とある魔術の禁書目録 第20話 『最終信号(ウィルス・コード)』 感想
とある魔術の禁書目録<インデックス>
第20話 『最終信号(ウィルス・コード)』より感想です。
今度は誰かを助けるために
『俺にも、もともとは人間みてェな名前があった。苗字は二文字で、名前は三文字。大して珍しくもねえ名前だったはずだ・・・』
冒頭のアクセラレータの過去の光景は、最強の能力を持つが故に妬まれ、疎まれ、狙われてきた過去を表しているんでしょうか。そんな経緯があって、もう自分に近づいて傷つく者が出ないように、戦う気さえ起こさせないほどの最強になろうと思った、と・・・。シスターズを残酷に殺していたのも怖がらせて自分に敵対する意思を失くすため・・・なんて考えるのは虫のいい話かもしれませんが。
そんなアクセラレータは、前回、芳川桔梗が提示した、事件の首謀者の天井亜雄を捕えてウィルスの仕組みを吐かせ、事件を終わらせるか、起動前のウィルスを抱えたラストオーダーを保護するかの二拓を迫られたわけですが、彼としては似合わない“助ける”方の選択肢を選んだんですね。
もっと具体的なアクセラレータの過去が明かされても良いかなとは思いましたが、行動で心内を明かすっていうのも悪くないかと。それにしても、あれだけ暴虐を働いたアクセラレータが・・・。後付けって言われればそれまでだけど、やはりこういう展開は面白いです。
天井亜雄が既に外へ逃げたのではというアクセラレータの懸念に、芳川は『何者かが学園都市に侵入して、セキュリティレベルが上がったからそれはありえない』と答えていたのは、次回への伏線かな。
まだ街にいるという天井亜雄を指して、『人間ってのは、余裕を失う度にどんどん行動が単純になっていくもンなんだぜ・・・?』というアクセラレータのセリフ、後の自分の行動にも直結しているようにも思えます。
ラストオーダーを誘拐した天井亜雄を追い詰めたものの、ウィルスコードは既に起動段階にまで進行。事前のタイムリミットはダミー情報だった事を知る。状況が切迫する中、芳川から伝えられたアクセラレータができることはただ一つ、シスターズへの無差別攻撃命令が下る前に、命令元のラストオーダーの命を断つこと・・・。
けれどアクセラレータはあくまでラストオーダーを救う方に賭けた。
今まで他人を傷つけるしかなかった自分の力を、他人を救う方法にベクトルを変えて。
『ウィルスと一緒に何を排除してンだろうなァ俺は・・・だから何だってンだ。忘れちまった方がこのガキのためじゃねェか』
ウィルスの消去と共に、自分と出会った時のラストオーダーの記憶も消えていく。自問しているアクセラレータの様子は、紛うことなくラストオーダーと会ったほんの数時間の触れ合いが消えるのを惜しむ様子でしたが、今まで誰とも接触を拒んでいた彼にとっては、あの少しの時間はとても大切なものだったのでしょう。
ウィルスの完全除去まであと少しというところで、天井亜雄から放たれる銃弾。ラストオーダーへの演算を中止して、ベクトル反射に力を向ければ避けられるはずのただの鉛玉。しかし、アクセアラレータは最後まで手を離そうとはしなかった。
(・・・まったく・・・考えが甘すぎンだよ・・・誰かを救う・・・もう一度やり直すことができるかもしンねェだなんて・・・)
今回のアクセラレータにシンパシーを感じるのは、悪党としての自分を皮肉りながら、それでも行動で本音を示す所にあるんですよね。ラストオーダーを純粋に助けたい気持ちの上で、最強になるために傷つけた者たちへの贖罪とも取れる切実な願いを感じました。当麻に倒された時点では悪役で終わっていたアクセラレータを、こういう形で表現してくれるとは思わなかったです・・・。
『ああ・・・綺麗事だってのは分かってる・・・でも違うンだよ・・・例えオレたちがどれほどのクズでも・・・どんな理由を並べても・・・!それでこいつが殺されていい事にはならねェだろォが!!』
銃弾を頭に受けても最後までラストオーダーを守ろうとするアクセラレータ。しかし力尽きて倒れたところで、芳川が駆けつける。
芳川が語る、優しいのではなく、甘い性格だった故に、夢であった教師を断念したこと、科学者になっても甘さが捨てきれず、かといって優しくもなれなかったためにこれまでの状況を生みだしてしまったこと。今回は“実験”に携わった側の贖罪的な行動面が印象強い。欲を言えば、絶対能力進化の実験がどれほど必要なものであったのか、その理由も明かされて欲しかったですが・・・。アクセラレータからの要求で計画が進められたのではないようですし。
『終わりよ。天井亜雄。一人で死ぬのが怖いのでしょ。ならば道連れには私を選びなさい。子供たちに手を出すことは私が絶対に許さない。この身に宿る、ただ一度の優しさにかけて』
天井亜雄に関しては、アクセラレータや芳川と知り合いの研究員という以外にはあまり深く触れられていませんが、この騒動を起こしてアクセラレータが行動を起こすためのファクターだったとしたら、少し可哀そうな役回りかもしれません。
アクセラレータが、医者に運ばれるまで、意識が無いままでも芳川の命を能力を使って繋ぎとめていたのも、彼の本質によるところでしょうか。それとカエル顔の医者の通り名がヘブンキャンセラーなんて大層な名前と発覚したにも関わらず、スタッフロールではカエル医者のままなんですね^^; 本名は何なんでしょう。
『あそこは僕の戦場だよ。そして僕は必ず戦場から帰還してみせるね。今までずっと一人で戦ってきた患者を連れてさ』
やたらカッコイイ台詞を言うこのカエル顔の医者、当麻サイドとアクセラレータを繋ぐ役割だったりするんでしょうか。
アクセラレータの主観から語られた今回のお話でしたが、実はあの実験の裏ではこんな一面もあった
っていうサイドストーリーを語る上で、アクセラレータの裏の素顔や実験研究者の側面まで窺えたのは良かったです。彼なりの苦悩があって、最強を目指そうとしたという理由もはっきりとではないですが描写されていましたね。細かい点は抜きにして、当麻以外の主人公が正義感とは違う理由で誰かのために戦うっていうのも新鮮でした。アクセラレータには今後も活躍を期待したいですね。
今回からエンディングが『誓い言?スコシだけもう一度?』に変更。OPと合わせて新キャラクターの姿が見られます。今回のアクセラレータ編終了に合わせての変更でしょうか。もう少し早くても良かった気もしますが・・・やっぱり最後は当麻とインデックスで締められるんですね(^^)
次回 とある魔術の禁書目録 第21話 『正体不明(カウンターストップ)』
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第20話 『最終信号(ウィルス・コード)』より感想です。
今度は誰かを助けるために
『俺にも、もともとは人間みてェな名前があった。苗字は二文字で、名前は三文字。大して珍しくもねえ名前だったはずだ・・・』
冒頭のアクセラレータの過去の光景は、最強の能力を持つが故に妬まれ、疎まれ、狙われてきた過去を表しているんでしょうか。そんな経緯があって、もう自分に近づいて傷つく者が出ないように、戦う気さえ起こさせないほどの最強になろうと思った、と・・・。シスターズを残酷に殺していたのも怖がらせて自分に敵対する意思を失くすため・・・なんて考えるのは虫のいい話かもしれませんが。
そんなアクセラレータは、前回、芳川桔梗が提示した、事件の首謀者の天井亜雄を捕えてウィルスの仕組みを吐かせ、事件を終わらせるか、起動前のウィルスを抱えたラストオーダーを保護するかの二拓を迫られたわけですが、彼としては似合わない“助ける”方の選択肢を選んだんですね。
もっと具体的なアクセラレータの過去が明かされても良いかなとは思いましたが、行動で心内を明かすっていうのも悪くないかと。それにしても、あれだけ暴虐を働いたアクセラレータが・・・。後付けって言われればそれまでだけど、やはりこういう展開は面白いです。
天井亜雄が既に外へ逃げたのではというアクセラレータの懸念に、芳川は『何者かが学園都市に侵入して、セキュリティレベルが上がったからそれはありえない』と答えていたのは、次回への伏線かな。
まだ街にいるという天井亜雄を指して、『人間ってのは、余裕を失う度にどんどん行動が単純になっていくもンなんだぜ・・・?』というアクセラレータのセリフ、後の自分の行動にも直結しているようにも思えます。
ラストオーダーを誘拐した天井亜雄を追い詰めたものの、ウィルスコードは既に起動段階にまで進行。事前のタイムリミットはダミー情報だった事を知る。状況が切迫する中、芳川から伝えられたアクセラレータができることはただ一つ、シスターズへの無差別攻撃命令が下る前に、命令元のラストオーダーの命を断つこと・・・。
けれどアクセラレータはあくまでラストオーダーを救う方に賭けた。
今まで他人を傷つけるしかなかった自分の力を、他人を救う方法にベクトルを変えて。
『ウィルスと一緒に何を排除してンだろうなァ俺は・・・だから何だってンだ。忘れちまった方がこのガキのためじゃねェか』
ウィルスの消去と共に、自分と出会った時のラストオーダーの記憶も消えていく。自問しているアクセラレータの様子は、紛うことなくラストオーダーと会ったほんの数時間の触れ合いが消えるのを惜しむ様子でしたが、今まで誰とも接触を拒んでいた彼にとっては、あの少しの時間はとても大切なものだったのでしょう。
ウィルスの完全除去まであと少しというところで、天井亜雄から放たれる銃弾。ラストオーダーへの演算を中止して、ベクトル反射に力を向ければ避けられるはずのただの鉛玉。しかし、アクセアラレータは最後まで手を離そうとはしなかった。
(・・・まったく・・・考えが甘すぎンだよ・・・誰かを救う・・・もう一度やり直すことができるかもしンねェだなんて・・・)
今回のアクセラレータにシンパシーを感じるのは、悪党としての自分を皮肉りながら、それでも行動で本音を示す所にあるんですよね。ラストオーダーを純粋に助けたい気持ちの上で、最強になるために傷つけた者たちへの贖罪とも取れる切実な願いを感じました。当麻に倒された時点では悪役で終わっていたアクセラレータを、こういう形で表現してくれるとは思わなかったです・・・。
『ああ・・・綺麗事だってのは分かってる・・・でも違うンだよ・・・例えオレたちがどれほどのクズでも・・・どんな理由を並べても・・・!それでこいつが殺されていい事にはならねェだろォが!!』
銃弾を頭に受けても最後までラストオーダーを守ろうとするアクセラレータ。しかし力尽きて倒れたところで、芳川が駆けつける。
芳川が語る、優しいのではなく、甘い性格だった故に、夢であった教師を断念したこと、科学者になっても甘さが捨てきれず、かといって優しくもなれなかったためにこれまでの状況を生みだしてしまったこと。今回は“実験”に携わった側の贖罪的な行動面が印象強い。欲を言えば、絶対能力進化の実験がどれほど必要なものであったのか、その理由も明かされて欲しかったですが・・・。アクセラレータからの要求で計画が進められたのではないようですし。
『終わりよ。天井亜雄。一人で死ぬのが怖いのでしょ。ならば道連れには私を選びなさい。子供たちに手を出すことは私が絶対に許さない。この身に宿る、ただ一度の優しさにかけて』
天井亜雄に関しては、アクセラレータや芳川と知り合いの研究員という以外にはあまり深く触れられていませんが、この騒動を起こしてアクセラレータが行動を起こすためのファクターだったとしたら、少し可哀そうな役回りかもしれません。
アクセラレータが、医者に運ばれるまで、意識が無いままでも芳川の命を能力を使って繋ぎとめていたのも、彼の本質によるところでしょうか。それとカエル顔の医者の通り名がヘブンキャンセラーなんて大層な名前と発覚したにも関わらず、スタッフロールではカエル医者のままなんですね^^; 本名は何なんでしょう。
『あそこは僕の戦場だよ。そして僕は必ず戦場から帰還してみせるね。今までずっと一人で戦ってきた患者を連れてさ』
やたらカッコイイ台詞を言うこのカエル顔の医者、当麻サイドとアクセラレータを繋ぐ役割だったりするんでしょうか。
アクセラレータの主観から語られた今回のお話でしたが、実はあの実験の裏ではこんな一面もあった
っていうサイドストーリーを語る上で、アクセラレータの裏の素顔や実験研究者の側面まで窺えたのは良かったです。彼なりの苦悩があって、最強を目指そうとしたという理由もはっきりとではないですが描写されていましたね。細かい点は抜きにして、当麻以外の主人公が正義感とは違う理由で誰かのために戦うっていうのも新鮮でした。アクセラレータには今後も活躍を期待したいですね。
今回からエンディングが『誓い言?スコシだけもう一度?』に変更。OPと合わせて新キャラクターの姿が見られます。今回のアクセラレータ編終了に合わせての変更でしょうか。もう少し早くても良かった気もしますが・・・やっぱり最後は当麻とインデックスで締められるんですね(^^)
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Tag ⇒ | とある魔術の禁書目録 | アニメ
この記事へのコメント
>ヴィーさん
気付いてみたらもう20話・・・いつの間にかという感じですが、スピンオフ作品も含めて2期はありそうですよね(^^) 一方通行側のお話ももっと見てみたいです。
気付いてみたらもう20話・・・いつの間にかという感じですが、スピンオフ作品も含めて2期はありそうですよね(^^) 一方通行側のお話ももっと見てみたいです。
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白衣の男は小物でしたか(^^;
打ち止めを救う為を選んだ一方通行。
最後では、まさかの結末が待ち構えております。
マジでアクセラレータがかっこよすぎる!
とある科学の一方通行が始まります。 原作15巻という上条当麻が一切でてこないお話も
URL :
- ヴィー - 2009年02月27日 20:50:51
ジェームズ・ボンドがQから受け取る道具みたいだ(笑)
今回はカエル先生が一番カッコ良かったわけですが、長い間続いてるライトノベルだけあって外伝的話も多そうですね。
これは間違いなく二期もあるか…