機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 第16話 『悲劇への序章』 感想
機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン
第16話 『悲劇への序章』 以下感想です。

戦いの意思への変革

パング・ハーキュリー大佐による軌道エレベーターの占拠。
連邦の情報統制によりテロと断定づけられ、当然世論の支持を得られるわけもなく、その行動の真意が問われる中、状況を見守るセルゲイ大佐が思い出す過去。
若かりし頃のセルゲイ大佐、イメージ通りで何だか安心(笑) 髪型もそのままに若返らせたらこんな風になるよって典型で男前ですね^^; ハーキュリーとセルゲイを挟んで写真に写っていた女性は、セルゲイの妻でありアンドレイの母、ホリー。この人が巻き込まれた事件が、現在のセルゲイを縛りつけ、アンドレイに父を恨むきっかけを作ったようですね・・・。

アンドレイ、ルイスの平和への想いとハーキュリー大佐の思想。
アロウズの力による統制支配が世界に恒久的な平和をもたらすという考え。
中東へ圧力をかける政治姿勢、“力”の最たるメメントモリやオートマトンの無差別攻撃・・・。
劇中で見せられた数々の暴力はアロウズを間違った力による統治だと思わせるには十分。
ならその実情を知るアンドレイとルイスがアロウズに従事して信じ続ける平和とは一体何なのか。
ガンダムへの恨み、仲間を失った憎しみを持つルイス。アンドレイの父との確執。過去の遺恨ももちろんあるんでしょうけれど、何を以て彼らがアロウズの支配が平和足り得ると思うのか、改めて考えさせられたのは、今回のクーデターを起こしたハーキュリー大佐の行動からでした。

アロウズのオートマトンによる、軌道エレベーター内部の一般市民を巻き込んだ無差別攻撃。
さらに情報統制として、クーデター側の軍がこれらの行動を起こしたと報道する許し難いアロウズの行い。しかしハーキュリー大佐はその事態が起こりうることを予測しながら、一般市民を人質にとり、その犠牲を以て連邦の腐敗を伝えることを選択しました。それがアロウズが起こした行動の結果であれ、罪のない人間を巻き込んでしまった事実に変わりはありません。
ルイスはかつてカタロンのテロで愛する人を失った上司と、その上司自身を目の前で失う光景を目の当たりにしています。ルイスの戦う理由の一つは禍根ですが、アロウズを構成する人間が全て反政府勢力に恨みを持っているわけでないでしょうし、アロウズの行いははっきり“悪”といってもいいでしょう。けれど、巻き込まれた人々の『痛み』で世論の目を覚まさせようというハーキュリー大佐の行動はどうしても正しいとは思えない。それこそアロウズと同じく最終的な平和の為と謳った犠牲を作り出している。
戦争に『正しい』は有りえない、憎しみを生む負の連鎖が今回でも引き起こされていました。端的に見たら、ソレスタルビーイングもアロウズも反政府勢力も正しいものなんてありはしないんですね。かつてのソレスタルビーイングの行動の結果が今の時代を生んだように、どの勢力も矛盾を抱えている。
どこまでも答えの出ない人々の争いに、全ての人が分かり合える道を探すという刹那の言葉が頭を過ります。このガンダム00の世界の戦争を背景にしたテーマで、刹那が求める道が争いを無くす答えに繋がっていることを信じたいです。

ミスターブシドーの新型MS“マスラオ”と刹那のダブルオーライザーの戦闘。
トランザムを発動させた者同士の戦いはスピード感があって見応えがありますが、気になったブシドーの吐血は負荷のかかりすぎるGによるものか、それとも他に体に異常をきたす何かがあるのか。
ガンダムを超えるために闘うブシドーには仲間を弔うために最強を勝ち取ろうとした信念があった以前の姿よりも霞んで見えるのは私だけでしょうか。ストイックに強さを求めるだけなら戦争を望む誰かと大してかわりないような気も。それともフラッグを模したあの機体にまだその想いは残っているのかな・・・?

『刹那、お前は変われ。変われなかった俺の代わりに』
『解っている・・・ロックオン。ここで俺は変わる・・・俺自身を、変革させる・・・』
ロックオンの言葉の通り戦うだけだった自分を変えようとしている刹那と、修羅の道を突き進むブシドー。
サーシェスやブシドーのような、人の業を現した人間の描写も、今後の刹那と対比されていくような気がします。キャラクター的にはミスター・ブシドー好きなんですけどね^^;

再び全てを飲み込もうとするメメントモリの光。
アロウズの凶行を前にしたソレスタルビーイング、セルゲイ大佐達、軌道エレベーターの下に集まる各陣営が垣間見るのは・・・。
次回 機動戦士ガンダム00 第17話 『散りゆく光の中で』

<関連サイト>
ガンダム00 公式サイト
第16話 『悲劇への序章』 以下感想です。

戦いの意思への変革

パング・ハーキュリー大佐による軌道エレベーターの占拠。
連邦の情報統制によりテロと断定づけられ、当然世論の支持を得られるわけもなく、その行動の真意が問われる中、状況を見守るセルゲイ大佐が思い出す過去。
若かりし頃のセルゲイ大佐、イメージ通りで何だか安心(笑) 髪型もそのままに若返らせたらこんな風になるよって典型で男前ですね^^; ハーキュリーとセルゲイを挟んで写真に写っていた女性は、セルゲイの妻でありアンドレイの母、ホリー。この人が巻き込まれた事件が、現在のセルゲイを縛りつけ、アンドレイに父を恨むきっかけを作ったようですね・・・。

アンドレイ、ルイスの平和への想いとハーキュリー大佐の思想。
アロウズの力による統制支配が世界に恒久的な平和をもたらすという考え。
中東へ圧力をかける政治姿勢、“力”の最たるメメントモリやオートマトンの無差別攻撃・・・。
劇中で見せられた数々の暴力はアロウズを間違った力による統治だと思わせるには十分。
ならその実情を知るアンドレイとルイスがアロウズに従事して信じ続ける平和とは一体何なのか。
ガンダムへの恨み、仲間を失った憎しみを持つルイス。アンドレイの父との確執。過去の遺恨ももちろんあるんでしょうけれど、何を以て彼らがアロウズの支配が平和足り得ると思うのか、改めて考えさせられたのは、今回のクーデターを起こしたハーキュリー大佐の行動からでした。

アロウズのオートマトンによる、軌道エレベーター内部の一般市民を巻き込んだ無差別攻撃。
さらに情報統制として、クーデター側の軍がこれらの行動を起こしたと報道する許し難いアロウズの行い。しかしハーキュリー大佐はその事態が起こりうることを予測しながら、一般市民を人質にとり、その犠牲を以て連邦の腐敗を伝えることを選択しました。それがアロウズが起こした行動の結果であれ、罪のない人間を巻き込んでしまった事実に変わりはありません。
ルイスはかつてカタロンのテロで愛する人を失った上司と、その上司自身を目の前で失う光景を目の当たりにしています。ルイスの戦う理由の一つは禍根ですが、アロウズを構成する人間が全て反政府勢力に恨みを持っているわけでないでしょうし、アロウズの行いははっきり“悪”といってもいいでしょう。けれど、巻き込まれた人々の『痛み』で世論の目を覚まさせようというハーキュリー大佐の行動はどうしても正しいとは思えない。それこそアロウズと同じく最終的な平和の為と謳った犠牲を作り出している。
戦争に『正しい』は有りえない、憎しみを生む負の連鎖が今回でも引き起こされていました。端的に見たら、ソレスタルビーイングもアロウズも反政府勢力も正しいものなんてありはしないんですね。かつてのソレスタルビーイングの行動の結果が今の時代を生んだように、どの勢力も矛盾を抱えている。
どこまでも答えの出ない人々の争いに、全ての人が分かり合える道を探すという刹那の言葉が頭を過ります。このガンダム00の世界の戦争を背景にしたテーマで、刹那が求める道が争いを無くす答えに繋がっていることを信じたいです。

ミスターブシドーの新型MS“マスラオ”と刹那のダブルオーライザーの戦闘。
トランザムを発動させた者同士の戦いはスピード感があって見応えがありますが、気になったブシドーの吐血は負荷のかかりすぎるGによるものか、それとも他に体に異常をきたす何かがあるのか。
ガンダムを超えるために闘うブシドーには仲間を弔うために最強を勝ち取ろうとした信念があった以前の姿よりも霞んで見えるのは私だけでしょうか。ストイックに強さを求めるだけなら戦争を望む誰かと大してかわりないような気も。それともフラッグを模したあの機体にまだその想いは残っているのかな・・・?

『刹那、お前は変われ。変われなかった俺の代わりに』
『解っている・・・ロックオン。ここで俺は変わる・・・俺自身を、変革させる・・・』
ロックオンの言葉の通り戦うだけだった自分を変えようとしている刹那と、修羅の道を突き進むブシドー。
サーシェスやブシドーのような、人の業を現した人間の描写も、今後の刹那と対比されていくような気がします。キャラクター的にはミスター・ブシドー好きなんですけどね^^;

再び全てを飲み込もうとするメメントモリの光。
アロウズの凶行を前にしたソレスタルビーイング、セルゲイ大佐達、軌道エレベーターの下に集まる各陣営が垣間見るのは・・・。
次回 機動戦士ガンダム00 第17話 『散りゆく光の中で』

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この記事へのコメント
ハーキュリーは一番嫌いなタイプの軍人です。
軍人は政治に関与せずというのがまともな国での話とはいえ、あの思想は戦前の2・26事件の青年将校とも通じるものがあります。
あえてそうしてるんでしょうけどね。
やるなら連邦の官僚から名前だけでも首謀者を用意して、自分らはその指揮下にあるようにしないと、ただの軍事クーデターとしかみなされないですよ。
で、甘いなあと思うのはアロウズが行った虐殺行為を解放した人質が伝えてくれるってところです。
人質を解放した事は当事者しか知らないんだから、6万人でもなんでも全部殺しちゃえばいんですよ。
今まで数十万からの命を奪ってきたアロウズですから実行するのになんの障害も無い。
そこに思いが至らない佐官級って資質に問題あると思いますよ。
実際メメントモリが動き出したし、私でもそうするなと思いました。
これが「軌道エレベータ崩壊の危機?」なんでしょうかね。
軍人は政治に関与せずというのがまともな国での話とはいえ、あの思想は戦前の2・26事件の青年将校とも通じるものがあります。
あえてそうしてるんでしょうけどね。
やるなら連邦の官僚から名前だけでも首謀者を用意して、自分らはその指揮下にあるようにしないと、ただの軍事クーデターとしかみなされないですよ。
で、甘いなあと思うのはアロウズが行った虐殺行為を解放した人質が伝えてくれるってところです。
人質を解放した事は当事者しか知らないんだから、6万人でもなんでも全部殺しちゃえばいんですよ。
今まで数十万からの命を奪ってきたアロウズですから実行するのになんの障害も無い。
そこに思いが至らない佐官級って資質に問題あると思いますよ。
実際メメントモリが動き出したし、私でもそうするなと思いました。
これが「軌道エレベータ崩壊の危機?」なんでしょうかね。
>westernblackさん
自分が悪人になってでも世間に真実を知らせたいのは分かるんですが、そのために犠牲になった人々の事を考えると・・・。やはりしこりの残る回でした。
戦いを求め続けるブシドーと自分の戦いの意味を再び問いだした刹那。お互い相反する存在としてこれからも対峙していくように思います。
次回の展開が気になりますね・・・。
>ヴィーさん
人質を解放した時点でアロウズが介入することを予想をしていなかったのかと考えると、軌道エレベーターからの避難方法や安全性など細かいところまで考えてしまいますが、アニメの設定にそこまでこだわっても仕方ありませんね。
メメントモリ出現まで人質全員の被害を予想してはいなかったのではないかとは思います。
人によって意見もそれぞれあるようですが、ハーキュリー大佐の起こしたクーデターとその理由には納得できないの一言です。
自分が悪人になってでも世間に真実を知らせたいのは分かるんですが、そのために犠牲になった人々の事を考えると・・・。やはりしこりの残る回でした。
戦いを求め続けるブシドーと自分の戦いの意味を再び問いだした刹那。お互い相反する存在としてこれからも対峙していくように思います。
次回の展開が気になりますね・・・。
>ヴィーさん
人質を解放した時点でアロウズが介入することを予想をしていなかったのかと考えると、軌道エレベーターからの避難方法や安全性など細かいところまで考えてしまいますが、アニメの設定にそこまでこだわっても仕方ありませんね。
メメントモリ出現まで人質全員の被害を予想してはいなかったのではないかとは思います。
人によって意見もそれぞれあるようですが、ハーキュリー大佐の起こしたクーデターとその理由には納得できないの一言です。
最近のガンダムはOPに裸体が出てくるんですね。(精神表現かな?)
ひょっとしたら(ナディアみたいに)肩ひもなし?
ララァもフォーもプルもちゃんと服着てたと思うんですが・・・。
さぁ、棒倒しが始まるんでしょうか?
ちょっとテッカマンブレード(オービタルリング)や銃夢(ザレム)と似てますよね。
リングで太陽光を遮ってしまうと
地球がその分太陽光を受けられなくなってしまうのではなどという考えもありますが、
常にリングの法線方向に太陽があるように(表現合ってるかな?)設定すれば太陽光を
遮らずに済みそうです。
太陽光発電でエネルギー問題が解決すると
原油や原子力燃料をどう処理していくかが問題になるかもしれません。
放っておくと、大気と大地が汚染されて木星や土星のようになるかも?
ひょっとしたら(ナディアみたいに)肩ひもなし?
ララァもフォーもプルもちゃんと服着てたと思うんですが・・・。
さぁ、棒倒しが始まるんでしょうか?
ちょっとテッカマンブレード(オービタルリング)や銃夢(ザレム)と似てますよね。
リングで太陽光を遮ってしまうと
地球がその分太陽光を受けられなくなってしまうのではなどという考えもありますが、
常にリングの法線方向に太陽があるように(表現合ってるかな?)設定すれば太陽光を
遮らずに済みそうです。
太陽光発電でエネルギー問題が解決すると
原油や原子力燃料をどう処理していくかが問題になるかもしれません。
放っておくと、大気と大地が汚染されて木星や土星のようになるかも?
>kinuhiroさん
裸体描写はおっしゃるとおり精神表現の類だと思います。
ガンダムシリーズ特有のNT同士の触れ合いだったり意識の共有のようなものも劇中にありましたし・・・。
軌道エレベーターの倒壊は“倒壊”そのものが人類に大きなダメージを与えてしまいそうですが、本当に軌道エレベーターごと消滅させてしまうんでしょうか・・・。次回が気になりますね。
裸体描写はおっしゃるとおり精神表現の類だと思います。
ガンダムシリーズ特有のNT同士の触れ合いだったり意識の共有のようなものも劇中にありましたし・・・。
軌道エレベーターの倒壊は“倒壊”そのものが人類に大きなダメージを与えてしまいそうですが、本当に軌道エレベーターごと消滅させてしまうんでしょうか・・・。次回が気になりますね。
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ガンダム00の16話の感想です。
刹那VSブシドー最初何言ってるか分かんなかったけどw、燃えたあああああああああ
俺自身を変革させる…
第16話「悲劇への序章」
痛みの先に待つモノ。
16話「悲劇への序曲」
機動戦士ガンダム00 2ndSeason #16「悲劇への序章 」
※追記にレビューを追加しました。
※キャプ画像は後ほど追加いたします。
「メメントモリの占領」
機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン ♯16 悲劇への序曲の感想
メメントモリもう一基あったwwwww
セルゲイ・スミルノフ、反乱軍に合流。ティエレン・タオ2で乗り込むとはアローズ主導の軍に見切りをつけたのですね。
クーデターを起こし軌道エレベーターを占拠した連邦軍に対しアロウズのとる策とは・・・
改革の時。
機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 1 [DVD](2009/02/20)宮野真守三木眞一郎商品詳細を見る
あえて言うぞ少年!覚えておくがいい!
博士「今回はセルゲイさん主役じゃろwww」
助手「全く持ってしてwww」
機動戦士ガンダム00 2nd シーズン 第16話 「悲劇への序章」
あえて言おう、おもしろくなかったと。
六万人の市民を人質にとって軌道エレベーターに立てこもり
巻き込まれた人は完全にとばっちり以外の何物でもねーや。
機動戦士ガンダム00 2nd Season 第16話感想です。
本家トランザムvs乙女座トランザム
倒壊はマジバナですか。
もう1台のメメントモリが・・・!
機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 1 [DVD]
アバンでのハーキュリー大佐の演説はガンダ
セルゲイ・スミルノフ、反乱軍に合流。ティエレン・タオ2で乗り込むとはアローズ主導の軍に見切りをつけたのですね。
機動戦士ガンダム00 2nd 第16話『悲劇への序章』
もし、この記事がヴェーダに武力介入され、情報統制された場合……
馬鹿な!5分前の映像のはずだ!
連邦の映像処理技術は化け物か!?
URL :
刹那とブシドーの「対話」が熱かったです…(哀) - westernblack - 2009年01月26日 07:32:06
刹那の独白に「戦争をなくすにはまず一人ひとりが変わること」というありきたりながら基本的なメッセージを感じます。ハーキュリーの発言の「豊かさを享受しながら知ることを怠った市民が…」にもそれを後押しするものがあった感じです(でもその命まで巻き添えにしてはいけません…)これを推し進めてくれれば、マクロスFとは違う結論も期待できそうですが…
ブシドー=グラハムは何か傍から見ると哀しいものがありながら、刹那とは相容れない存在となりつつあるようですね。本人的には一番満足できるのでしょうから、他人がそれを否定するのは難しいとも思いますが…
次回、巡る因果が絡まって何が起こる!?という感じですね
それでは失礼します