奈からの誘いを断る冬弥。その理由は、弥生さんとの約束があるからと告げる。
この言葉から弥生さんに本格的に気移りしたと考えるのは早急に思いますが・・・少なくとも理奈は衝撃を受けた様子。冬弥を由綺から引き離そうとしている弥生が、冬弥と直接関わっていることを知れば、その関係を推し知るには十分なはず・・・。
冬弥の真意、理奈のこれからの行動、弥生さんの思惑、なにも知らない由綺・・・混戦模様になってきましたが、前半シリーズはこの4人でまとめられると見て良いのかもしれません。
最終回も間近、冬弥への罵倒の声もいよいよ聞けそうな気がしてきましたが(^^; 次回の展開を待ちたいと思います。
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WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第10話 『一人相撲が虚しいのは、一人だからってだけじゃない。観客の目が、痛いんだ』感想
第10話 『一人相撲が虚しいのは、一人だからってだけじゃない。観客の目が、痛いんだ』

揺れ動く人間関係・・・。
このまま何もないままで終わるかと思われた冬弥と父親の関係は、父親の体に異変が起きたことで展開を思わせますし、ヒロインからは退いたと思われた美咲さんが、田丸に付きまとわれている様子を見ると、再び活躍の場があるように予想させます。・・・田丸の表情はかなりインパクトがありましたね(^^;
前回を吹っ切るかのように明るく振る舞う美咲さん。彰の告白に応えたのか、冬弥を忘れ去るためなのか・・・。彰もこれまでの“関わらず”の態度から一変して、冬弥に『邪魔なんだ』と言い捨てる翻りよう。もう中途半端に近づくなという彰の声が聞こえてきそうです(^^; 美咲さんと冬弥はこれ以上は何もないと思っていたのですが、田丸が復讐めいた様相を見せているのが気になります。彰を舞台に引き上げて、これから三角関係にしたい意図があるようにも思えますね。
■冬弥と理奈、由綺
理奈のツアーの締めを飾るはずだったアリーナはライバルの桜団に取られ、代わりに理奈にあてがわれたのは、アリーナの15分の1の定員にしか満たないライブハウス。『事がそう進んだだけ、成り行きだ』そう言って理奈を受け流す英二は、その状態で勝負してみせろと理奈を追い詰めているようにも見えます。ある意味刹那的な欲求を常から窺わせる、英二らしさが感じられました。
意図的に英二が仕組んだのか、そのままの流れなのか・・・。理奈、由綺、桜団の三つ巴となったイブのコンサートライブ。理奈が英二に出した条件は、冬弥を専属のスタッフとして加えること。
『イブを・・・今のままじゃ乗り切れない。彼が必要』
理奈が冬弥を求める姿を、由綺は不安な様子で見ていました。冬弥から由綺に渡されたプレゼント、通じない電話、理奈に釘付けになった冬弥の視線・・・思い出される数々の場面は、由綺から見えた冬弥への不安の形でしょうか。
冬弥をスタッフに迎えるのはこれで二度目。でも最初の時の、由綺に冬弥との時間を持たせてあげたい理由とは異なって、今回は理奈自身が明らかに冬弥を求めてるんですよね。由綺の前で冬弥を必要と言った所から見ると、本人にはまだ恋愛の自覚はないように思えますが・・・。
『何もしなくていい。傍に居てくれればいいの』
口では戸惑いを見せながら心の声では即答で『やります』と応える冬弥(笑)
冬弥らしく女神に対する拒否権は皆無です(^^; これが由綺との関係を更に引き離すことになるのは明白なのに・・・。
■英二と神崎社長の動員率勝負
理奈のファンだったら、会場の外からでもライブを見に集まってくるはず。冬弥の言葉を受けた理奈は、夕凪スタジアムのスクリーンでカルマでのライブ中継を行う事を決めました。あくまでファンのことを考えての思いつきだったのでしょうけれど、桜団の神崎社長と英二の観客動員率の勝負に大きく影響を与えることになったようですね。
1,300人の定員しか入らないカルマに、5万人以上のキャパのあるスタジアムの動員率を加えて・・・あとは由綺の公会堂の動員率を加えた数値が、英二が勝負する値ということになるでしょうか。容量が大きくても、動員率という数値で勝負する以上、客が入らなければ大きなリスクを背負うことにもなる・・・。いずれにせよ、理奈にとってプレッシャーのかかる厳しい勝負になりそうです。
■篠崎弥生の意外な一面
弥生さんが以前から受けていた電話や送られてきていた手紙は、冬弥が一度理奈のマネージャーとして採用された際にクビになった、元マネージャーによるストーカー行為だったことが判明。
ストーカーに怯える弥生さんというのは意外な一面ですね。初めて見せる弥生さんの表情にぐらつくのも分かるけれど、冬弥は相変わらず状況に任せ過ぎです(^^;
気になったのは、弥生さんが由綺から預かった手紙を破り捨ててしまったこと。ストーカーからの手紙と、理奈の手紙の封筒の色が同じだったことから間違えて捨ててしまったものと思われますが・・・。このストーカーの行動がなければ、由綺との関係を断つためにわざと破り捨てたようにも見えてしまいます(^^;
捨てられた手紙を見つけた理奈は、手紙に込められた由綺の気持ちを知ることに。
『遅い・・・もう遅いよ、由綺・・・』
冬弥にコンサートまで会わないというけじめと同時に、その手紙にはコンサートには必ず来てほしいという願いが込められていた。冬弥を由綺から引き離してしまった理奈は、その手紙を見て何を想ったのでしょうか・・・。
1クール終了間際になって張り巡らされた今回の数々の伏線。近日の後半シリーズ発表に合わせたかのようなタイミングですね(^^; 分割2クールになったのは意外でしたが・・・慌てて物語を折りたたむ必要が無くなった分、一気に後半への展開の布石を敷き始めた印象もあります。
はるかとマナにはイマイチ出番が与えられていないように思えますが、今の流れだと次期シーズンに期待といったところでしょうか。・・・期待というと誤解を生みそうな気もしますが(笑)
ドロドロの愛憎劇とは程遠かった当初から、冬弥はどんどん状況に浸ってしまっていますね。最終的にどこに落ち着くのか・・・思ったより長い目で見守らなくてはならないようです。
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WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第9話 『思い出に気の利いたシナリオは要らない。口から出た瞬間、どうせみんなたわ言』感想
第9話 『思い出に気の利いたシナリオは要らない。口から出た瞬間、どうせみんなたわ言』

終劇、罰を受けるのは━━━━

冬弥と完成させた美咲さんの衣装に難癖をつけてやり直しを要求する田丸。多分そうなるだろうとは思っていたけれど、実際にやられるとイライラしますね(^^; 美咲さんが田丸から嫌がらせを受ける理由は、最後までははっきりとは語られないようですが、冬弥と父親の確執や所々のストーリーの見せ方、全体を通してみても、それらしい描写を見せたり人物のセリフから想像させるというイメージを感じます。あえて演出を最後まで描ききらないというか・・・。

マナが冬弥に不意にキスをしようとしたのは唐突にも思えましたが、元来の性格や、今回の冬弥を見る状況を考えると有り得るかとも。マナが言う“ユキ”は、前回出会ったはるかの事で、由綺を彼女だという冬弥の言葉を誤解あるいは曲解してるんですね。学祭に行かなければ“ユキ”に会わなくて済むというのは嫌っているわけではなく、冬弥の彼女に会いたくないということ、“好きな人の彼女になんか会いたくない”という事と解釈。由綺と親しい仲であるような事を以前ほのめかしていましたが、冬弥を家庭教師に選んだ理由も含めて今後語られるんでしょうか。

冬弥は学祭に来ていた由綺とは出会えず、由綺は電話をかけても冬弥には繋がらない、一方通行にすれ違いが続いていますが、冬弥が外から由綺の部屋に呼びかける届かない声が、今の二人の関係を表してるようで。おそらくは冬弥に宛てて書かれたと思われる手紙を、由綺が書き終えた時、呼びかけた弥生さんに『もう、済みました』と答えたシーンが、殊更印象に残ってしまいます。違う意味だと分かっていても、お互いの関係が終わっていることを由綺が告げているように聞こえてしまって・・・。

冬弥と美咲さんで二人で完成させた衣装を舞台で見ようとするけれど、田丸の三度の嫌がらせによりチケットは確保できず。倉庫から、誰にも邪魔されずに舞台を見ることができる照明用の小部屋に侵入を試みる二人。
そこでとった冬弥の二つの行動が、美咲さんとの関係を一変させてしまいました。
親友の彰が美咲さんを想っていることを、会話の中で明かしてしまう冬弥。冬弥なりに彰を思いやっての事だったのかもしれないけれど、美咲さんにとっては、想いを寄せる冬弥と二人で過ごして広がった期待を裏切る言葉に他ならないんですよね。結果として動揺した美咲さんは鉄パイプの下敷きになるという事故を引き起こし、冬弥に今までの気持ちを告白するという行動をとってしまうことになりました。
冬弥を好きだったことも、由綺に嫉妬していたことも、彰の気持ちに気付いていたのに、応えられなかったことも・・・全部を吐きだそうとする美咲さんの口を、冬弥はキスで塞いでしまう。おそらくは衝動的な、自分の中の澤倉美咲という人間像が崩れていくのを耐えきれなかった行動だったのかもしれません。
そんな冬弥を、叶わない夢を諦めるように突き放す美咲さんの姿は痛々しくて・・・。
冬弥が去った後、牧師姿の彰が告白する様子は印象的でしたが、あの時点での告白は美咲さんの救いになるんでしょうか。美咲さんを想うが故の諦観だったのかもしれないけれど、事の顛末を見守って、最後に現れただけの役者。そんな風にしか思えないんですよね。冬弥が彰に美咲さんの事を頼むまでの経緯を、彰の代わりに冬弥がビラを配る様子を映して想像させるのもらしい演出ですけれど、尚更、彰の存在が薄くなっているというか・・・。
結局冬弥の行動は、その場限りの同情的なものでしかないように見えてしまう。場面に流されて、そのまま流されるままに、後で傷つくことや後悔することを知らないように。
1人の女性との関係が終結して、次はどこへ向かうんでしょうか。当たり障りのない八方美人だった冬弥の行動が、行き当たりばったりの衝動的なものに移ってしまっているような気がします・・・。
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WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第8話 『時間がない時ほど、多くの事ができる。やってしまう。もちろん、恋だって』感想
第8話 『時間がない時ほど、多くの事ができる。やってしまう。もちろん、恋だって』

落ちたら、あとは落ちるだけ――

完璧すぎる理奈の歌に冬弥は捕まってしまって、その後、英二が聞かせた未完成の由綺の歌は、冬弥にとってはあまりにもいつもの由綺と同じすぎて・・・。
由綺の歌を聞いた冬弥は、自分に向けられている声が周りに発せられていることを知って、いつまでも会えないことと相まって、かなり複雑な心境なんでしょうね。自分以外に向けられる普段の由綺の声。でもそれは、冬弥を想って歌っていた由綺の本来の声なだけで・・・。こんなところでもすれ違い。
理奈の兄の英二は、頂上に立って変えられなくなった自分を見限って、理奈を育てようとしたけれど、あっという間に理奈は自分と同じ域にまで達してしまって――。由綺は理奈に比べたら及びつかないけれど、その未完さ故にアイドルとして、常に変化するその様子に惹かれるものがあった。そんな英二の心を、理奈も理解していたのは兄妹だからこそで、その分、寂しさも人一倍強かったのかな。英二に相手にされない寂しさを、由綺の恋人である冬弥に求め始めたようだけど、それは冬弥にとっても同じことで・・・。冬弥の混乱の始まりはこれがきっかけだったのかもしれない。

壊れかけたはるかに、不良が近づいてきて、これはまた鬱展開か?と思ったら、マナの登場で助かった・・・のはいいけど、どれだけチンピラなんだかこの不良たち・・・。見ていて胸が悪くなるっていうのはこういうことですか。
冬弥を自分の兄に仕立てたマナとはるかの二人の会話。はるかは、帰ってこない兄(冬弥)に寂しさを感じているようで、それはマナから見たら、彼氏に置いていかれた恋人の表情に見えたんですね。マナの方は、あれで冬弥のことはかなり気に入ってるような気配がするなぁ・・・。はるかの事じゃないけど、『顔に書いてある』のはお互い様ですね^^;

はるかが夢に見た子供の頃の冬弥と由綺らしき影は、過去にはるかが二人の想いでの場所に居たことも意味してる?ライトで照らすマナは、はるかに光が差す=鬱状態から抜け出せるって事を暗に示しているようで、この一連の描写は正に“夢”って感じがして面白い。はるかにとってはマナは冬弥と引き合わせてくれた“座敷わらし”ですか。相変わらず良い感性をしていらっしゃいます(笑)

その後の冬弥は、完全に由綺を忘れたかのように美咲さんとの学祭の作業や日常に没頭。よく考えたら、自分がアパートにいないことなんて、一言由綺に伝えておけば済むことなのに、それをしないのは冬弥自身、由綺と話すことに抵抗を感じているということ・・・。“すれ違い”から“自分から避けてしまう”事になってしまっているのは、理奈との一件で揺れてる自分に気付いたから?
冬弥の実家にかけてきた由綺の電話を美咲さんがとって、学祭の準備を手伝ってもらってるとは言わずに、『お家のお手伝いに』って明らかに自分が冬弥の近くにいるってアピールする様子は、冬弥に対する美咲さんの想い故なんだろうけど、前回の理奈の件にしても、かなり前面に好意を表すようになってきたなぁ・・・。知らぬは本人ばかりなりで、冬弥は今のところ周りに女性がいるって状態を持て余しているようだけど、それも長引きはしないだろうっていうのが今回の展開。

理奈の誕生日のためにやってきた冬弥と、久しぶりに顔を合わす由綺。
しかもその日は理奈と由綺のレコーディングの日・・・『全くの偶然』なんて言う英二の言葉がわざとらしすぎる。自分を放ったらかして、理奈に傾く冬弥の様子に、由綺は気付けないのかな・・・。
弥生さんにその心を見透かされて、“ご褒美”ではなく“お仕置き”としてキスを受け入れる冬弥・・・。
由綺とのすれ違いの関係から、理奈に心が傾いて、自己嫌悪のところに弥生の誘惑・・・と、どんどん駄目になっていく冬弥の様子が描かれてますが、ここにはるかと美咲さんのトラウマを抱えた二人が加わって、ますます泥沼になっていく展開になるんでしょうか・・・。マナは一歩外れて観察者の役割?今回の展開を見てると冬弥にヤキを入れる役目なのかとも思えてきます。家庭環境がわけありなので、これから冬弥に依存するって方向もあるのかもしれないですが。
結局、弥生さんとの関係に逃げてしまった冬弥だけど、気になったのは弥生宛にひらがなで『しのづかやよい』と書かれて送られてきた封筒の束。全部捨てていたけれど、あれは誰からの手紙だったんだろう?前回取らなかった電話といい、何かを避けている様子が見られましたが・・・。男女の関係で終始すると思ったら、一癖何かありそうな気配。
はるかは今回持ち直したけれど、冬弥への依存は消えていないし、積極的になった美咲さんの攻勢も始まって、ここからが本番といったところでしょうか。主人公の立てたフラグが悪い意味で発揮されていくのは・・・。
次回 WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第9話 『思い出に気の利いたシナリオは要らない。口から出た瞬間、どうせみんなたわ言』

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WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第7話 『イメージはどんどん構築しなきゃ。ただでさえ、端から崩れてくものなんだから』感想
第7話 『イメージはどんどん構築しなきゃ。ただでさえ、端から崩れてくものなんだから』

振り回されて、流されて・・・。

冬弥のこともあって、混迷気味でうまく歌えない由綺に“何か”を伝える理奈。
その言葉は冬弥への寂しさも吹き飛ばす程の内容だったようですね。英二との会話から、おそらくはアイドルとして由綺とのコラボレーションを持ちかけたように思わせますが・・・。
理奈は由綺の友人であり、良き先輩。冬弥の代わりに支えとなっていると同時に、今は由綺と冬弥の架け橋的な役割を担っているようです。今のところ弥生さんとは正反対の立場ですね。それにしても英二の笑い声が後を引く(笑) 「ほほほ」はないでしょうに・・・。

一方、演劇部の衣装作りに協力する冬弥は、美咲さんを実家に泊めての共同作業。自分の家にあるミシンを使うのと効率のため・・・と理由は分かるけれど、思い切った事をしますね。これが後々由綺や周りの女性関係に影響を及ぼすだろうとはすぐに予想がつくかと思いますが(^^;
冬弥の父親との確執は、受験前に一方的に冬弥が家から追い出された描写しか無いようですが、やはり亡くなった母親に関わるものが原因でしょうか。父親が仏壇を前に手を合わせるシーンと、冬弥たちが使う仏間から妻の遺影を持ち去るところからも、それとなく意識してしまうのですが・・・。

冬弥の今回の災難のひとつ、観月マナの家庭教師。由綺とのデート以来、二度目の顔合わせとなりますが、マナを見た冬弥が本人ではなく妹だろうと思い込んだのは、マナが想像より歳が低く見えたせいでしょうか^^;
由綺と付き合っていることは信じない上に冷やかされれるわ、そのくせ勉強はそつなくこなすわでまさに「生意気」という形容詞がぴったりな女の子(笑) 冬弥はマナの前ではいいカッコできなそう・・・(^^; 両親とは折り合いが悪そうなマナですが、そこから冬弥と繋がっていくものがあるのかもしれませんね。

美咲さんと喫茶店「エコーズ」にいる所に現れる理奈。美咲には理奈との関係を、理奈には美咲との関係を誤解されて、いよいよ“女神”という八方美人の弊害が出てきたような。
彰は美咲さんと冬弥が泊まり込みで作業をしていることを知っているようですが、ここまで消極的なのが逆に気になります。「段階」がそこまで進んでいないからまだ平気なのかな・・・。
理奈は勝手知ったるかのようにエコーズの隠し扉から地下室へ。もう何があっても驚かない(笑)
由綺のために冬弥をもう一度マネージャーとして雇い入れようとする理奈。英二がそれは無理だという理由に、冬弥に対して『君は由綺の本当の気持ちを知らない』と言ったことが引っ掛かります。由綺の歌を通して冬弥が彼女に与えている影響を知っているから? 弥生さんが二人の交際に割って入っていることも知っているようですし、英二は物語を上から眺める第三者の立場のようにも思えてきました。逆に介入するとしたらやはり由綺との関係に・・・という事になるのでしょうけど、そんなことになったらまたややこしくなりそう・・・。

由綺への露骨な嫌がらせは昭和のアイドルの風潮を感じさせるようで、それでもめげない所に由綺の強くあろうという気持ちを窺わせます。だからこそ理奈や弥生が守ってあげようという気持ちになるんですね。
今回感じられた変化は美咲さんやマナ、理奈が関わってきたことによる女性関係の変化だけでなく、
河島はるかの心境が表に出てきたことも印象的でした。猫のように気まぐれな性格なのかと思っていましたが、冬弥の部屋の前で、縋るように名前を呼んで咽び泣くはるかの姿を見ると、本来のはるかは思ったよりもずっと繊細だったのではないかと。

冬弥に対する依存は、表立って出なかっただけで、本当はもっと昔から冬弥を頼っていたのかも。周囲の状況に流されて、はるかとはまともに顔を合わせていなかったのも原因かもしれませんね。有体に言えば堰を切ったというか・・・。
はるか自身にも過去に何かあった様子。美咲さんといい、訳ありの女性から頼られる上、由綺とはすれ違いが続き、再び近づいた理奈に加え、由綺に近づこうとすると影のようについてまわる弥生さんの影。 理奈の歌を聞いた冬弥自身の心にも変化が起こるのかは分かりませんが、周囲の状況もどんどん変わってきている現在。由綺との前途は多難と言わざるを得ません・・・。
次回 WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第8話 『時間がない時ほど、多くの事ができる。やってしまう。もちろん、恋だって』

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WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第6話 『悩みを忘れるいい方法。他人のトラブルに首を突っ込んでみるってのは、どう?』感想
第6話 『悩みを忘れるいい方法。他人のトラブルに首を突っ込んでみるってのは、どう?』

頼ってしまうのは、好きだから━━━━

演劇部からはぶられて、衣装作りを一人任され、どうしようもない状況に陥った美咲さんが冬弥を頼ったのは、冬弥を好きな本心からなんだけど、当の本人はそんな事には気付かず・・・。
(違う こんなの 美咲さんじゃない)
冬弥から見た美咲さんは、毅然とした“大人の女性”ってイメージなんでしょうね。
冬弥の(そんなこと言うなよ)っていう心の声は、「何で俺を頼るんだ」と思ったのかと最初は感じたけれど、後半の展開から見ると、冬弥の描く“美咲さん”とは離れた取り乱した様子から、心に浮かんだ言葉だったのかも。ゲームの独白を表現した字幕のセリフは、つくづく冬弥の心を正直に表して、冬弥って人間がどういう人物なのかを分かりやすく伝えてくれます^^;

その後、由綺が待っているマンションに行くも入口に止まっている篠塚弥生の車。
冬弥がここで引き返してしまったのは、単に見張りがいるからって事じゃなくて、弥生さんとあんなことがあった後で由綺には会いづらいっていう心もあったように思います。一度引き寄せてもまた離れていく二人の関係って、どこまで続くんでしょうね・・・。
冬弥が家に居ない事を電話をかけて確かめて、いつくるのか楽しみに待ってる由綺が可哀そうで仕方ないです。

美咲さんが演劇部ではぶられてる理由は、部長の田丸を振った事で、侮辱されたと逆恨みされてることが原因・・・しかも強制幽霊部員で雑用扱いとか、どこまでも底意地の悪い・・・。それにしても教授を巻き込んでってくらいだから、単純に告白した、振ったの話じゃないようだけど・・・?
(シンプルなんだ 美咲さんの 悩みって)
・・・それは衣装と小道具を作れば現時点での悩みは解消されるだろうけど・・・その先の事まで考えてるんですか冬弥クン(ーー;)
彰も想いを寄せてる美咲さんに気遣ってるって事は分かるけど、今の困ってる状況を見て助けに出れないっていうのは・・・冬弥と美咲さんがくっつくのを黙って見てるとしか思えないんだけど、今いち煮え切らないなぁ。
演劇部の騒動があった1年前の冬弥は、由綺デビュー前にもかかわらず、一度しか会っていないという・・・。もうこの頃からすれ違いは始まっていたってことですか。由綺が歌う挿入歌の歌詞が一際切なく聞こえます。

「ご褒美差し上げます」
ただでさえすれ違いな由綺との中に入ってくる弥生さんの攻勢。
今のところは何とか拒めているけど、由綺に現場を見られたり、今後の展開で一時の気の迷いが?なんて事になりそうで怖い・・・。

冬弥の部屋に、出来た衣装のスケッチを見せにきた美咲さん。こっそり鏡で髪を整えたり、意識してる仕種が可愛いです^^
そんな美咲さんの心は露知らずな冬弥。コーヒーに入れるミルクでさえ、冬弥の中の美咲さんには無くてはならないものらしい・・・。“女神”像にはイメージの完璧さも求められるようですね^^;
美咲さんが疲れて寝ている中での由綺との久々の会話。なんだかどんどん由綺が冬弥を求めているのに対して、冬弥の周りでは活発に女性関係が動いている現状。不安もあるけど、この時だけは由綺との繋がりを感じられるシーンで良かった。お互いごめんを繰り返す会話は二人とも思いあっているようで、やっぱりすれ違いを感じるものではあるけれど。起きて会話を聞いていた美咲さんの表情は寂しそうで、冬弥の意識がどこにあるのかを再確認させられたようで・・・由綺には悪いけれど、可哀そうに思ってしまいます。

冬弥の良いところはなんだかんだでお人好しな所だけど、美咲さんや由綺もそんな脳天気そうな人柄を好きになったのかな。今のところはまだ由綺一筋な彼ですが、これから崩れていく展開になった時に、どうなるか不安・・・。今は火種の元がどんどん蒔かれてる最中のような気がして。浮気をテーマにしているって先入観があるからでしょうか^^;
美咲さんの田丸との過去にもやはりまだ何かある様子。このまま冬弥と美咲さん、二人の仲が進展する展開になるのかな? ヒロインは全員顔見せしたし、これから各キャラクターに重点が当たるようなエピソードを期待したいのですが・・・泥沼模様の恋愛劇はやっぱり遠慮したいですね(^^;
次回 WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第7話 『イメージはどんどん構築しなきゃ。ただでさえ、端から崩れてくものなんだから』

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WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第5話 『邪魔をするのが、近しい人間だけとは限らない。知らない人ほど、手厳しい』感想
第5話 『邪魔をするのが、近しい人間だけとは限らない。知らない人ほど、手厳しい』より感想です。

翻弄、流され、引き離されて。

『まだ寝てます。何もしてませんよ・・・指一本触れてない』 (唇を 除く)
寝てしまっていた由綺。でもどこかしら冬弥は安心したような雰囲気。
字幕の心の声は何よりも正直に聞こえてよろしいかと^^;
由綺のマネージャー篠塚弥生の冬弥への接触は今回のタイトルの正にそれで、的を射ているように思えました。

理奈がスキャンダルのタネにされた過去を引き合いに出して、理奈ほど強くない由綺がもし同じ目にあったら・・・とか、言ってること自体は正しいように聞こえるけど、遠回しに冬弥に由綺との関係を切るように迫ってるのは明白。その後の行動が直接的過ぎて、正直あそこまでされたら尋常じゃないものを感じたんじゃないかな、冬弥も。

『どちらに参りましょう』
いきなりデートに誘い出して・・・いや誘うというよりあれは無言の恫喝のようにも思えましたけど^^;
まさに有無を言わさないが当てはまるヒトですね。冬弥がグラッとくるのもまぁ分からないでもないですが・・・

熱のない 人形の唇、だ
あの強かなやり口に翻弄されていく様子がありありと想像できてしまう。もしかしてこれがきっかけで他の女性との関係も深くなったりするんでしょうか・・・。

由綺からの電話を冬弥が取らなかったのは、後ろめたさや、由綺への申し訳なさがこもった気持ちからだろうけど、あの後から意を決して電話してきた由綺にとっては避けられているようにも思えてしまうわけで・・・。一度引き寄せたと思ったらどんどん離れていく二人の関係。今回は冬弥と由綺、一度も声を交わす事はありませんでした。

はるかとのノートでの会話。紙を媒介した言葉のやり取りって、口に出して喋るよりも相手に伝わりやすいものだけど、最後の冗談に返事を返さなかったはるかの気持ちには気付いてるのかな、冬弥は・・・。こういった声に出さない演出も『WHITE ALBUM』らしくて良いかと。

美咲さんのお願いの時間までルーズな冬弥はいい加減どうにかしなさいと・・・。
演劇部では一人孤立するような立場に美咲さんはいるようで、拠り所を冬弥に求めているような気配。
美咲さんに想いを寄せる彰には誰の好意がどこに向いているのか分っているから、冬弥の気遣いが『余計なお世話』に思えて鬱陶しくなるのも当然ですか・・・。頑張っても報われないキャラクターなのかなぁ。あとエコーズの隠し扉・・・これ掃除用具入れの時点で気付いた人っているんでしょうか(;´Д`) 冬弥が驚いた理由も、英二があんな所から出てきた理由もやっと分かりました。ホント、何て店だ(笑)
由綺からの伝言を預けにきたはるかは本当に“良い人”に扱われちゃってるなぁ・・・。
冬弥にも由綺にも、悪気はないんだろうけど可哀そうに思えてくる。それにしても『01004』→『まってます』って普通に解読できなかった私はどうしたら・・・。この時代に流行ってたりしたかな?

弥生の誘惑を振り切って由綺の許に向かおうとする冬弥に、美咲からの電話。
『私もう、どうしたらいいか・・・助けて、藤井くん・・・』
(どうしたらいいか わかんないのは 俺です)
最後だけは冬弥に同感してしまいました^^;由綺とのことで精一杯なのに状況が許さないっていうのがね・・・。本当に由綺と冬弥の現在は前途多難すぎる。
しかし冬弥のだらしない所から発生する『すれ違い』が女性関係悪化の一因になってるのは見ていて歯痒いものがありますね。前回もそうだったけど、約束の時間くらいは守ろうよ・・・。
あとは周囲が冬弥をほっとかないような状態になりつつあること。積極的に由綺と引き離しにくる弥生さんや、冬弥を頼る美咲さん・・・毅然に物事を断れないのもある意味罪ですか。
『あの場合は仕方ない』は本人じゃなければ叶わないわけで、これからはそういうはっきりした態度を求められる場面が増えそうだけど、冬弥が状況に流されないでいられるのかどうかは・・・やっぱり怪しいなぁ・・・。
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WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第4話 『想像を超えて分かりあえてるって、感じる時がある。逆の時も多いけどね』感想
第4話 『想像を超えて分かりあえてるって、感じる時がある。逆の時も多いけどね』より感想です。

━━━バッカじゃないの!?

俺に
気があるから
直後の理奈の平手が調子に乗るんじゃないみたいな意味のようで面白い(笑)
それにしても冬弥の『俺の女神たち』理論。自分の周りの女性から幸運をもらったありがたや・・・な幸せのジンクスって事は分かるけど、それが原因でいらぬ誤解を招いたりするんじゃないのかい?周囲から見たら口説きまわってるようにしか見えないだろうし^^;
夕凪駅に10時に待ち合わせと伝える理奈、11時に蛍ヶ崎の改札で落ち合うことを約束していた由綺。今回定例の由綺との「すれ違い」は、理奈の冬弥への興味が招いたと思いがちだけど、実際はスケジューリング能力の無い冬弥が時間と場所をあべこべに勘違いしたことが原因なんだよね・・・。
そのおかげで冬弥は理奈という「今日の女神」と出会うこともなく、由綺とは散々すれ違う結果になってしまったと。まあ、別の「女神」と出会うきっかけは掴んだわけですが。

『バッカじゃないの』が口癖のツンツン女子学生。おそらくは冬弥の家庭教師の教え子。
冬弥は顔を見たこともないので知らないようだけど、向こうは自分の家庭教師だってことに気付いたような素振りが見えました。確か相手の方から冬弥を家庭教師に指名してきたっていうことでしたが、それを知ってて痴漢よばわりとは相当ひねくれてそう・・・ああ、なるほどツンツンではなくツンデレってことなのか(笑) どうせ行くことになるなら学校へ行けばいいという提案にまた発動する冬弥の「今日の俺の女神」。やっぱり女の子を口説いているようにしか見えません^^;

女神になりそこねた由綺は、冬弥にとって大切な日常になったわけだけど、自分を構成する女神理論からしてみれば、由綺は特別大切な人で、他の女性は自分を幸福にしてくれるラッキーアイテムみたいな存在なのかと思ってしまうんでうが・・・。冬弥本人はそんな気はないんでしょうけど。
ギリギリの所で由綺を掴んだ冬弥。冬弥に歌手になることを告白した蛍ヶ崎で、初のシングルを出してもらえる事になったことを冬弥に報告したかったんですね、由綺は。緒方英二との思わせぶりなやり取りや喫茶店で話さなかった秘密はこのことだったと・・・。何となくそれらしい予想はついていたけど、やっぱリ英二とのあの場面は違うことを想起してしまいます^^;

抱き合って由綺の成功を祝福する冬弥と、これでやっと恋人らしいところを見られたと思ったら、お互い住んでいる所を知らなかったり、冬弥の方は由綺と初めて会った想い出の場所を『あんまりいい想い出、ないかな』と期待とは正反対の事を口にするし、すれ違いはまだまだ続いてる状況。由綺が不安になるのも分かるなぁ・・・。
冬弥を自分の部屋に招き入れたのは、そんな不安を搔き消して離れがちな冬弥との絆を深めようと思った由綺の一大決心?
冬弥のかわりに大学に行ったはるかもマネージャーの篠塚さんの追撃も無視して一気に加速する由綺と冬弥の仲。恋に焦りは禁物なんて誰が言ったか知らないけど、何だか良くない方向に突っ走っているように見えるのは気のせいか・・・。これで二人が結ばれてうまくいくなんて、誰も思っちゃいないでしょうけれど。
次回 WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第5話 『邪魔をするのが、近しい人間だけとは限らない。知らない人ほど、手厳しい』

気になる由綺と冬弥の関係ですが、次回は家庭教師のお話?それにしてもサブタイトルが相変わらず長い(;´Д`)
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Entry ⇒ 2009.01.25 | Category ⇒ [アニメ]WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) | Comments (2) | Trackbacks (8)