黒執事 第16話 『その執事,孤城』 感想
黒執事 第16話 『その執事,孤城』 以下、感想です。


孤城を舞台にしたイングランド国王エドワード五世とその弟リチャードとのシエルたちの出会い。
今回のストーリーでは最初から二人が幽霊であることがはっきりと告げられていますが、逆に潔くて良いかと。悪魔がいるんなら確かに幽霊が居たって珍しくもないですね(笑)
『イエス、ユア・マジェスティ』・・・この言葉、どうしても懐かしく聞こえてしまいます^^;
それにしてもこんなかわいい子が男なわけが以下略。

シエルとエドワード王子のチェス勝負。賭けられたのはセバスチャンの身柄と城の所有権。
チェスの駒を自在に変えるのは自分の能力を最大限に用いているだけで不正ではないって・・・その理論が正しいかどうかは別にして、過去のシエルの台詞を引用したセバスチャンの物言いはなるほど納得できるものでした。
『我が主は、どうやら自らの信念をお忘れのようなのです。表面的なルールに縛られて、使える駒を使わずに負けるような奴は、馬鹿だというのが主の持論でございます』
セバスチャンらしい皮肉のこもった言い草ですね^^; 主に対しても容赦ないところが彼らしいです。

セバスチャンはエドワードたちの僕に、シエルは客人として孤城に滞在することに。
アイロンで靴ひもを延ばしたり衿襞を折ったりするのも時代が感じられて良い。
歴史考証とかそんなものじゃなくて、こういったちょっとしたシーンを出すところに雰囲気が感じられます。それにしても、リチャードは(ry

今回の一番の見所は、やはりシエルがエドワードの失った過去を思い出させるシーンでしょうか。
『時が経てば痛みは薄れる。だが僕は、時の癒しなど欲しくはない。
痛みから逃げ、忘れたつもりでいても、そこにあるのは停滞だけだ。先に進むことはできない』
400年の時が経って忘れさせられていたエドワードの憎しみと悲しみを呼び起こし、エドワード自身が自分に嘘をついていた事を思い出させるシエル。
今自分が生きる様を死者であるエドワードに語ったのは、似た境遇だったエドワードにシエル自身が投げかけた救いの言葉だったのかもしれませんね。もっともシエルは救いや優しさなどではなく、己の生きる道を示して見せただけかもしれませんが、それでも二人の魂を救った事には違いないのでしょう。

『憎しみも悲しみも、全て貴方のもの。それら全てを力に変えて、貴方は歩いてゆけばいい・・・』
なかなかどうして、前回とは打って変わって完成度の高いお話でした。冗長に次回続きにするより一話完結ですっきり終わらせた方が気持ちが良いものですね。今後もこのクオリティに期待したいものです。
次回 黒執事 第17話 「その執事,奉納」

<関連サイト>
黒執事 公式サイト

『イエス、ユア・マジェスティ』

孤城を舞台にしたイングランド国王エドワード五世とその弟リチャードとのシエルたちの出会い。
今回のストーリーでは最初から二人が幽霊であることがはっきりと告げられていますが、逆に潔くて良いかと。悪魔がいるんなら確かに幽霊が居たって珍しくもないですね(笑)
『イエス、ユア・マジェスティ』・・・この言葉、どうしても懐かしく聞こえてしまいます^^;
それにしてもこんなかわいい子が男なわけが以下略。

シエルとエドワード王子のチェス勝負。賭けられたのはセバスチャンの身柄と城の所有権。
チェスの駒を自在に変えるのは自分の能力を最大限に用いているだけで不正ではないって・・・その理論が正しいかどうかは別にして、過去のシエルの台詞を引用したセバスチャンの物言いはなるほど納得できるものでした。
『我が主は、どうやら自らの信念をお忘れのようなのです。表面的なルールに縛られて、使える駒を使わずに負けるような奴は、馬鹿だというのが主の持論でございます』
セバスチャンらしい皮肉のこもった言い草ですね^^; 主に対しても容赦ないところが彼らしいです。

セバスチャンはエドワードたちの僕に、シエルは客人として孤城に滞在することに。
アイロンで靴ひもを延ばしたり衿襞を折ったりするのも時代が感じられて良い。
歴史考証とかそんなものじゃなくて、こういったちょっとしたシーンを出すところに雰囲気が感じられます。それにしても、リチャードは(ry

今回の一番の見所は、やはりシエルがエドワードの失った過去を思い出させるシーンでしょうか。
『時が経てば痛みは薄れる。だが僕は、時の癒しなど欲しくはない。
痛みから逃げ、忘れたつもりでいても、そこにあるのは停滞だけだ。先に進むことはできない』
400年の時が経って忘れさせられていたエドワードの憎しみと悲しみを呼び起こし、エドワード自身が自分に嘘をついていた事を思い出させるシエル。
今自分が生きる様を死者であるエドワードに語ったのは、似た境遇だったエドワードにシエル自身が投げかけた救いの言葉だったのかもしれませんね。もっともシエルは救いや優しさなどではなく、己の生きる道を示して見せただけかもしれませんが、それでも二人の魂を救った事には違いないのでしょう。

『憎しみも悲しみも、全て貴方のもの。それら全てを力に変えて、貴方は歩いてゆけばいい・・・』
なかなかどうして、前回とは打って変わって完成度の高いお話でした。冗長に次回続きにするより一話完結ですっきり終わらせた方が気持ちが良いものですね。今後もこのクオリティに期待したいものです。
次回 黒執事 第17話 「その執事,奉納」

<関連サイト>
黒執事 公式サイト
この記事へのコメント
>ヴィーさん
構成も話の内容も前回とは雲泥の差・・・とまではいいませんが、今回のお話は良かったですよね。
このままの調子で進めていってほしいです・・・。
構成も話の内容も前回とは雲泥の差・・・とまではいいませんが、今回のお話は良かったですよね。
このままの調子で進めていってほしいです・・・。
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兄弟の思いやり
黒執事 第16話 「その執事、孤城」の感想です。
黒執事 第16話「その執事、孤城」
優しい嘘
URL :
- ヴィー - 2009年02月02日 00:28:12
シェークスピアを読んだことはありませんが、ロンドン塔を宜保愛子が霊視して語った情景が夏目漱石の「倫敦搭」だったかの内容だったようなことがあったと思います。
一話完結ですっきりとというのには非常に同意します。