藤田和日郎先生の作品は、やっぱり面白い。
先日ニコニコ動画を見ていたら発見した藤田和日郎先生の漫画原作のアニメ。
これを見ていたら、藤田先生の作品って面白いなぁ・・・と改めて実感しました。

今回紹介するのは、「からくりの君」。
2000年3月に発売されたOVAで、原作である漫画は週刊少年サンデー1998年47号が初出。
藤田和日郎短編作品集『夜の歌』に収録されている作品です。
初めに言っておきますと、月並みですが「万人向け」ではありませんw
人それぞれの評価もありますが、それはそれとして、藤田先生の漫画に多いグロイ描写がそのまま再現されているので、それ系がダメな方にはお勧めできませんね^^;
それだけに再現度も高いのですが^-^;
個人的にはよくここまで藤田和日郎の漫画を表現できたなぁ・・・と。間違いなく傑作であると思います。
作品名からも分かるとおり、藤田先生の代表作の一つ、「からくりサーカス」に通じている、また原型となった部分がいくつも見られることも特徴です。
「うしおととら」を読まれた方は覚えがあるかもしれませんが、若い女性の心臓を動力とする「畜生からくり」と呼ばれる妖が登場したことがありましたね。
近作でも子供の生皮をバネとして動く生き人形が出てきますが、「からくりサーカス」のオートマータより全体的にこちらのイメージが強いかもしれません。
もともと、うしとらで人形の妖を出して興味が湧いて調べているうちに、今作や「からくりサーカス」に連なる「人形を題材とした物語」の構想を思いついたそうですから・・・^^;
懸糸傀儡の元になったであろう文渡蘭菊(あやわたりらんぎく)の操る絡繰人形。
違いとしては、こちらの人形は両手と両足の指を使って人形を繰ることでしょうか。そのため人形の操作中は動けず、供の睚弥三郎(まなじりやさぶろう)に援護してもらいながら戦うシーンが特徴的でした。また、両手両足を使って座り込んで操作するため、着物を着た恰好ではちょっとアブナイシーンがちらほら・・・^^;


それもまた藤田先生の作品の特徴・・・でもありますがw
また「からくりサーカス」で登場した懸糸傀儡「あるるかん」の技の一つ、「コラン」を使うシーンもあります。
他にもオートマータの元かと思われる自律する機械人形や、からくりサーカスでの鳴海と同じように機械人形の体と一つになった人間などが登場。
人物名にも、からくりサーカスの敵、フェイスレスの仮の名前の一つ才賀貞義の名と同じく、狩又貞義(かりまたさだよし)という敵が存在。一層「からくりサーカス」との関連性を感じます。
とにかく、「からくりサーカス」を読んでいたらニヤリとする場面が多くありますね^^
ストーリー
時は戦国時代。悪大名・狩又貞義が擁するという「死なずの忍び」の秘密を追っていた下忍、睚弥三郎は、蘭菊という少女と出会う。人と見まごうほど精巧なからくり人形を操る彼女は、狩又貞義に家を滅ぼされた文渡の姫君であった。父の仇を討ち、家から奪われたからくり人形を封じるために旅をする蘭菊は、仇討ちの助っ人として当代随一の忍、鳶加藤を探していた。
成り行きから蘭菊と行動を共にすることになる弥三郎。蘭菊の世間知らずな行動に戸惑いながらも、共に戦ううちに、その心の裏にある悲愴な想いと覚悟を知ることになる・・・。
まずアクションシーン。文句ありません。躍動感ある原作の戦闘シーンをアニメーションで再現したら、そのままこうなったのではないかと。飛び散る血飛沫や残酷表現もそのままです^^;


次に藤田先生独特のキャラクターの人物像。恐怖の顔、怒り、悲しみの表情、そしてなんと言っても狂気に歪むニンゲンの貌・・・。




よく表現できたと感心しました。「うしおととら」、「からくりサーカス」などの漫画を知っている方ならご存知かと思いますが、どの作品にもイカれているとしか思えない人物が登場しますよね^^; アレがそのまま出てきます。
人形を繰りだすヒロイン、文渡蘭菊(あやわたりらんぎく)を矢島晶子、雇われの忍であり蘭菊の供、睚弥三郎(まなじりやさぶろう)を若本規夫、敵の首魁、狩又貞義を中田浩二が演じるなど・・・
アニメ版の声優が豪華なのも特徴ですね。




睚弥三郎(まなじりやさぶろう)役の若本規夫さんの主人公役は意外に?カッコよくてステキですw
それと蘭菊姫役の矢島晶子さんが見事にハマってらっしゃるw 強いけど守ってあげたい、凛としているけれど弱くて幼い一面もある・・・イメージにピッタリでした^^
独特の世界観、強くて魅力的な主人公、ヒロイン。
物語を巡る人物達とそれを描く多彩な表情、藤田和日郎作品の特徴の一つである狂気にはしる人物の描画やナレーションの語りに至るまで、全てが完全に藤田ワールドです。
私がニコニコ動画で見た当時にタグにあった「あなたの人生の時間を確実に奪います」。まさにその通りでした。それは実際に私の人生の40分弱の時間を削っていきましたが、決して無駄ではありません。一度見たら途中ではやめられない「藤田和日郎の世界」に引き込まれるものがありましたから・・・。要は見て損はないということですね^-^
このスタッフで「うしおととら」を再アニメ化してほしいと思うのは私だけでしょうか・・・;;
現在週刊少年サンデーで、藤田和日郎新連載として月光条例が連載されています。昔話の物語のキャラクターが人間たちの世界に現れて・・・と、独自の世界観は失われていません。人の感情の独特な表現も健在です。
このブログで毎週感想などを書いておりますので、興味がある方は見ていただけたらと思います。


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これを見ていたら、藤田先生の作品って面白いなぁ・・・と改めて実感しました。

今回紹介するのは、「からくりの君」。
2000年3月に発売されたOVAで、原作である漫画は週刊少年サンデー1998年47号が初出。
藤田和日郎短編作品集『夜の歌』に収録されている作品です。
初めに言っておきますと、月並みですが「万人向け」ではありませんw
人それぞれの評価もありますが、それはそれとして、藤田先生の漫画に多いグロイ描写がそのまま再現されているので、それ系がダメな方にはお勧めできませんね^^;
それだけに再現度も高いのですが^-^;
個人的にはよくここまで藤田和日郎の漫画を表現できたなぁ・・・と。間違いなく傑作であると思います。
作品名からも分かるとおり、藤田先生の代表作の一つ、「からくりサーカス」に通じている、また原型となった部分がいくつも見られることも特徴です。
「うしおととら」を読まれた方は覚えがあるかもしれませんが、若い女性の心臓を動力とする「畜生からくり」と呼ばれる妖が登場したことがありましたね。
近作でも子供の生皮をバネとして動く生き人形が出てきますが、「からくりサーカス」のオートマータより全体的にこちらのイメージが強いかもしれません。
もともと、うしとらで人形の妖を出して興味が湧いて調べているうちに、今作や「からくりサーカス」に連なる「人形を題材とした物語」の構想を思いついたそうですから・・・^^;
懸糸傀儡の元になったであろう文渡蘭菊(あやわたりらんぎく)の操る絡繰人形。
違いとしては、こちらの人形は両手と両足の指を使って人形を繰ることでしょうか。そのため人形の操作中は動けず、供の睚弥三郎(まなじりやさぶろう)に援護してもらいながら戦うシーンが特徴的でした。また、両手両足を使って座り込んで操作するため、着物を着た恰好ではちょっとアブナイシーンがちらほら・・・^^;


それもまた藤田先生の作品の特徴・・・でもありますがw
また「からくりサーカス」で登場した懸糸傀儡「あるるかん」の技の一つ、「コラン」を使うシーンもあります。
他にもオートマータの元かと思われる自律する機械人形や、からくりサーカスでの鳴海と同じように機械人形の体と一つになった人間などが登場。
人物名にも、からくりサーカスの敵、フェイスレスの仮の名前の一つ才賀貞義の名と同じく、狩又貞義(かりまたさだよし)という敵が存在。一層「からくりサーカス」との関連性を感じます。
とにかく、「からくりサーカス」を読んでいたらニヤリとする場面が多くありますね^^
ストーリー
時は戦国時代。悪大名・狩又貞義が擁するという「死なずの忍び」の秘密を追っていた下忍、睚弥三郎は、蘭菊という少女と出会う。人と見まごうほど精巧なからくり人形を操る彼女は、狩又貞義に家を滅ぼされた文渡の姫君であった。父の仇を討ち、家から奪われたからくり人形を封じるために旅をする蘭菊は、仇討ちの助っ人として当代随一の忍、鳶加藤を探していた。
成り行きから蘭菊と行動を共にすることになる弥三郎。蘭菊の世間知らずな行動に戸惑いながらも、共に戦ううちに、その心の裏にある悲愴な想いと覚悟を知ることになる・・・。
まずアクションシーン。文句ありません。躍動感ある原作の戦闘シーンをアニメーションで再現したら、そのままこうなったのではないかと。飛び散る血飛沫や残酷表現もそのままです^^;


次に藤田先生独特のキャラクターの人物像。恐怖の顔、怒り、悲しみの表情、そしてなんと言っても狂気に歪むニンゲンの貌・・・。




よく表現できたと感心しました。「うしおととら」、「からくりサーカス」などの漫画を知っている方ならご存知かと思いますが、どの作品にもイカれているとしか思えない人物が登場しますよね^^; アレがそのまま出てきます。
人形を繰りだすヒロイン、文渡蘭菊(あやわたりらんぎく)を矢島晶子、雇われの忍であり蘭菊の供、睚弥三郎(まなじりやさぶろう)を若本規夫、敵の首魁、狩又貞義を中田浩二が演じるなど・・・
アニメ版の声優が豪華なのも特徴ですね。




睚弥三郎(まなじりやさぶろう)役の若本規夫さんの主人公役は意外に?カッコよくてステキですw
それと蘭菊姫役の矢島晶子さんが見事にハマってらっしゃるw 強いけど守ってあげたい、凛としているけれど弱くて幼い一面もある・・・イメージにピッタリでした^^
独特の世界観、強くて魅力的な主人公、ヒロイン。
物語を巡る人物達とそれを描く多彩な表情、藤田和日郎作品の特徴の一つである狂気にはしる人物の描画やナレーションの語りに至るまで、全てが完全に藤田ワールドです。
私がニコニコ動画で見た当時にタグにあった「あなたの人生の時間を確実に奪います」。まさにその通りでした。それは実際に私の人生の40分弱の時間を削っていきましたが、決して無駄ではありません。一度見たら途中ではやめられない「藤田和日郎の世界」に引き込まれるものがありましたから・・・。要は見て損はないということですね^-^
このスタッフで「うしおととら」を再アニメ化してほしいと思うのは私だけでしょうか・・・;;
現在週刊少年サンデーで、藤田和日郎新連載として月光条例が連載されています。昔話の物語のキャラクターが人間たちの世界に現れて・・・と、独自の世界観は失われていません。人の感情の独特な表現も健在です。
このブログで毎週感想などを書いておりますので、興味がある方は見ていただけたらと思います。
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この記事へのコメント
コメントありがとうございます^^
>sajiさん
ほんとに40分すかっと持っていかれますよねw
若本さん主人公役はまってましたね~カッコイイ若本さん
久しぶりにみましたw
>sajiさん
ほんとに40分すかっと持っていかれますよねw
若本さん主人公役はまってましたね~カッコイイ若本さん
久しぶりにみましたw
貴重な睡眠時間40分削ったかいがありました^^
戦闘シーンよく動くので スゴイカッコ良かったですし( ゜∀゜)
若本…w
カッコいいYO!!(笑
戦闘シーンよく動くので スゴイカッコ良かったですし( ゜∀゜)
若本…w
カッコいいYO!!(笑
>そぺさん
最初40分・・・って迷ってしまいましたけれど、見たらあっという間でしたw こんな作品がまた出てくれないかなぁ・・・。
若本さんのカッコヨサは異常ですね^^
最初40分・・・って迷ってしまいましたけれど、見たらあっという間でしたw こんな作品がまた出てくれないかなぁ・・・。
若本さんのカッコヨサは異常ですね^^
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URL :
- saji - 2008年05月22日 13:25:42
藤田先生の世界観がしっかり出てましたね。
四十分あっという間でしたw
若本さんカッコよすぎるww