とらドラ! 第16話 『踏み出す一歩』 感想
とらドラ!第16話 『踏み出す一歩』より感想です。
『本当は、生徒会長に当選して、会長が俺の事を認めてくれたら、その時に告白しようと思ってたんだ。だけど生徒会長になる頃にはあの人はもういない。だったらなる意味なんてないんじゃないかって、そう思ったら・・・。何もかもやめたくなって、壊したくなって・・・』
北村の生徒会長にならないためのグレた行動の全ては、留学してしまう会長への想いが叶わないことへのわがままからだったんだけど、竜児がそれを知って北村をぶん殴ってやろうとする行動や、分かりきった自分への情けなさを吐露する北村を見るあたり、等身大の少年としての『北村像』が出ていた気もしますね。
もっとも北村だけじゃなく、竜児や大河、会長も含めて周りの人間全てが思い悩む少年少女だったわけですが。ある一人の“絶対者”なんてものは存在しなくて、それぞれが悩みを持って生きてる青春群像劇な雰囲気が感じられた今回。
大河にとってかけがえのない人が北村だったように、北村にとっての絶対者は狩野会長だったわけで・・・。
大河に告白して振られる北村、以前はその時の北村の感情なんて考えてもみなかったけど、今回の実はものすごく落ち込んでいたっていう北村を見ても、また彼の人間性も見えてくるんじゃないかな。
振られて落ち込んでいた、そんな自分に希望を与えてくれた狩野会長を好きになって、生徒会長になって告白しようと思っていたら、その人は海外に留学してしまうという。北村が大河だったら、きっと同じようなことになっていたのかもしれない。一歩先に進んでいるんじゃなくて、大河と同じ位置に立っていた北村を思うと、大河→北村→狩野会長と後を追うこの関係がますます意味を持ってくる。
北村にとっての大河が『仲良くなれて嬉しかった』で、大河にとっての北村は自分の全てを変えてくれた人っていう認識の違いと、北村の心には既に狩野会長がいるってことが決定的に近づけない二人の関係を表していたんだけど、今回はそれがはっきり結果として出てしまった事は、ちょっと切なかったですね・・・。
生徒会長選挙演説会の日、意を決して会長に想いを告げる北村。でもその返事は返ってくることはなく・・・。
北村の友人として、告白に答えない会長を問い詰める竜児。でも竜児ができるのはそこまでで、それ以上狩野すみれを追っていくためには、北村のためを想って行動するアグレッシブな“何か”が必要だった。
『お願い、竜児。北村君の傍に今はいてあげて。私じゃだめなの。私じゃ傍にいてあげられないの・・・。私は大丈夫。大丈夫だから・・・。北村君の所に行ってあげて』
竜児は友達として北村に対して怒ったり、傍にいてあげることができるけど、大河は竜児のように北村に接してあげることはできない。そして自分の願いが叶わないことも、同時に知ってしまった。それでも、大切な人のために、何かをしてあげたくて――。
それが大河の自分勝手な行動だったとしても、狩野会長に挑むことが大河なりの北村への精一杯だったんじゃないのかな・・・。正しいとかそんなのは別にして。
『てめえに私の何が分かる!てめえみたいな単純バカになれるんだったらなりたいよ!真っ直ぐ突っ走るだけのバカになれたらって思うよ!好きなんて言ったら、あのバカは私についてこようとするじゃねえか!!私がそうしてほしいと分かったら、私のためにそうするだろうが!・・・いろんなもんを犠牲にして・・・。あいつはそういうヤツだ・・・だから・・・、だから私は馬鹿になれない!!』
狩野すみれは、自分の本心を押し殺して、好きだって伝えたら全てを投げ出してついてきてしまう北村のためを想って突き放すしかなかった。それでも、馬鹿でも真っ直ぐに突っ走れなくても、不器用なのはお互い様に思えます。好きなのに好きっていえない事情も分かるけれど、それだけに自分の夢に向かう理由や北村たちへの接点がもう少し欲しかった気がするんですよね・・・。
北村の会長への想いも、大河が北村を想う心も、狩野すみれが北村を想っていた本心も、全てに別れが訪れて。三者三様の恋愛劇は誰とも結びつくことはなく・・・。それでも、三人は前に進めたと思いたいです。
北村と会長のお話はこれで終わりかもしれないけれど、その先には未来がある事を信じて。
最後にしこりの残った亜美がみのりんに投げかけた言葉。
『罪悪感は無くなった?』
今回みのりんが大河に対して何もできなかったのは、恋愛から意識的に目を背けてるせい?それとも北村の心が大河に無いことを知っていたのに言えなかったから・・・?終始傍観者だった亜美には、前回みのりんが言っていたように全てお見通しだったのかも。それが正しいのかは分からないけど、二人とも表舞台に立たなきゃならない時はきっと来るはず。一つの関係は終点を迎えて、これから竜児たちにどんな変化が起こるのか、今後に期待したいですね。
次回 とらドラ! 第17話 『クリスマスに水星は逆光する』
<関連サイト>
とらドラ! 公式サイト
ある関係の一つの終着点。
『本当は、生徒会長に当選して、会長が俺の事を認めてくれたら、その時に告白しようと思ってたんだ。だけど生徒会長になる頃にはあの人はもういない。だったらなる意味なんてないんじゃないかって、そう思ったら・・・。何もかもやめたくなって、壊したくなって・・・』
北村の生徒会長にならないためのグレた行動の全ては、留学してしまう会長への想いが叶わないことへのわがままからだったんだけど、竜児がそれを知って北村をぶん殴ってやろうとする行動や、分かりきった自分への情けなさを吐露する北村を見るあたり、等身大の少年としての『北村像』が出ていた気もしますね。
もっとも北村だけじゃなく、竜児や大河、会長も含めて周りの人間全てが思い悩む少年少女だったわけですが。ある一人の“絶対者”なんてものは存在しなくて、それぞれが悩みを持って生きてる青春群像劇な雰囲気が感じられた今回。
大河にとってかけがえのない人が北村だったように、北村にとっての絶対者は狩野会長だったわけで・・・。
大河に告白して振られる北村、以前はその時の北村の感情なんて考えてもみなかったけど、今回の実はものすごく落ち込んでいたっていう北村を見ても、また彼の人間性も見えてくるんじゃないかな。
振られて落ち込んでいた、そんな自分に希望を与えてくれた狩野会長を好きになって、生徒会長になって告白しようと思っていたら、その人は海外に留学してしまうという。北村が大河だったら、きっと同じようなことになっていたのかもしれない。一歩先に進んでいるんじゃなくて、大河と同じ位置に立っていた北村を思うと、大河→北村→狩野会長と後を追うこの関係がますます意味を持ってくる。
北村にとっての大河が『仲良くなれて嬉しかった』で、大河にとっての北村は自分の全てを変えてくれた人っていう認識の違いと、北村の心には既に狩野会長がいるってことが決定的に近づけない二人の関係を表していたんだけど、今回はそれがはっきり結果として出てしまった事は、ちょっと切なかったですね・・・。
生徒会長選挙演説会の日、意を決して会長に想いを告げる北村。でもその返事は返ってくることはなく・・・。
北村の友人として、告白に答えない会長を問い詰める竜児。でも竜児ができるのはそこまでで、それ以上狩野すみれを追っていくためには、北村のためを想って行動するアグレッシブな“何か”が必要だった。
『お願い、竜児。北村君の傍に今はいてあげて。私じゃだめなの。私じゃ傍にいてあげられないの・・・。私は大丈夫。大丈夫だから・・・。北村君の所に行ってあげて』
竜児は友達として北村に対して怒ったり、傍にいてあげることができるけど、大河は竜児のように北村に接してあげることはできない。そして自分の願いが叶わないことも、同時に知ってしまった。それでも、大切な人のために、何かをしてあげたくて――。
それが大河の自分勝手な行動だったとしても、狩野会長に挑むことが大河なりの北村への精一杯だったんじゃないのかな・・・。正しいとかそんなのは別にして。
『てめえに私の何が分かる!てめえみたいな単純バカになれるんだったらなりたいよ!真っ直ぐ突っ走るだけのバカになれたらって思うよ!好きなんて言ったら、あのバカは私についてこようとするじゃねえか!!私がそうしてほしいと分かったら、私のためにそうするだろうが!・・・いろんなもんを犠牲にして・・・。あいつはそういうヤツだ・・・だから・・・、だから私は馬鹿になれない!!』
狩野すみれは、自分の本心を押し殺して、好きだって伝えたら全てを投げ出してついてきてしまう北村のためを想って突き放すしかなかった。それでも、馬鹿でも真っ直ぐに突っ走れなくても、不器用なのはお互い様に思えます。好きなのに好きっていえない事情も分かるけれど、それだけに自分の夢に向かう理由や北村たちへの接点がもう少し欲しかった気がするんですよね・・・。
北村の会長への想いも、大河が北村を想う心も、狩野すみれが北村を想っていた本心も、全てに別れが訪れて。三者三様の恋愛劇は誰とも結びつくことはなく・・・。それでも、三人は前に進めたと思いたいです。
北村と会長のお話はこれで終わりかもしれないけれど、その先には未来がある事を信じて。
最後にしこりの残った亜美がみのりんに投げかけた言葉。
『罪悪感は無くなった?』
今回みのりんが大河に対して何もできなかったのは、恋愛から意識的に目を背けてるせい?それとも北村の心が大河に無いことを知っていたのに言えなかったから・・・?終始傍観者だった亜美には、前回みのりんが言っていたように全てお見通しだったのかも。それが正しいのかは分からないけど、二人とも表舞台に立たなきゃならない時はきっと来るはず。一つの関係は終点を迎えて、これから竜児たちにどんな変化が起こるのか、今後に期待したいですね。
次回 とらドラ! 第17話 『クリスマスに水星は逆光する』
<関連サイト>
とらドラ! 公式サイト
この記事へのコメント
今回の一番の見所である大河VSすみれのデッドヒート、何がよかったかって内容以上に「きれいに」描かなかったことです。2人共ボロボロなのがきちんと分かる「汚い」描写だからこそよく映えた、と思ってます。
ただラスト、葉書のシーンなんですが、あれ実は大河が自発的に出したんじゃなくてすみれから頼まれたものだったりするんですよね。
ここは原作読んでないとアニメ組は?状態だったと思うんで少し残念です。
さてこれでとうとう6巻も消化。ホント展開速い速い。
次回7巻、悪夢のクリスマス編いよいよ開始、あー視るのが怖いorz
ただラスト、葉書のシーンなんですが、あれ実は大河が自発的に出したんじゃなくてすみれから頼まれたものだったりするんですよね。
ここは原作読んでないとアニメ組は?状態だったと思うんで少し残念です。
さてこれでとうとう6巻も消化。ホント展開速い速い。
次回7巻、悪夢のクリスマス編いよいよ開始、あー視るのが怖いorz
地上はアナログではテレビに近付いて見ても
“バカ。”ってエアメール出したの誰だかよく分からなかったのですが・・・。
ストーリー上エアメールを書けてかつ書きそうなのは大河だけのような気もしますが?
“バカ。”ってエアメール出したの誰だかよく分からなかったのですが・・・。
ストーリー上エアメールを書けてかつ書きそうなのは大河だけのような気もしますが?
>ぱるふぇりさん
教室での喧嘩シーンは作画監督に入っていた沼田誠也さんが担当されたと話題になっていましたね。ぐいぐい動くので見入ってしまいましたけれど、それ以上に感情のこもった二人の表情に気を取られてました。
最後のエアメールは会長から頼まれたものだったのですか・・・。アニメでもその辺り描いてほしかったですね。
次回は悪夢のクリスマス!?・・・何だか怖い響きです(^^;
>kinuhiroさん
何の目的で大河がすみれにエアメールを送ったのか、原作では理由が描かれていたそうですが、アニメでは会長からの手紙を大河が送り返したのかな、くらいしか想像できませんでした。宛名は私も確認できず・・・申し訳ありません^^;
教室での喧嘩シーンは作画監督に入っていた沼田誠也さんが担当されたと話題になっていましたね。ぐいぐい動くので見入ってしまいましたけれど、それ以上に感情のこもった二人の表情に気を取られてました。
最後のエアメールは会長から頼まれたものだったのですか・・・。アニメでもその辺り描いてほしかったですね。
次回は悪夢のクリスマス!?・・・何だか怖い響きです(^^;
>kinuhiroさん
何の目的で大河がすみれにエアメールを送ったのか、原作では理由が描かれていたそうですが、アニメでは会長からの手紙を大河が送り返したのかな、くらいしか想像できませんでした。宛名は私も確認できず・・・申し訳ありません^^;
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わたしたちの足はどこかへ踏み出すためにあるんだ────。
とらドラ! 第16話 「踏み出す一歩」の感想です。
みんな青春してますな~♪
人を好きになるってすばらしい。
とらドラ!第拾六話「踏み出す一歩」 北村に生徒会長になってもらうべく 演説をする
「罪悪感は無くなった?」 北村と会長の回でしたが、亜美が実乃梨に言ったこの一言が
隠した想い。
大河の立候補はクラス全員での芝居だったのね。
生徒会長に立候補した大河。
果たして、北村の反応は?
熱いお話でしたッ♪
博士「・・・凄いわ。」助手「言葉になりませんね。」...
逢坂大河が生徒会長に立候補したのは北村祐作を生徒会長に立候補させるための作戦だったのね。
第16話『踏みだす一歩』とらドラ! Scene1(初回限定版) [DVD]もう、OPは変えないのかな?
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管理人のみ閲覧できます - - 2009年01月22日 21:05:18