【アニメ】化物語 第十五話『つばさキャット 其ノ伍』感想
オープニング作業よりも本編作業を優先したため、現在配信分は実写版オープニングとのこと。完成版オープニングは来週公開予定です。OPテーマの「suger sweet nightmare」は、羽川さんの切ない恋心が歌詞に表れていて…本編を見た後に聴くと切なくなってきます(;;)
羽川翼に憑いた怪異、“障り猫”。宿主の“ストレス”が原因で発現するこの怪異が、今になって再び現れた理由。暦は、障り猫自身から“それ”を聞くことになります。羽川翼が、阿良々木暦を好きだという事実を。
暦に戦場ヶ原ひたぎという恋人が出来たことで、隠し続けていた想いは次第に膨らみ、強いストレスとなり、障り猫こと“ブラック羽川”を再び発現させることなってしまったのでした。その想いは以前の原因だった家族関係のストレスを上回るほど、強くて…。
笑顔の羽川さんの表情が悲しみに歪むシーンは、普段友人として暦に接している姿と、その裏にある“本当の想い”を表していて、羽川さんの心情を直に伝えてきます…。切なくて、苦しくて、でもその本心を伝えることはできなくて。いつも笑顔だったあの表情を思い返すと、なおのこと共感できてしまうんですよね…。
それでも、その本心を知ってもなお、暦は羽川さんの想いには応えることはできないとはっきり告げます。自分のひたぎへの想いは揺るぎないものだから。第十二話の『つばさキャット 其ノ貮』で描かれた、暦とひたぎのエピソードを思い出すと、それも仕方がないって思えるんですけれど、どうしようもないのかなあって思いもあるんですよね。もし、ひたぎが現れなかったら、羽川さんは暦に告白していたかもしれないし、逆に暦が羽川さんを好きになっていたかもしれない。自分のペースで恋心を育んでいた、羽川さんの想いを否定することはできないと思うのです…。
「苦しい役目をお前に押し付けたに過ぎない。羽川と同じ環境でだって、怪異に頼らず、自分一人でその環境を生き抜いている奴もいるはずだ。羽川がお前みたいなのに頼ったのは、そういう連中に対する…冒涜だ」・・・我が身を犠牲にしてでも周りを助けてきた、暦ならではの台詞ですが、羽川さん自身が望んで怪異に願ったわけでは…ないんですよね? ただひたすらに想いを隠し続けていた羽川さんに対しては酷(こく)すぎるかな?と感じてしまいました。障り猫の存在が、純粋に“どうしても伝えたい本心の具現”だったとしたら、それを生み出した羽川さんにも責任はあると思いますが…。
人の心は変えられない。阿良々木暦は羽川翼の想いに応えることはない。なら、障り猫は、宿主のストレスを解消する、もうひとつの手段を実行に移すまで。ストレスの本体である暦を殺してしまえば、障り猫がいる必要もなくなるのだから。
『それとも、誰かに助けを求めてみるかニャ?今までさんざん色んなヤツを助けてきたお前ニャ。誰かが助けてくれるからもしれないニャ』
『・・・助けなんて、無理だ。だって人は、一人で勝手に助かる、だけだから』
『それはお前の意見じゃニャいだろ。それはただの言葉だ。お前の気持ちじゃニャい。問題は、お前がどういう気持ちでいるのか、ニャ。そりゃあ人は一人で勝手に助かるだけだけれど、助ける側にそんな事情が関係あるのかニャ?お前を助けたいと思っているヤツが、一体どれだけいると思っている。それをお前は一人残らず拒否するのかニャ』
実はこのやり取りで、今回のお話のあらましと、化物語の裏にある人間関係が見えてくるような気がするんですよね。
ブラック羽川が暦を殺そうとする行動は、怪異に慣れ過ぎた暦への警告を連想させますし、また「人は、一人で勝手に助かるだけだから」という忍野の口癖を暦が口にしたのは、いつも自分を通して怪異を解決してきた、忍野への憧れを表しているように感じます。人を殺そうとしている怪異の台詞とは思えませんが、ブラック羽川が羽川さんの本心であるということなら、暦に言い聞かせているようなこの会話の流れも納得です…。
そういえば、忍野忍が失踪中だったという事柄をすっかり忘れていました(^^; 暦の危機に影から颯爽と登場して、ブラック羽川を叩き伏せてしまいます。今回の見せ場ですね?色んな意味で(笑)
ブラック羽川が、「そこだと真下になっちゃうから、影が出ないニャ」と言った時点で、忍が助けに入る余地をわざわざ与えていますから、自分が忍に倒されるという結果を見越していたということですよね。馴れるつもりでいるな、なんて言いつつ、どこか憎めない、怪異らしくない怪異だよなあと…。障り猫って存在以前に羽川さんの分身でもあるのでしょう。
『・・・阿良々木君。私との友情よりも、私に恩返しをすることの方がずっと大事だなんて、そんな寂しいこと言わないでよ。・・・阿良々木君、きちんと、しなさい・・・』
『・・・はい。』
自分の想いをはっきり伝えることができる人は、強い人だと思います。では、羽川さんは弱かったから障り猫というもう一人の自分に頼ってしまったのでしょうか? 結果的に怪異を発現させてしまったとしても、誰にも責められることじゃない。ただ不器用で、自分の本心を伝えられなかったことを“弱い”だなんて言えないと思うんですよね…。
全てが終わった後、街から消えていた忍野。今回の件に全く関わる様子を見せなかったのは、暦が一人で事件を解決できると信じていたから。『なでこスネイク』で暦の行動に警告を発したのも、この別れが近いことを伝えていたのでしょう。忍野がいなくなった廃墟を後にして、「全く、アレだよな」「そうね。アレだわ」「アレだよね、実際」「うん。あの人は、アレに違いない」と4人が口々する“アレ”に当てはまる言葉が“お人好し”だった時は想像通りでちょっと感動してしまいました(笑) 全編を通して、本作の怪異を象徴する人物だった忍野メメが去ることは、物語の終焉を暗に意味しているんだけれど、やっぱり物悲しさを感じてしまいますね。どこかでメメが活躍する物語を見てみたいです。
『これからも僕は、怪異に遭うだろう。でも、大丈夫だ。僕は知っている。この世に闇があり、そこに棲むものがいることを。例えば、僕の影の中にも棲んでいる。明日は、いよいよ文化祭だった。僕たちのクラスの出し物は、“お化け屋敷”』
最後に『佰物語』のカバーイラストに描かれた暦、ひたぎ、羽川さんのコスプレスリーショットが出てきたのは嬉しかったです…(*^^*) この3人が演出するお化け屋敷がどんなものなのか、見てみたいなあ…。
『化物語』のお話としては、TV放送終了話の第十二話『つばさキャット 其ノ貮』で一応完結しているんですよね。メインヒロインであるひたぎと主人公の暦がお互いの気持ちが通じ合った最高のエンディングが描かれていました。残り3話で見せたお話は、エピローグというか、本編後の後日談的なものを見せたかったのかな?と。また、前日譚である『傷物語』を知る方へのメッセージだったようにも思えます。暦と羽川さん、メメ、そして忍の物語の完結を、『つばさキャット』で見せたかったのではないでしょうか。『つばさキャット』を見た後に、前日譚である『傷物語』と後日譚である『偽物語』もアニメで見たくなるのは私だけじゃないはず!(笑)
最後に…怪奇ファンタジーって派手なバトルや陰鬱としたシナリオが多いように思いますけど、『化物語』はこれまでのそういった雰囲気とは一線を画しているというか、一人一人のキャラクターを大事にしている作りなんだって気がします。エピソード完結型でヒロインを一人メインに置いて、主人公の暦が怪異に関わっていく構成も、物語や人物に深く感情移入できて良かったです。アニメとして見せていたシャフト特有のシーンの移り変わり、静と動を使い分ける演出は、キャラクターのセリフと掛け合いが多い本作のシナリオに置いて無くてはならないエッセンスでしたし、少ないアクションシーンをより際立たせていたと思います。もっとも、もっとぐいぐい動いて怪奇アクションを地で行く『化物語』…なんてものも見てみたいものですけれど(^^;
…何だか最後はぐだぐだになってしまいましたが(汗、『化物語』という素晴らしい作品に出会えたことに感謝しつつ、これにて感想を終了させて頂きたいと思います。…ああ、『傷物語』アニメ化しないかなあ……。
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Entry ⇒ 2010.06.27 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (1) | Trackbacks (7)
【アニメ】化物語 第十四話 『つばさキャット 其ノ肆』感想
正直感想記事を作るのも数ヵ月ぶりなのでかなり緊張しています(笑)ブランク明けという事で粗は見逃して頂ければと……(汗
さて『つばさキャット 其ノ肆』。お話は“羽川翼”と“阿良々木暦”の物語に突入、“ひたぎクラブ”が始まる以前に解決したはずの“猫の怪異”が再び羽川さんに顕れて…?というところは何となく記憶にあるんですが、ほとんど頭から抜け落ちてました。羽川さんに溜まった「ストレス」が何を意味しているのかとか、ドーナツ屋で一人佇む忍ちゃんとかいろいろ伏線があったように思うのですが……(汗 まあ見てるうちに思い出してくるモノなんですけどね(^^;
「實寫版」、つまり実写版な「つばさキャット」のオープニング。相変わらずキャラクターソングですね?本当に良い意味で(笑) 作曲・編曲が神前 暁さん、作詞は日向めぐみさんといつものタッグ、歌を担当するのは堀江由衣さん。あらためて豪華です。歌詞でお話の内容に見当が付いちゃうのもいつも通り(苦笑 実写でこれはアリなの?って正直戸惑いますが(;´Д`) 次回はアニメ版のオープニングに期待です。
“障り猫”再発の原因でもある羽川さんの感じている“ストレス”が、以前の家族に関する“それ”とは違うものだと指摘するメメ。何だかメメが以前よりカッコよく見えるのは気のせい? スタイリッシュなポーズが様になっているというか……設定ではもっとこう“あまり見られたものではない”格好をしているとかそんなだったような(^^; 内に見える格好よさが外にも出てきたってコトなんでしょうか。
忍ちゃんが行方不明になった事を聞いて、捜索に駆け出す暦。今回は最終章だけあって、ヒロイン総動員でお話に関わってきてる感じ。話の本筋には絡みそうにないですが、真宵や撫子、駿河も出てきますし。暦が女の子にモテモテなのは、吸血鬼が持つ魅了の能力のせいなのかも?って羽川さんが話していた時は、忍にも関連がありそうだな?とは思いましたけど、予想以上に関わりが深いみたいです。
それにしても、忍が目撃された国道沿いのドーナツ屋ってこれどこの国道?っていうかこのグランドキャニオンな荒野…暦の『この街の中、どこへ一人で…』の台詞が妙に背景とミスマッチで、尚のこと忍ちゃんが置かれている現状を想起させるというか(^^;
ダメな大人が発狂しそうなダブルコンボは狙っているとしか思えませんですハイ。13話で暦と羽川さんとの会話に出てきたラジオ話は意味の無い会話かと思ってたら、ここで回収してくるとは思いませんでした(笑)“大熊猫大好き”さんは撫子だったとはね!
駿河は『イ○ーヨーカドー』で『オシャレ魔女 ラ○&ベリー』に興じてるとか、どこから突っ込めばいいのかまあ良く分かりませんが(笑)後ろに行列で並んでいる子供に全く譲る気はないとか大人気ないにも程がある。あとPN“素振りをする素振り”さんは駿河だったそうですがこの辺りの話が記憶にない……前回のラジオ話の中にあったかな?まあ掛け合いの“種”があちこちに散りばめられてるなぁということで(^^;
PN“林檎をむいて歩こう”さんは(ry メインヒロインの戦場ヶ原ひたぎさんも登場。忍の捜索に手を貸してほしいとこれまで
『行かないわよ。私は行かない。だって私には、文化祭の準備があるもの。……羽川さんに、任されたのよ。投げだせるわけがないじゃない。羽川さんが窮地であればあるほど、私はこの役目を果たさなければならない。』
『ねえ、阿良々木くん。阿良々木くんはいつも通り、阿良々木くんのやり方を貫けばいいわ。私はいつも通り、私のやり方を貫く。』
羽川さんや忍ちゃんのために走り回ってる暦の様子に「仕方のないヤツだなぁ」って訴えるようなジト目がもうね…たまりません(笑) ストレートな物言いって誤解を生む原因になることもあるけれど、ひたぎの場合は“自分のやり方”を真っ直ぐに貫いてる、有りのままの姿がスタンダードになってるんですよね。暦がひたぎを救った時の影響もあるのかな…。正確にはツンデレとは言えないのかもしれないけど、ツンデレ属性であってほしいお方です(^^;
忍を捜す暦の前にひょっこり現れる“ブラック羽川”。どうにもブラックな感じはまったくしないんですけどね?黒いっていうよりは底抜けに明るいというか、エロかわいい。(そのまま
忍の捜索を暦に申し出るブラック羽川。ストレス解消の為に出てくる“障り猫”からしてみれば、前回発露した際には1年はかかったであろうストレス解消が、9日間で終わったのは忍と暦の行動によるものだから、その点は“ご主人を助けた恩人”という事で感謝していると。ブラック羽川も事態の早期収拾を望んでいるというのはちょっと予想外でしたけど、この“忍(しのぶ)捜索網”の上に成り立った協力関係がどこへ終結するのか、この辺りで道筋が少し見えてきた感じがしますね。
『例えば人間、お前あの吸血鬼が失踪した理由とか、想像つくのかニャ?』
自分たちと同じ位置に立っているつもりで馴れ合ってくるのはいい迷惑だと釘を刺すブラック羽川に、なら、忍が失踪したのは本来吸血鬼である彼女を力を失くした“ただの子供”として扱っていたからなのかと思い至る暦。
『そんな深いところまでは分からない』というブラック羽川の言う通り、暦と忍の間にどんな出来事があったのかは(今のところ)分からないし、そもそも人間と怪異の間柄以上の関係があったのであれば、暦&忍はブラック羽川の言う“馴れ合い”の中には無いって線も有り得るわけで。
『あの吸血鬼は、次から次にのべつ幕無しに、お前がおれらと関わり続けてるのを見て、いい気分じゃニャかったんじゃニャいか?』
『いろいろな怪異と並列されて、自身の特異性が薄れていったという意味か?だからあそこに居続けられなかったって……』
“鈍感、ニャ”の一言で締めくくられるこの一幕が、今回のお話の全てを物語っているような。人間と怪異の隔たり云々の話をされて、少し違う方向に勘ぐってしまうのは暦らしいのかもしれませんが(^^; 周り全部を助けて回るから特別な目が集まってくることに注意が向かない、典型的な主人公の“天然ジゴロ”な性質っていうか……あらためて業が深いって思いますこの手のお話を見ると(汗
最後に羽川さんの「ストレスの原因」をブラック羽川から聞いた暦の「は?」の表情といい、ひたぎが鋏で紙を“切り落とす”描写といい……マルチヒロインものの宿命にいよいよ立ち向かわなくてはならなくなった主人公・阿良々木 暦。前門の羽川 翼、後門の戦場ヶ原ひたぎに挟まれ、人間と怪異の間に揺れる忍との関係はどうなるのか?
…と気になるところで次回へ続く。本妻は第十二話でこれ以上にないくらい暦とのラブっぷりを見せつけてくれたので、ヒロインの関係は揺るぎないものなんでしょうけれど、あのお話を終えた後に今回のような展開をぶつけてくるのは中々面白いです。全く関わる様子を見せない忍野の動向も気になりますし、次回も期待…って次で最終回なんですよね(^^; どんな決着が付くのか見逃せません……。
次回 化物語 第十五話 『つばさキャット 其ノ伍』
第十四話のエンドカードはこれまたやたらカッコいいメメ。提供はどなたでしょう…?
※追記:提供は中村 光先生とのこと。『聖☆おにいさん』や『荒川アンダー ザ ブリッジ』の作者ですね。
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Entry ⇒ 2010.02.24 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (2) | Trackbacks (11)
化物語 第十三話 『つばさキャット 其ノ參』感想

阿良々木暦と羽川翼の物語
そんなわけで『化物語』第13話『つばさキャット 其ノ參』。前回の“ひたぎエンド”からひと段落、今回はまぎれもなく羽川翼がヒロインのお話ですね。

意外だったけど、こんなに嬉しいことはない・・・と思わずにはいられない。八九寺 真宵ちゃん再登場。
このままフェードアウトしちゃうのかなとか心配してました(笑) 出会って早速胸を触ったりパンツを下ろそうとしたり変態行為に走る阿良々木さん流石です。顔つきも険しい路上変質者です。人に見られたら即通報ものなこの行動も傍から見たら何やってんだこの人くらいにしか思われないんだよね・・・それはそれでアブナイんですが。マカロニほうれん荘とか化物語で見られるとは思いませんでした(^^;
真宵がふと発した、なぜ羽川翼じゃなくて戦場ヶ原ひたぎが恋人なのかって疑問。それこそ怪異に初めて出会って暦が深く関わったヒロインなはずなのに、そういう関係にならなかったのはなぜなんだろうと思うんだけど、暦が言うように恩人であるがゆえにそうはなりえなかったと現時点では解釈するしかないかな・・・。出会いのタイミングや告白された事ももちろん関わっているんでしょうけれど・・・その辺り今回のエピソードに関連がありそうな予感。前日譚という位置付けの「傷物語」から、羽川さん自身が暦に抱いている心情も気になります。

『ひたぎさん・・・何て美しいんだ・・・。まさに僕の理想の人だよ。愛してる・・・』
「どう?似てた?」って似てはいなかったけど頑張ってるとは思いました(笑) 斎藤千和さん(ひたぎの中の人)の声真似までノロケに使われるんだからもうね(^^; でもいつもの2人の掛け合いが何だか安心できるのは何故だろう・・・今回これしか出番ないんですけどねガハラさん。そういえば、今回ひたぎの髪の色が黒かったのは何か意味あるんでしょうか?

暦を呼び出す羽川さんでやっと今回の本題に。どうでもいいけど帽子で羽川さんが撫子に見えたのは私だけじゃないはず(笑) 髪の毛下ろしてるしなんかパジャマだし、おまけに巨乳だし・・・スタッフブログで“羽川巨乳”って言ってたワケが十分理解できます(^^;
猫の怪異に再び悩まされている羽川さん。最近猫に関するエピソードで何かなかったかと暦が聞いた時点で、ラジオネームに“猫”の文字が入ってるリスナーのお便りを正確に記憶してる羽川さんには驚きだけど、的確にツッコミどころを把握している阿良々木さんも流石と言わざるを得ない・・・いわゆる「化物語」的な一連の会話なんだけど何でこんなに楽しいんだろうなあ・・・最初はただ話を聞いているだけじゃあねぇとか思ってたのに(汗
話を区切って“帽子の中身”について触れる阿良々木さん。暦が吸血鬼になった春休みの怪異で命と恩人とまで呼ばれる羽川さんとのエピソードがホントに気になる会話なんですが、今のところ「傷物語」はアニメが終わるまで読むのは自重しています。「つばさキャット」までアニメで見終わった後で、前日譚のエピソードに触れることが「化物語」のお話の流れでは正しいのかな?なんて自分で勝手に思い続けてるだけなんですが(^^; 暦と羽川さんの会話の中にも重要なキーワードが紛れてたりするんだろうなあ・・・。
今話の羽川さん登場時から空に浮かんでたネコミミ型の雲が、頭からピョンと出てきた猫耳と重なる演出が細かい(笑) 怪異云々は別にして羽川さん可愛いですねどうも・・・本命から気が移りそうである意味怖いですw

自転車に2人乗り⇒体が密着する⇒巨乳が押し当てられる。不可抗力ですねどう考えても・・・いや当の本人にイヤしい心があればまた別だけどね!(笑)
最近女の子にモテモテ(?)な暦は、吸血鬼が持つ魅了の能力のせいなのかもしれないって羽川さんの説明は、妙に納得してしまうお話ではあるけど、実際はどんな怪異にも首を突っ込んで背負い込んでしまう暦自身の性格のせいなんでしょう。結果的に女の子の怪異にばかり関わっていることに変わりはないんですが・・・(^^;
「お前は何でも知ってるなあ」で期待された羽川さんの返答は、いつもの「何でもは知らない。知っていることだけ」じゃなくて、「何でもは知らないわよ。・・・何も知らない」と寂しそうに返した事が気になる。羽川さんに起きている猫の怪異はやっぱり彼女自身が抱えてる心の問題のせいなんでしょうか・・・。

忍野の元へたどり着いた2人。何もかもを知っているようで、遠回しに今気付いたような素振りを見せる忍野の独特の台詞回しはいつも通りと言えばいつも通りだけど、どうにも様子が違うような。「忙しくて時間がない」というのは、真宵が言っていた忍が1人で出歩いている事に関係しているのかな?
いつもより暦に対して忍野の当たりが強いのは、撫子に関する件だけじゃなくて、羽川さんに関わる障り猫の怪異が暦自身に関わる事だと伝えているようにも思える・・・そんな気がします。本人に聞いた方が手っ取り早いと、忍野がブラック羽川を呼び起こしたところで今回は幕引き。
続きが気になるというか、次回がいつになるのか気になるって気持ちが強いのは正直なところ(^^; できれば制作が終わってから正式に告知してもらえれば嬉しいんですが・・・待ち続けて徹夜になるのは辛いです(;;) エンディングは一部カットが変わっていましたが、これも本編のヒロインを羽川さんと意識しての事でしょうか。実質今回からが「つばさキャット」のはじまりという気もしますし。やっぱり早く続きが見たいなあ・・・。
次回 化物語 第十四話 『つばさキャット 其ノ肆』

エンドカード提供は撫子 凛さん。講談社繋がり?
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Entry ⇒ 2009.11.03 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (2) | Trackbacks (10)
化物語 第十二話 『つばさキャット 其ノ貮』感想

はっきり伝わる、本当の想い。

『私とデートをしなさい。阿良々木くん』
TVでは最終回の化物語 第12話『つばさキャット 其ノ貮』。まさかこう来るとは思いませんでした主人公とヒロインの初デート。「つばさキャット」なんてサブタイトル知ったことじゃないぜ!と言わんばかりに羽川さんが入り込む余地もなくひたぎ蕩れというかもうひたぎ回だよね。 ごはん粒を暦のほっぺたにわざとくっつけて取ってあげるひたぎに蕩れ(けどゴミ箱に捨てられます)、デートに誘う言葉に迷うひたぎに蕩れ・・・終始ニヤニヤしながら見るっきゃないです(笑)
それにしても、前回スクミズ&ブルマを撫子からもらって悦びの咆哮を上げた阿良々木さんは今回ひたぎとのファーストデートに『おっしゃあああ!』ですか。冒頭のひたぎとのやり取りは11話の撫子や羽川さんとの会話前の出来事だったから、良いことが立て続けに重なったわけですな。なんて言うかまあ、主人公やってて良かったね!(笑)

ひたぎとのデートに喜び勇んでチャリンコ猛ダッシュの阿良々木さん。戦場ヶ原家に着くなりいきなり連行されて、ひたぎ・父同伴の車内ビロートークに突入・・・恋人の父親を前にして『私のこと、好き?』とか聞かれたりこれ何て罰ゲームor拷問?とか思っちゃうのも仕方ない(笑)
心境は察するに余りあるけど、その割にはツッコミに勢いが衰えないのは流石と言うべきか。いやもうツッコミ体質なんでしょうねきっと(^^; しかしこんなシチュエーションの中にも所々に暦への愛を感じる部分が“ひたぎ蕩れ”の真骨頂なんだろうなあ・・・。一見すると意地悪にしか思えない(困らせて面白がってるものも多数だけど)会話の中にもツンデレ表現があったり、ストレートなようで実は捻くれた愛情表現なんだって思えてくる不思議。慣れないと困惑&面倒極まりない性格であることに変わりはありませんが(苦笑)

目的地に着いたと思ったら、突如父親と二人きりにされてしまう阿良々木さん・・・押し寄せる緊張の波が伝わってくるな?とか思ってたら、喋り出したひたぎ・父の声が立木さんでビックリ。「ゲンドウ」とか「マダオ」とかいう単語が脳裏に浮かんできてしまう(^^;『娘をよろしく頼むよ・・・なんちゃって』で思い切り笑ってしまいましたw
これまではまるで存在感が無かったひたぎのお父さんですが、暦との会話シーンは深い人間味が感じられてとても良かったです・・・。ひたぎの“病気”は自分がただ立ち会っただけで、「勝手に助かっただけ」だと言う暦に対して、必要な時にそこに居てくれる、それこそが大事なんだと伝えるシーン。これまでの暦の行動が報われると同時に、忍野への良い意味での返し文句(メッセージ)だったり、何よりも、ひたぎがなぜ暦に惹かれたのか、告白に至ったのかを全て代弁してくれているような気がして・・・何とも言えない感動に打ちのめされてしまいます(泣 最後に改めて『娘をよろしく頼むよ』というひたぎのお父さんに、温かみと思いやりのある人物像を感じました・・・良い父親だなあ・・・。

父親と別れて、ひたぎに連れられた先で見上げる星空の展望台。エンディング主題歌の「君の知らない世界」ってしっかり物語をイメージして作曲されているんですね・・・。
『・・・これで全部よ。私が持っているもの。全部。勉強を教えてあげられること。可愛い後輩と、ぶっきらぼうなお父さん。・・・それにこの星空。私が持っているのは、これくらいのもの。私が阿良々木くんにあげられるのは、これくらいのもの。これくらいで、全部・・・』
今までの“戦場ヶ原ひたぎ”の全てが、暦への想いに集約されるこの言葉。突飛な行動も奇抜な発言も、本当に好きな人への真っ直ぐな心の裏返しだった事を感じさせるこのシーン。『化物語』の醍醐味と言える、物語の真実を解放するカタルシスを、最高の形で表現してくれました・・・。
暦にどういうところが好きなのかと聞かれて、『優しいところ。かわいいところ。私が困っている時にはいつだって駆けつけてくれる、王子様みたいなところ』なんて言っちゃう場面はまさに蕩れ。車の中で言っていた事と同じとは思えないセリフ・・・。さらに『阿良々木くん、キスをします』とか素直に言えなくて口ごもってしまう所とかもうね・・・「ひたぎさんはツンドラ」なんて全力で否定できちゃうね!(笑)

『キスをしましょう。阿良々木くん』
『最終的に、そう落ち着くか・・・』
お互いの気持ちが通じ合った、暦とひたぎ、二人の“らしい”会話で幕引き。まさに最終回に相応しい・・・でも実際は後3話も残っているっていうんだから何だかちょっと複雑(^^;
羽川さんの事件には今回ほとんど触れてませんし・・・ただTVアニメを締め括るお話としてはこれ以上ないってくらい楽しませてもらいました。これまでのエピソードを振り返ってみても、ストーリーの構成や魅力的なキャラクターたち、それぞれが引き立っていて、今期で一番お気に入りなアニメだったかも。
TVアニメはこれで一旦終わりますが、ネット配信に移行しても最後まで感想は続けたいですね。“つばさキャット”としては次回以降からが本番になるんでしょうか。『化物語』という素晴らしい作品に出会えたことに感謝しつつ、再開に向けて一時の休息を取りたいと思います・・・。
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Entry ⇒ 2009.09.26 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (2) | Trackbacks (13)
化物語 第十一話 『つばさキャット 其ノ壹』感想

想いはいつも言葉の裏に。

化物語の最終エピソードは頼れる委員長「羽川 翼」さんのお話。前日譚の『傷物語』から暦との深い関係が窺える人物だけにどんな展開になるのか楽しみではあるのですが、何だかいきなりハードな家庭内環境のお話から入っていきます。
『つまりね、お母さんの結婚相手の再婚相手が今の母親で、その再婚相手が今の父親って事になるね』
・・・えーと、父親の再婚相手って事は今の母親は継母で、その継母が再婚した男性が現在の父親・・・という事になるんでしょうか。何だか複雑ですが、要するに羽川さんは今の両親のどちらとも血が繋がってないと。で、現状折り合いが悪くて、冷え切った家族関係であるようです。「まよいマイマイ」からそれとなく家族と上手くいってないというのは感じられましたけど、『一日一緒にいるなんてゾっとする』って言うくらいだから・・・察するに余りあるものがありますね。わだかまりが残る重い家族関係のお話は、戦場ヶ原さんのエピソードを彷彿とさせますが・・・。そういえばひたぎさんの出番が最近少なくて寂しい(;;)

一転して前回事件を終えた撫子の登場。冒頭の羽川さんと暦のやり取りは時系列ではかなり前のお話だったようで。「なでこスネイク」はかなり憂鬱になれるエピソードでしたが、その後の言及が無くて、明るく振舞っている撫子を見ると少し救われる気持ちになるというか・・・返った呪いは結局どうなったのかとか、深くは突っ込まないほうが良さそう。
撫子のビックリマンやらドラえもんのマニアックなネタ振りはキミ一体何歳なんだと問いたいところですが、しっかりツッコミを入れる阿良々木さんも只者じゃない(^^; 化物語の会話はメインキャラクターのボケと暦のツッコミで8割方成り立っているように思えるけど、ここでしっかり会話が成立するのは暦のツッコミスキルあってこそでしょう(笑)
それにしても駿河から借りたスクミズとブルマを阿良々木さんに渡しちゃうのは天然すぎるが故に成せる業か。もちろん受け取る方も受け取る方だけどね!『おっしゃああああ!』とか一応叫んでみたかったんだよね阿良々木さん!(笑)

前髪を触られるのは嫌がるのにスカートの裾を持ち上げられて平然としてたり・・・「なでこスネイク」本編じゃあんまり分からなかったけど、撫子はやっぱりどこかズレてると思います(笑) しかし暦お兄ちゃんの行動が今回変態っぽいのは全く気のせいじゃないよね・・・。というか変態だよね(断言
さりげなく忍の話題にも触れられてますけど、今回のエピソードで活躍の機会があると思っていいのかな。羽川さんと同じく『傷物語』から登場しているようだし、関係は深いようなんですが・・・声優は発表されてるのにドラマCD以外でしかセリフがないっていうのも珍しいというか勿体ない。

再び羽川さんが登場するも同時に脱兎の如く逃げ出す撫子。人見知りするというより恥ずかしがり屋というか。今までの中じゃ普通に可愛いイメージだったけどいろんな隠しスキルを持っていてさらに高得点ですね(?)
『阿良々木君が、どうして戦場ヶ原さんと仲良くなったのか良く知らないけどさ・・・それでも、これからはそういう事、もっと言われると思うんだよね』
ハイスペックな彼女を持つと苦労するよといういわゆるアレ。それに見合うだけの努力はもとより、彼女をしっかり支えてあげなくちゃねって説教されてますけど、単に委員長で友人としての助言なのか、暦に対して含むところがあるからお節介を焼いてるのか・・・。『化物語』では割と早い段階でひたぎと恋愛関係になってしまったから、他のヒロインと仲良くなる事はあっても付け入る隙が無いように思えたんですが、何やらフラグが立ってるような。もしかして羽川さんとひたぎの修羅場なんてあり得るんでしょうか(^^;

突如頭痛で苦しみ出した羽川さんを見て、暦が思い出すゴールデンウィークの怪異。“障り猫”に憑かれた羽川翼は、猫の怪異と化して人々を襲うというお話。原因は複雑な家庭事情にあった羽川さんのストレスによる裏人格の発現・・・という事だったんですが、“ブラック羽川”って忍野のネーミングセンス(笑)いや確かにピッタリそのままイメージは当てはまるんですが(^^;
「ひたぎクラブ」で触れられていた、忍が活躍した怪異はこのゴールデンウィークの事件だったんですね。忍によって“障り猫”は抑え込まれ、事件は解決したかのように思われていた。けれど、今になってあの時と同じような怪異の前兆が見られるようになった羽川さん。また怪異に憑かれて猫耳モードになってしまうんでしょうか。
『宝物みたいに抱えてる、そのブルマーとスクール水着を鞄にしまうぐらいの事はしたらどうかな?』
会話中もずっと握りしめてたんですか阿良々木さん(汗 緊迫感と緊張を解すような羽川さんの一言で今回は幕引き。
やっぱり気になるのは羽川さんの暦に対する心内。ひたぎと上手くいくようにアドバイスを続ける羽川さんを見ていると、自分の想いを隠し続けているように思えてなりません。去ったはずの怪異が再び現れた原因を考えてみても・・・。これまで沈黙を守り続けているひたぎの登場も含めて次回の展開に期待。
・・・ところでTVアニメの放送形態が少し面白いことになっていて、次回がTV版最終回で残りはネット配信なんだとか。TVアニメ版で一旦オチをつける形になるんでしょうか? 配信時期は公開されてないようですけれど、やきもきしない程度に放送してくれると嬉しいですね(笑)
次回 化物語 第十二話 『つばさキャット 其ノ貮』

今回のエンドカードは西島大介さん提供。暦がよく分からない生き物に(笑)
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Entry ⇒ 2009.09.19 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (2) | Trackbacks (13)
化物語 第十話 『なでこスネイク 其ノ貳』 感想

人を呪わば、穴二つ。

今週のホイホイさん。
化物語 第十話『なでこスネイク 其ノ貳』。専用オープニングいいじゃないですか・・・(´∀`*) 撫子をイメージしたファンシーでラブリーで恋愛サーキュレーションな感じがGood!(意味不明)
作曲・編曲の神前暁さんもシャフトもさすがイイ仕事しまてますね?なんて思ってたら本編で結構な衝撃を受ける。いろんな意味で。

冒頭、忍野からの怪異の説明。今回の怪異の正体はやはり“蛇”が原因で、名称を“蛇切縄”というらしい。撫子は同級生の男子に告白され、断ったものの、その男子を好きだった他の女子の逆恨みを買い、当時中学生の間で流行っていた呪いを掛けられてしまった、と。しかし本来は未遂で終わるはずだった“おまじない”は、撫子が呪いを解こうとした事で逆に本物の“呪い”へ発展してしまった。その理由は、暦に関わった強力な吸血鬼が街を訪れた際、悪いモノの吹き溜まりになっていたあの神社で、その解呪を試みてしまったことにあったのでした。手順を間違ったうえ、運も悪かった・・・。結局、撫子は自分で自分の傷を深めてしまったという事ですね。

呪いが進行して危険な状態にある撫子を救うべく、忍野から教わった解呪を実行するために神社へと移動。手順さえ間違えなければ、あの場所は“蛇切縄”の存在を際立たせるから、かえって都合がいいらしい・・・っていうか暦が忍野の所に出掛けてる間ずっとあの格好(裸ブルマー)だったの撫子さん(^^; 近くにロリコンでレズな危険人物がいるというのに(笑)
道中の撫子の会話には暦が好きな気持ちが随所に込められていて、健気というか可愛らしい。それなのになんで告白を断ったの?ってどの口が聞くのかこの朴念仁。どこの主人公もこれだから困るね!(笑)ひたぎさんがいなかったのがホントに悔やまれますなあ・・・。

何か『なでこスネイク』でなぜ駿河が暦の相棒になっているのか理解できた気がする・・・。解呪の経過を見るために露出が多い服装をと聞いてバッチリスク水を用意してくる駿河さんさすがです(笑)
呪いを解くためには忍野からもらったお守りを握って、心の中で祈ればいいとのことですが。
『祈るって・・・何に?』
『何かに。多分、この場合は・・・』
『・・・わかった。頑張る。暦お兄ちゃん、ちゃんと見ててね。撫子のこと、ちゃんと見ててね』
っっとに健気だなぁあ!!(涙 ここの回想シーンとか、子供の頃から抱き続けていた暦に対する思いの丈が溢れるほど感じられて、切ないくらい・・・。やっぱりヶ原さんがいなくて良かったかも(ぉ

思ったより簡単に呪いの解除は成功したと思いきや、撫子の様子が何やら様子がおかしい。っていうか艶めかしすぎるでしょう常識(ry 今回やたら紙芝居のような止め絵が多いのですがこの辺りだけは演出効果が合っているというか・・・後半それどころじゃないんですけどね・・・。
撫子が急に苦しみ出した原因は、“蛇切縄”が一匹ではなく、二匹存在していたから。つまり、逆恨みした女子だけでなく、告白して振られた男子も撫子を呪っていたと・・・。
暦は撫子を救うために、忍野から止められた“蛇切縄”を引き剥がす行動に出る。結果、“呪い”は暦に向けられ、“蛇切縄”と対峙することに。・・・正直この辺りの瞳アップやカットの使い回し、黒白赤コマの入り乱れる様子や声優の声だけで状況を把握するような場面は演出というには苦し過ぎますね。制作もスケジュールが厳しくなっているのかもしれませんが、DVDで修正がかかる事に期待。というか修正されるでしょうねこのレベルだと。

劣勢にある暦を強引に押し倒して、“蛇切縄”をやり過ごそうと言う駿河。けれどそれは、残った“蛇”が呪いをかけた男子の許に返ってしまうという事に他ならない。暦としてはそれを防ぐために“蛇切縄”を抑えたかったんだけど、駿河は傷ついて死にそうになる暦を助けないわけにはいかなかった。
『阿良々木先輩!頼むから・・・助ける相手を、間違えないでくれ・・・』
呪いをかけた相手を救うために、暦は自分が傷つく事も死ぬ事も構わず相手に立ち向かっていく。けれど駿河は暦を死なせたくないから、彼を止める事を選んだ。“蛇”を逃がすことがどんな結果になるか分かっていても・・・。
自分は諦めきれず、抗おうとしたけれど、結果的に人間一人の命を駿河に選ばせることになってしまった。でも駿河はそんな暦の無謀に助けられたわけで・・・だから『立つ瀬がない』という事なのかもしれません。暦の行動は仕方なかった部分もあるとは思いますが、誰かを救うための行為が時に他者を傷つけてしまう一例として、特に『化物語』においては今回深いテーマを感じました。駿河に人間一人の命を背負わせてしまった罪。撫子を呪った相手を助けるためにとった行動を“偽善”と呼ぶには・・・ちょっと厳しすぎるようにも思えますけどね・・・。
(やめてくれ千石。お願いだから、“ありがとう”なんて言わないでくれ。お前からそんな事を言ってもらう資格はない。僕はあろうことか、お前を呪った人間までも、助けようとしていたのだから)

物語的にもかなり含むものがあったように思います。これまで行ってきた暦の人助けは忍野の力を借りるものであって、彼自身が直接的に誰かを救うわけじゃない。忍野がいつも口にする『力は貸すけど、自分は助けない。相手が勝手に助かるだけ』って一見無責任な台詞が至極真っ当に思えてきます。それは多分、忍野は出来る事、出来ない事、可能と不可能をしっかり弁えているからなんじゃないかなあと。
じゃあ自分から怪異に突っ込んでいって困っている人を助けようとする暦は間違っているのかと言えばそうじゃない。助かる可能性がある時点で救いの手を差し伸べるのを誤っているとは言えない。問題はその掛け値なしの優しさが逆に他に害を与える時や、自分の手に負える範疇を超えた時に起こり得る、自身や周りを傷つけてしまう行為が正しいと言えるのかどうか。・・・難しいですね。多分忍野がいなくなっても、暦は人を助けようとするだろうし、自分が傷つくような真似も行うことでしょう。結果、今回のように力及ばず、一人を救うために他の誰かを犠牲にしてしまうような事態も起こるかもしれない。
『でも忍野。僕はお前みたいにはなれないよ。僕は一割くらい吸血鬼。怪異そのものだからな』
自分が怪異の一部であるから忍野のような存在にはなれない・・・これって、自分の力で他人を救えない事へのジレンマを比喩しているようにも思えるんですよね。今回がハッピーエンドで終わらなかった事も意味深で、改めて暦のようなタイプの主人公について考えさせられました。でも、やっぱり『化物語』のストーリーは晴れ晴れとした気持ちで終わりを締め括って欲しいですね・・・。いろんな意味で異端な今回でした。
次回 化物語 第十一話 『つばさキャット 其ノ壹』

エンドカードはあきまん提供。久しぶりに人物画を見たような気がします(^^;
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Entry ⇒ 2009.09.12 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (4) | Trackbacks (11)
化物語 第九話 『なでこスネイク 其ノ壹』 感想

“蛇”に巻きつかれた少女。

まあ今回は本筋に入る前の導入編が主ですよね。前回で怪異を解決した阿良々木さんは駿河と山で仲良くデート・・・ではなくて、忍野に仕事を頼まれ山頂にある神社にお使いに来たのでした。恋敵だったはずの暦に駿河が懐いているのは、ひたぎとの関係にけじめがついたからというのもあるんだろうけど、深く考えるまでもなく駿河自身が暦を気に入ってるって事でいいんでしょうね。最近の阿良々木さんは主人公特有の軟派臭さがぷんぷんするなあとか思ってたらこれが結構伏線っぽかったり。
にしてもひたぎさん公認とは驚いた。他の女の子と仲良く一緒に出歩くなんて絶対許さないだろうとか思っていたものだからてっきり・・・。これも駿河とひたぎの仲あっての事ですかね。しかし暦が何かしたら山か海のどちらか嫌いな方で存在を抹消してあげると釘を刺すあたりやっぱり抜け目はないようで(笑)

辿りついた神社は使われてないどころか潰れてると言った方がいい状態。山頂に着いた途端に駿河の体調が崩れたのは、その後に見つけた“蛇”の儀式めいた惨殺死体が絡んでいるんだろうか。道中の階段で出会った女の子が、旧知である“千石 撫子”であった事を、すれ違った時点で暦は気付かなかったわけですが、
『もし僕が、もっと早く彼女に気付いていればこの物語はあんな結末にはならなかったのかもしれない』なんて冒頭の独白から察すると、また重いテーマを引き摺りそうな予感がします・・・。

『阿良々木君って、弱くて薄いのよね』
今回の日常パートは羽川さん担当。書店での暦と羽川さんの会話内容は、何というか、教え諭すという表現が相変わらずピッタリくる。ひたぎと付き合っているのに後輩の駿河と仲良くしすぎるのはどうかとか、ひたぎの心中をもっと察して行動するべきとか、女性心を解するに至らぬ阿良々木さんをしっかりしつけているというか何というか(^^; 突然キスのポーズをとって暦を困惑させるのは羽川さんの大人の余裕と受け取って良いものかな・・・。過去の経緯が不明瞭なだけにこの二人の関係はとっても興味深く映るんですよね。現在進行形なのかそれとも既に決着がついているのか・・・羽川さん自身が暦をどう思っているのかが。
帰り際に羽川さんが頭痛を引き起こしたのは撫子が現れたからなのかな? 駿河も神社で体調を悪くしていたし・・・今回の怪異のせいなのか、それとも今後の伏線なのかどっちだろう。

書店で撫子が探していたのは蛇に関する呪いの本。先日、神社への道中ですれ違った事と、その後見つけた蛇の儀式めいた死体・・・これに繋がる真実はたった一つ。現場の状況を考えて、駿河を伴って再び神社へ行き、着きとめた先にあったのは、今まさに蛇を殺そうとしている撫子の姿でした・・・。
撫子は暦の妹と友達で、家に遊びに来ていた頃に暦と面識があったらしい。・・・なんだか真宵とは違ってこう、直接的に暦が好きなフラグが立ってますなあ・・・妹属性に困らない作品とは思ってましたが真なるべきは撫子である事を今回確信致しました(笑)
いきなり家に連れ込んだと思ったら駿河もくっついてきたのでちょっぴり安心というか残念というか・・・微エロトークで場が和むのは嬉しいけどね!『男の子の部屋に入るのは初めてだ!・・・さて、それではエロ本でも探すか』って目をキラキラさせて有害図書を探索する女子高生が他にいるだろうか(笑)どうでも良いけどこの辺りのいろんな漫画家の画風って作者から許可とったりしてるんでしょうかね。相変わらず演出が幅広い(^^;

さて本題にして今回の視聴率は間違いなくここに集中していると思って間違いない撫子の裸ブルマーシーン・・・って本題はそこじゃなくて、撫子の体に変異を及ぼしてる怪異の正体についてなんですが、そんなものどこかに吹き飛ぶくらいのインパクトな絵面のは言うまでもない(笑) とりあえず外人4コマをオマージュした駿河のガッツポーズやらたまたま持っていたブルマを貸したとかアンタいつもそんなモン持ち歩いてるんですかとか突っ込みどころ満載なんですが、とにかくいろんな意味でとにかく危険極まりないな・・・!(意味不明)
『いやだよ・・・助けてよ暦お兄ちゃん!』
はっきりしたのは蛇の怪異が撫子を苦しめているという事なんですが・・・撫子が神社で行っていた蛇殺しは一見すると逆効果というか、事態を解決する方向とは相反してるように思えるんですが、今回の怪異にはどんな事実が隠されているんでしょうか。気になる次回『なでこスネイク』完結編、其ノ貳へ続きます・・・。
次回 化物語 第十話 『なでこスネイク 其ノ貳』

第9話エンドカードのイラスト提供は今日マチ子先生。温かみのあるタッチがステキです(^^)
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Entry ⇒ 2009.09.05 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (2) | Trackbacks (13)
化物語 第八話 『するがモンキー 其ノ參』 感想

するがモンキー編、完結。

今更ですが冒頭の高速字幕ってお話の核心について触れてるんですね。初見でアレはまず読めませんが、一度見終わってから確認させる事でストーリーを補完させる意味合いも兼ねているのかなーとか思ったり。
そして今回やっぱり来ました“するがモンキー”専用オープニング。
沢城さんの歌声って初めて聞きましたけどこれはいいものだ・・・!まさにキャラソン要らずのアニメですね(笑)しかし映像の内容は何というかその・・・百合百合っていうかそのまんま百合の花全開なのは良いとして、最後にひたぎにチョンパされちゃうのは届かない想いをイメージしてるんだろうか。なかなか見ないオチのOPだなあ・・・。

前回のラストで明らかにされた怪異の正体、「レイニーデヴィル」について。猿の手だと思っていた“それ”は、駿河が子供の頃に亡くなった母親から託されたもので、小学生だった駿河は一度だけ願い事を掛けたことがあるらしい。転校したばかりでクラスに馴染めなず、また足が遅いことで同級生からからかわれていた駿河が、運動会の徒競争を機会に皆に認めてもらえるよう“足が速くなりたい”と神頼みに願うのは、別段不思議なことじゃない。しかし“その手”は、同じ日に走るはずだった同級生に怪我をさせるという予想もしなかった方法で駿河の願いを叶えてしまう。
悲劇的な結果と引き替えに願いを叶えるイギリスの小説「猿の手」に行き当った駿河は、その“ミイラの手”が同じ効力を持つものと考え、一度目の願い事をキャンセルする事もできず、ただ足が早くなる事に努力した。願い事が“猿の手”によって叶えられる事の無いように。俊足である今の駿河が陸上部に入らず、バスケットボール部に属しているのは、自分より足の速い人間が“願いごと”の効力で傷つくことを恐れたため・・・。
見るからにアスリートで、ひたぎが好きなのに、何故バスケ部に所属していたのかいまいち掴めなかったのですが、この一連の回想で違和感の一つは解消されました。もっともまだ裏があるわけですけれど・・・。
子供の頃から“猿の手”と共に在り続けた駿河が、どんな辛い時でも、ひたぎに拒絶された時でさえも願おうとしなかったのは、事件のトラウマと、その効力を知っていたからこそだったのでしょうけど、駿河自身が持ち合わせていた芯の強さもあったのでしょうね。そんな彼女が心を折ってしまったのは、暦がひたぎの傍にいる事を知ってしまったからに他なりません・・・。

『戦場ヶ原先輩の傍にいたい』
忍野曰く、駿河の手に憑いたものは“猿の手”ではない。つまり、猿の手のように本人の意に沿わない形で願いごとを叶えるような事はしない。“猿の手”の正体である“レイニーデヴィル”は下級悪魔にせよ、契約は本人の意思に伴って実行される・・・なら行き着く答えは只一つ。
徒競争で足が速くなりたいと願ったはずなのに同級生が傷ついたのも、ひたぎの傍にいたいと願って暦が殺されかけたのも、全ては駿河自身が心の奥で望んでしまっていた事であると・・・。
冒頭の字幕ではしっかりレイニーデヴィルについて説明されてるんですよね。願い事の中にある無意識の暗い願望、願いの裏を読みとり、見抜き、その願いを叶えるごとに契約者の魂と肉体を蝕んでいく。そして三つの願いを叶えたその時に契約した人間の生命と肉体を奪ってしまう悪魔だそうな。低級にせよ何にせよ、人の心の弱い部分につけ込む性質やその願いの叶え方に“悪魔”というしっかりとした説得力はあります。
『傍に居たいだけ?・・・笑うねえ阿良々木君はホントに優しいよねぇ。優しくて胸がムカツクね』
無意識にせよ、なぜ同級生が傷ついたかを駿河は分かっていた。けれど自分で認めたくないから、“猿の手”という小説の解釈を求めて、ミイラの手が“猿の手”で、願いは自分の意思の預かり知らないところで起こった事と思い込もうとした・・・。今回のテーマの一つは人間が持っているネガティブな部分にあるのかもしれませんね。嫉妬や憎しみなんかの暗い感情は誰もが持ち合わせているもの。それらを曳きあいにして描かれる伝奇モノやホラーストーリーって救いようのない話だったり悲劇的な結末だったりが多いですが、やはり最後に救いはあってほしいものです。

『生きてりゃ、誰かを憎むことくらいあるだろうさ。殺されるのはそりゃあご免だけれど、神原が戦場ヶ原に憧れてたっていうのが僕を憎む理由だっていうのなら、別に許せるしさ』
自然体で誰かを助けようとする“胸がムカツクくらい良い人”な主人公の阿良々木さんですが、ダークな裏設定があってなお、それを解決するアンチが存在するから『化物語』は面白い。ありがちというよりは他の主人公に比べて親近感を感じるのは私だけでしょうか。
阿良々木 暦が裏の願い通りに殺されることなく、神原駿河の左腕を切り落とすこともなく解決を望むには、悪魔の契約を不履行にする事が必要で、悪魔が願いを果たせなければ駿河の願いも無効となり、悪魔は駿河から離れていくという寸法。レイニーデヴィルに挑む前に、暦が忍に血を吸わせたのは、彼が吸血鬼だった頃の力を引き出すためだそうだけど、これがまた前日譚の内容が気になる描写で・・・。語れないから想像できる楽しさもありますが、やっぱり読んでみたいです『傷物語』(^^;

『化物語』はじまって以来のガチバトル、悪魔退治の開始。何というかリアルにグロくて良く動いて阿良々木さんフルボッコな内容でした・・・。飛び出た腸を掴んでブン投げられたりとかもうね。着色に赤を使わなかったシーンは修正されるような気がしないでもないけど、演出としてあのままであってほしい(^^;
言葉ではひたぎを諦めるような事を言っても、襲い来るのは悪魔ではなく駿河自身。諦めきれずに憎い恋敵を容赦なく痛めつけるのは深い愛があっての業か・・・。もうどうにもならないってところに戦場ヶ原さん登場。忍野が暦から預かった携帯で呼んだそうだけど、自分や忍は助けに入る事はないと言っても他の誰かが来るとは言ってなかったですねそういえば・・・。
暦が悪魔を圧倒して、駿河の裏の願いの成就を不可能にしてしまうのが一つの方策であるとするなら、暦が駿河に殺されかけている事をひたぎに知らせることで、表の願いの成就を不可能にしてしまう事もまた一つの方策。
駿河が暦を殺してしまえばひたぎは駿河を殺す。暦を殺すことはそのまま契約者の死に繋がってしまうから、結果的に暦に手が出せずに悪魔は手を詰んでしまうと。まあこっちは深読みで、表の願いの成就が達成できなくなるのが本意なのでしょう。

『私は、戦場ヶ原先輩の事が好きで・・・』
『そう。私はそれほど好きじゃないわ。それでも傍にいてくれるのかしら。・・・いっぱい待たせて、ごめんなさいね』
暦の存在を抜いて考えれば、「戦場ヶ原先輩の傍にいたい」という願いが“表の願い”で、「戦場ヶ原先輩と結ばれたい」という事が“裏の願い”なんでしょうけど、この場合は表の願いが叶って裏は叶わなかったという事ですか・・・。皮肉でいて切ない気持ちになりますが、あるべき形に落ち着いたというところでしょうか。
直接は助けない、力を貸すだけ、後は勝手に君が助かるだけだって忍野の言葉どおりの展開ですが、暦とは違う部分で“良い人”を感じますね、忍野には。理想に走らないリアルが伴ってるところがまた魅力なのかも。まあ何にせよ、今回散々苦労した阿良々木さんにはご苦労様でしたの一言。暦の行動があったから、駿河はひたぎとの絆を取り戻せたと思いたいですね。当初の予想より爽やかに締め括ってくれて良かったです・・・。
来週から新章突入。蛇絡みの怪異のお話になるのでしょうか。新ヒロインの登場に期待。
次回 化物語 第九話 『なでこスネイク 其ノ壹』

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Entry ⇒ 2009.08.29 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (5) | Trackbacks (5)
化物語 第七話 『するがモンキー 其ノ貳』 感想

“猿”に願った少女。

本編冒頭は前回の続きから。突然現れた“怪異”にボコボコにされて瀕死状態な阿良々木さんと「忘れ物」を届けにきたひたぎさん。自転車をこいでいたら電柱に激突したなんて無茶な言い訳は、ひたぎを心配させないためって理由もあるかもしれないけど、やっぱり怪異の正体を知った上で察したってところでしょうか。それにしてもこの状況で慌てず騒がず動じずに、瀕死の阿良々木さんの真上に立って“大サービス”を披露してくれるひたぎさんアンタやっぱり只者じゃないよ!(笑)
『動けるようになるまで幸せな気分でいなさいな』ってこの場面で普通の女の子がとれる行動じゃないよね・・・まあ『化物語』にフツーの人なんて存在しないんでしょうけど(^^;

性格的に一般常識と良識のある“普通の人”に一番近いのは、主人公としてスタンダードなのかもしれないけど、だからこそあのツッコミ役と掛け合いが成り立つのかもしれない。自分に重傷を負わせた相手の許に自ら訪ねるなんて“普通の人”の行動の範疇ではないのかもしれませんが。困った人を見捨てられない暦の個性は、やっぱり前日譚が今の彼に影響しているからなんでしょうか。
そして今回彼に救われる立場にある神原駿河。
『よく知らない女の子の部屋に入るのに躊躇する阿良々木先輩の繊細さには素直に感じるが、今はそんな場合でもないだろう』
・・・なんかちょっと言動に引っ掛かる部分があるなあと思ったら文法の間違いとかそんなんじゃないよね(笑) “感じる”って何にどう感じるんですか神原さん!?散らかってるってレベルじゃない部屋なんかよりずっと気になります(^^;
今回のお話で特徴的だったのは、これまで事件の終盤に明かされていた各ヒロインが抱え込む“重いエピソード”を前編に持ってきたって事かな。暦の予想通り自分を襲った怪異の正体は神原で、その理由もほぼ語られているんですが、この前提があって解決への展開や道のりが映えるというか。神原駿河って人間性が序盤で明かされるから感情移入しやすいんですよね。またこれがドてらいキャラクターだったりするんですが(笑)

“蟹”の怪異に遭ったひたぎを助けようとするも拒絶され、離れる事がひたぎを救う事に繋がるのならと身を引いた神原。しかし暦によってひたぎの怪異は取り除かれ、あろうことか今までにない笑顔を彼に向けている、敬愛
してやまなかった先輩・戦場ヶ原ひたぎの現状。
暦に嫉妬し、ひたぎに失望し、そんな自分に絶望し、神原は“猿の手”に願いをかけ、今に至ると・・・事のあらましはこんなところでしょうか。“猿の手”自体はこれまでの“蟹”や“蝸牛”の怪異に比べれば割とポピュラーですけど、真実はそこにはないっていうのはまたらしいと言えばらしいのか。取り合えず暦にその“手”を触れられてえろい声を出す沢城さん素晴らしい(笑)
『じゃあいよいよ本題に入らせてもらおうと思う。・・・私はレズなのだ!』
猿の手は要因であって原因ではなくて、自分自身のひたぎへの想いこそが事件に起因していると・・・しかしド直球なカミングアウトですな(笑)今回所々に見られた赤塚不二夫先生ライクな阿良々木さんの百面相は「追悼 赤塚不二夫展」を意識したものでしょうか(^^;
阿良々木さんを襲ったのは神原本人である事は当人も自覚しているけど、記憶は曖昧らしい。神原が『戦場ヶ原先輩の傍にいたい』という願いの延長で暦が襲われたとなると、願いの叶え方に胡散臭いものを感じます。まあこの辺りは終盤で明らかになる事実に絡んでいるんですけれど・・・。

重い想いが打ち明けられた後はいつもの掛け合いトーク。しかしいつにも増して高難度な(^^;
えーと戦場ヶ原先輩の体が目当てなら自分が代わりになれるからいつでも“攻め”を受け切る自信があるって話から“攻め”ד受け”でBLの話に発展して、神原のスパッツの下が穿いてるのか穿いてないのかの追求へ・・・どうでもいいけどスパッツの話に喰いつき過ぎですよ阿良々木さん!(笑)後輩の女の子と咲かせるトーク内容じゃないよねコレw
『誰かが誰かの代わりになんて、なれるわけがないし、誰かが誰かになれるわけなんかねえんだよ。・・・いくら好きでも、いくら憧れても』
『・・・そうだな。阿良々木先輩の言うとおりだ』
変態トークに盛り上がっても最後は主人公として落とし所は弁えてるんだよね・・・。暦の言う事はその通りで、神原に残された救いはひたぎとの和解しかあり得ないと思うけれど・・・何だか切ない。

怪異解決のためにやってきた忍野メメの住んでいる廃ビルの中で階段に佇む“吸血鬼の残りカス”、忍野忍。よく考えたら今まで一度も喋ってないんですよね。『化物語』本編で平野綾さんの声が聞けるのはいつになるんだろう。それにしても忍にまで食指が動く神原さんは女の子じゃなかったら大変危険な人物に映りそうなんですがどうでしょう(笑)いや女の子でもヤヴァイか・・・レズでロリコンの露出狂ってだけでかなり危ないなあ(笑)
メメが登場すると日常パートは終了して非日常の世界へ突入。見た目の割に“遊び”のないキャラクターだな?ってつくづく思います。実際怪異に対するアドバイザーって役割なんでしょうけど・・・。
そのメメ曰く、神原の左腕に憑いているのは“猿の手”ではなく“悪魔”だという事が判明。
“レイニーデビル”ってどこかで聞いたような名詞ですね・・・雨合羽姿の殺人鬼ってふと思い浮かびましたがどこかの映画でそれらしいものがあったような無いような。
『猿の手じゃない。悪魔の手だ。そりゃ何でも叶えてくれるさ。だって、魂と引き換えなんだから』
魂と引き換えに願いを叶えるとか、神原がひたぎの傍に居たいと願ったから暦を殺そうとしたなら、いかにもそれらしいって感じですけど、これまでの日本の迷信、言い伝えからくる怪異とは打って変わって西洋の悪魔のイメージがちらついてきました。
暦の場合は吸血鬼だったから違和感はないんですが、これまでの解決策とは異なる展開が見られそうですね。緊迫感が漂ってきた雰囲気の中で今回は終了。次回が気になる引きも流石だなあと時計を見たらあっと言う間に時間が過ぎてました。相変わらずストーリーに引き込まれますね?『化物語』。次で『するがモンキー』は終了するそうですが、ラストはぜひ専用OPで迎えてくれることを期待!

第七話のエンドカードはコゲどんぼ先生?全然分かりませんでした・・・。
次回 化物語 第八話 『するがモンキー 其ノ參』
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Entry ⇒ 2009.08.22 | Category ⇒ [アニメ]化物語 | Comments (2) | Trackbacks (7)
化物語 第六話 『するがモンキー 其ノ壹』 感想

悩める主人公の受難。

化物語の新エピソード『するがモンキー』の始まりです第6話。前回のラストで分かっていた事とはいえ、真宵の引き続いての登場はやっぱり嬉しいですね。ひたぎさんは他のエピソードでも深い部分まで絡んでくるようですけれど、真宵は暦との掛け合い専任なのかな?故意なのかと思ったらそうでもない舌っ足らずな口調で絡んでくる様子は何とも微笑ましい(笑)
でも周りから見たらこの一連の掛け合いは阿良々木さんの奇行にしか見えてないんですよね・・・真宵が幽霊だってことを忘れてしまいそうです(^^; そういえばオープニングは「ひたぎクラブ」のものが使われいましたが、「するがモンキー」バージョンも用意してあるんですよね?次回はきっと専用OPが見られるものと信じてます。

今回登場『するがモンキー』のメインヒロイン「神原駿河」について。バスケ部のエースで知らない人はいないくらいの有名人、見た目や口調もボーイッシュな女の子だけど、サッパリした性格で先輩への敬意も忘れない(少し仰々しいくらい)爽やか少女ってイメージ。ちなみに声は沢城さんとハマリ役。
一見(あまり)問題なさそうですが、いわくあり気な包帯に巻かれた左手と、あのひたぎの中学生時代の後輩だったという部分は引っ掛かりますね。暦を追いかけてきたのも意味のないネタ振りも、ひたぎの事を聞きだす口実だったようですし。・・・しかし左手に注視していると見せかけて全身を舐めまわす阿良々木さんの無遠慮な目線は何ともけしからんです(笑) まあ有名人である神原の“女の子”を自然に感じ取ろうとしてしまうのは健全男子としては仕方が無いこと・・・なのかな(^^;

阿良々木さんが“攻略”したひたぎさんとの勉強風景。真宵が想像していたと思われる恋人同士の閉鎖空間など生まれるわけもなく、容赦ない毒舌ぶりと悪意無き(?)暴言に打ちひしがれる阿良々木さんの姿がそこにはありました(笑)
しかし言葉の抑揚なくツンとデレが発揮されるこのキャラを一様にツンデレと呼ぶにはやっぱり無理がありますね・・・かといってデレのない“ツンドラ”と評するには眩しすぎる、告白時や「ひたぎクラブ」終了時に見せたあの笑顔。一言では表せない魅力が「戦場ヶ原 ひたぎ」という女の子には詰まっているんだと思います。ヤンデレ属性もその魅力の構成要素に含まれているのは言うまでもありません(笑)

本題は神原駿河とひたぎの関係。元々中学生時代から先輩後輩の間柄で、駿河からは憧れの先輩として懐かれていたらしい・・・“蟹”の件でひたぎが駿河を突き放すまでは。『阿良々木君と似たような対処をとらせてもらったわ』ってあのホチキスによる口封じと同じような行為に及んだって事!? あんまり想像したくない光景が脳裏に浮かぶ・・・。暦はその後でもひたぎを助けようとしたけれど、駿河はそのまま去ってしまったという所が今回起こる事件に起因する部分なんでしょうか。
ひたぎが事件のせいで捨てたもの、失ったものを取り戻してあげたいと願う暦には素直に好感持てますが、羽川さんの言うように、節度を守って行動するというのは当然念頭に置くべきことでしょう。ひたぎ本人が割り切っている過去や、プライバシーに無暗に踏み込んでいいのかはまた別問題でしょうし。
話は逸れますが、暦の良い相談役になっている羽川さんについて、現状どんな立場にあるのかが最近気になってきました。化物語が始まってから暦と知り合っていて、怪異にも巻き込まれた節は感じられましたけれど、今は気兼ねなく話せる友人同士という関係なんですよね、おそらく。でも、ひたぎの事件から過程を経た現在を考えると、暦とは本当に友達関係の感情しか持ち合せていないのかな?と疑問にも思うわけで。暦からの電話を受ける時の表情なんかを見ると勘ぐってしまうんですよね(^^;
軽く勉強してただけって言いつつ羽川さんが外に出歩いていたのは、前回、暦が触れていた家庭環境に不和を抱えているという事に繋がっているようにも思えますし、まだ“羽川翼”の物語は終わっていなくて、今も延長しているんじゃないだろうかと期待にも似た想像をしてしまう訳であります。化物語の前日譚『傷物語』には羽川さんが遭遇した怪異のエピソードが語られているそうですが、暦と最初に出会った経緯に興味は尽きません。機会があれば読んでみたいですね。

そんなこんなで思い巡らす日常パート。“怪異”と名のつく事件は起こらないまま今回は終了するのかと思いきや、“非日常”というものは突然やってくるのでした・・・。
羽川さんとの電話を終えて、帰路につく暦の前に現れたフード姿の不審人物。
ふと一瞥するやいなや顔がひしゃげるほどのパンチを喰らって吹っ飛ぶ阿良々木さん・・・普通の人間なら即死ものでしょうこれ(汗 今まで怪異と呼べるものはあっても、直接的に危害を加えるものは無かったから全く油断してました。左手に包帯を巻いている所を見ると誰なのかはすぐ想像がつきますが・・・とにかく急展開にビックリです(^^;
『阿良々木君・・・』
『よお・・・ご無沙汰』
『忘れ物、届けにきたんだけれど』
今にも死にそうな恋人を前にして封筒を差し出すひたぎさん・・・いやまずは何があったのか聞こうというか少しは驚こうよ!(笑) “らしい”といえばらしいけど(^^;
何とも気になるところで今回は幕引き。あの怪人物の正体が駿河だとしたら、ここまでこっ酷く暦をしばき倒す原因はひたぎに関わっているとしか思えませんが・・・神原駿河という人物の裏背景や今回の怪異の謎、次回に続く展開が気になります・・・。

第6話のエンドカードは衿沢世衣子先生より。『メフィスト』や『パンドラ』で連載されていた繋がり?
次回 化物語 第七話 『するがモンキー 其ノ貳』
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