WHITE ALBUM(ホワイトアルバム) 第13話 『器が傾いてるのに、気付かなかった?水はもう一滴も残ってなかったからね』感想
WHITE ALBUM(ホワイトアルバム)
第13話 『器が傾いてるのに、気付かなかった?水はもう一滴も残ってなかったからね』

最後まで・・・すれ違い。

冒頭に冬弥と出会った新しい登場人物、松山めのう。初見では(見た目ではありますが)弥生さんに似た雰囲気を感じました。
以前に、マナが聞いていたラジオにその名前が出てきたような気がしましたが・・・今回は桜団のゲストとして呼ばれていたようですね。後期以降、由綺、理奈に続く第三のアイドルとして物語に絡んでくるのでしょうか。

そして始まるそれぞれのイヴ、それぞれのコンサート。
桜団が、理奈が歌い、各会場で盛り上がりを見せる中、視聴者に聞かせるのは由綺の歌のみ。
ライブが終えるまで流れる由綺の歌は、このイブのコンサートの主役が誰であるかを如実に表しているように思います。
全てを飲み込む圧倒的な才能の開花、片鱗を見せていた歌姫としての森川由綺の誕生━━━。
場面が変わり他の誰かが映っても、その歌だけは絶えなく聞こえ続けるように、由綺の存在感を感じさせる演出でした。
理奈の「SOUND OF DESTINY」は聞いてみたかったのですが・・・後期にお預けでしょうか(^^;
カルマでのライブを終えてスタジアムへ急行する臨場感、後の由綺が会場を出る際の替え玉などの演出はアイドルの裏舞台を感じさせますね。

ありがとう 来てくれて
約束だから・・・な
初めてですね。冬弥の心の独白以外で字幕が使われるのは・・・。お互いの気持ちが通じ合っている、そんな雰囲気を感じました。
『解禁だよね。連絡・・・』
そしてその後に続く『好き』という由綺の言葉。由綺の願いは叶い、冬弥は由綺の歌を聞いてここにいる。由綺にとってはここからが“始まり”。冬弥にとっては・・・“やり直し”でしょうか。やっと二人は恋人として再出発できる・・・そんな空気が流れたのも束の間。駐車場から由綺の乗る車が去ったあと閉じていく扉と、『ここには誰も戻ってこない』という英二のセリフが、二人の間を隔てるようで・・・。
決して冬弥と由綺の前途は明るくはならないのですね。

あのコンサートを聞いて、何も感じなかったのかと冬弥に英二は問います。歌の神に愛され、虜になっている由綺の姿が見えなかったのかと・・・。
冬弥はコンサートを終えた由綺に、歌については何も触れず、ただ由綺のために多くの人が集まったことを凄いと言いました。それは確かに由綺がアイドルとして成長した事を指しているのですが、由綺が見てほしかったのは、アイドルとして大きくなった姿ではなく、誰に頼らずとも強くなったその姿こそを見てほしかったのではないでしょうか。
そのために冬弥を突き放してまで歌のレッスンを積み重ね、あのコンサートに繋げることができのに、しかしその背景は冬弥には届かず、由綺の内側に冬弥は入れていません。お互いの好意は通じあっているはずなのに、壁一枚を隔てているような、そんな錯覚・・・。英二がコンサートに来たファン全員がライバルだと言ったように、冬弥もまたそのファンの一人としての立場から脱却できていないのではないか・・・そんな風に思えます。
『相手が俺なら・・・ちょっと、怖いんじゃないか?』
相手が誰だろうと、例え歌の神が相手であろうと、もう由綺への想いに迷いはない。そんな冬弥に対する英二からの宣戦布告。これからの由綺に相応しいパートナーの座を賭けた挑戦状・・・というところでしょうか。冬弥自身の問題とお互いのすれ違いの他に、さらに障害の風が吹く・・・そんな展開を予想してしまいます。

物事の端々から冬弥に対する美咲さんからの劣等を口にしてしまう彰は、いい加減狭量がないように見えてしまうのですが・・・。正面から美咲さんと向き合おうとせず、真っ向から冬弥と張り合おうともしなかったのに、こんな形で時期遅れの嫉妬心を見せてしまうのはどうかと。美咲さんも苦労が絶えそうにありません。

冬弥の部屋の前で帰りを待つマナ・・・可愛いったらありませんね(笑)
周囲に誰もいない寂しさを紛らわせたい、けれど誰にも甘えることができなくて、冬弥を求めてしまうのは、それだけ冬弥がマナに好かれているという事なのですが・・・今は兄妹のようなこの関係が続くことを祈りたいですね。

マナは熱を出してしまい、忘れものを届けにきた弥生さんに病院に送られ、次にやってきたのははるか。立て掛けられて地面に水の溜まった傘、家の中で誰かと過ごした様子に誤解して、冬弥はコンサートに行かず誰かと一緒にいたのだと思ったのでしょうか。すぐに走り去ってしまいました。
誤解されたと気付いて追いかける冬弥。この辺りはちゃんと気が回っていましたね(^^;
立て掛けてあった傘が美咲さんではなくマナの物だと知って、なぜマナが冬弥の部屋に行くのかと問い詰めるはるか。兄としての冬弥をマナに取られると思ったのでしょうか・・・。はるかの冬弥への依存もどんどん深まっているようです。

そして、冬弥の父親に何かが起こっという彰からの急の知らせ。
立て続けに起こる出来事に翻弄される冬弥。由綺からの電話は当然繋がらず・・・
由綺がクリスマスプレゼントに贈った留守番電話は虚しく放置され・・・
始まりは・・・終わった
ただその字幕だけが、哀しく最後を告げました・・・。
冬弥と由綺は結局最後までその距離は縮むことはなく。
これから起こる出来事を予感させる・・・時期への伏線が目立った前期の最終回でした。
思いがけず、静かに第一幕は終了したという感想ですね。弥生さんも交えて、もっと激しい展開も予想していたのですが、少し意外でした。結末はあくまで第二期で・・・というところでしょうか。
全編を通してみても、物静かな印象ですね。『WHITE ALBUM』のタイトルが示すように、冬の物静かなイメージを意識して制作されている、そんな雰囲気づくりを感じました。全体的に文学的で静謐なイメージが漂っていたようにも思います。
演出的には、事象を最後まで見せずに、敢えて視聴者に展開を想像させるような部分や、字幕で表現する主人公の心の言葉が印象的。どちらも賛否両論あるかと思いますが、個人的にはこれらがあったことで、より作品に感情移入できたのではないかと。年代を意識させる随所の演出も十分表現できていたのではないでしょうか。
前期、後期と分けられ、期間が空いてしまうのは勿体ない気もしますが・・・その分後期には期待したいと思います。ひたすら由綺とのすれ違いが続き、静かに幕を閉じた第一幕。次に『WHITE ALBUM』が幕を開けるときは、果たして、どのような展開が待っているのでしょう・・・。冬弥を巡る絡まった人間模様は、簡単には解けそうもありませんね・・・。
ここまで感想にお付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました。
後期シリーズでもどうか再び巡り合えますように・・・。
<関連サイト>
TVアニメ 「WHITE ALBUM」公式サイト
第13話 『器が傾いてるのに、気付かなかった?水はもう一滴も残ってなかったからね』

最後まで・・・すれ違い。

冒頭に冬弥と出会った新しい登場人物、松山めのう。初見では(見た目ではありますが)弥生さんに似た雰囲気を感じました。
以前に、マナが聞いていたラジオにその名前が出てきたような気がしましたが・・・今回は桜団のゲストとして呼ばれていたようですね。後期以降、由綺、理奈に続く第三のアイドルとして物語に絡んでくるのでしょうか。

そして始まるそれぞれのイヴ、それぞれのコンサート。
桜団が、理奈が歌い、各会場で盛り上がりを見せる中、視聴者に聞かせるのは由綺の歌のみ。
ライブが終えるまで流れる由綺の歌は、このイブのコンサートの主役が誰であるかを如実に表しているように思います。
全てを飲み込む圧倒的な才能の開花、片鱗を見せていた歌姫としての森川由綺の誕生━━━。
場面が変わり他の誰かが映っても、その歌だけは絶えなく聞こえ続けるように、由綺の存在感を感じさせる演出でした。
理奈の「SOUND OF DESTINY」は聞いてみたかったのですが・・・後期にお預けでしょうか(^^;
カルマでのライブを終えてスタジアムへ急行する臨場感、後の由綺が会場を出る際の替え玉などの演出はアイドルの裏舞台を感じさせますね。

ありがとう 来てくれて
約束だから・・・な
初めてですね。冬弥の心の独白以外で字幕が使われるのは・・・。お互いの気持ちが通じ合っている、そんな雰囲気を感じました。
『解禁だよね。連絡・・・』
そしてその後に続く『好き』という由綺の言葉。由綺の願いは叶い、冬弥は由綺の歌を聞いてここにいる。由綺にとってはここからが“始まり”。冬弥にとっては・・・“やり直し”でしょうか。やっと二人は恋人として再出発できる・・・そんな空気が流れたのも束の間。駐車場から由綺の乗る車が去ったあと閉じていく扉と、『ここには誰も戻ってこない』という英二のセリフが、二人の間を隔てるようで・・・。
決して冬弥と由綺の前途は明るくはならないのですね。

あのコンサートを聞いて、何も感じなかったのかと冬弥に英二は問います。歌の神に愛され、虜になっている由綺の姿が見えなかったのかと・・・。
冬弥はコンサートを終えた由綺に、歌については何も触れず、ただ由綺のために多くの人が集まったことを凄いと言いました。それは確かに由綺がアイドルとして成長した事を指しているのですが、由綺が見てほしかったのは、アイドルとして大きくなった姿ではなく、誰に頼らずとも強くなったその姿こそを見てほしかったのではないでしょうか。
そのために冬弥を突き放してまで歌のレッスンを積み重ね、あのコンサートに繋げることができのに、しかしその背景は冬弥には届かず、由綺の内側に冬弥は入れていません。お互いの好意は通じあっているはずなのに、壁一枚を隔てているような、そんな錯覚・・・。英二がコンサートに来たファン全員がライバルだと言ったように、冬弥もまたそのファンの一人としての立場から脱却できていないのではないか・・・そんな風に思えます。
『相手が俺なら・・・ちょっと、怖いんじゃないか?』
相手が誰だろうと、例え歌の神が相手であろうと、もう由綺への想いに迷いはない。そんな冬弥に対する英二からの宣戦布告。これからの由綺に相応しいパートナーの座を賭けた挑戦状・・・というところでしょうか。冬弥自身の問題とお互いのすれ違いの他に、さらに障害の風が吹く・・・そんな展開を予想してしまいます。

物事の端々から冬弥に対する美咲さんからの劣等を口にしてしまう彰は、いい加減狭量がないように見えてしまうのですが・・・。正面から美咲さんと向き合おうとせず、真っ向から冬弥と張り合おうともしなかったのに、こんな形で時期遅れの嫉妬心を見せてしまうのはどうかと。美咲さんも苦労が絶えそうにありません。

冬弥の部屋の前で帰りを待つマナ・・・可愛いったらありませんね(笑)
周囲に誰もいない寂しさを紛らわせたい、けれど誰にも甘えることができなくて、冬弥を求めてしまうのは、それだけ冬弥がマナに好かれているという事なのですが・・・今は兄妹のようなこの関係が続くことを祈りたいですね。

マナは熱を出してしまい、忘れものを届けにきた弥生さんに病院に送られ、次にやってきたのははるか。立て掛けられて地面に水の溜まった傘、家の中で誰かと過ごした様子に誤解して、冬弥はコンサートに行かず誰かと一緒にいたのだと思ったのでしょうか。すぐに走り去ってしまいました。
誤解されたと気付いて追いかける冬弥。この辺りはちゃんと気が回っていましたね(^^;
立て掛けてあった傘が美咲さんではなくマナの物だと知って、なぜマナが冬弥の部屋に行くのかと問い詰めるはるか。兄としての冬弥をマナに取られると思ったのでしょうか・・・。はるかの冬弥への依存もどんどん深まっているようです。

そして、冬弥の父親に何かが起こっという彰からの急の知らせ。
立て続けに起こる出来事に翻弄される冬弥。由綺からの電話は当然繋がらず・・・
由綺がクリスマスプレゼントに贈った留守番電話は虚しく放置され・・・
始まりは・・・終わった
ただその字幕だけが、哀しく最後を告げました・・・。
冬弥と由綺は結局最後までその距離は縮むことはなく。
これから起こる出来事を予感させる・・・時期への伏線が目立った前期の最終回でした。
思いがけず、静かに第一幕は終了したという感想ですね。弥生さんも交えて、もっと激しい展開も予想していたのですが、少し意外でした。結末はあくまで第二期で・・・というところでしょうか。
全編を通してみても、物静かな印象ですね。『WHITE ALBUM』のタイトルが示すように、冬の物静かなイメージを意識して制作されている、そんな雰囲気づくりを感じました。全体的に文学的で静謐なイメージが漂っていたようにも思います。
演出的には、事象を最後まで見せずに、敢えて視聴者に展開を想像させるような部分や、字幕で表現する主人公の心の言葉が印象的。どちらも賛否両論あるかと思いますが、個人的にはこれらがあったことで、より作品に感情移入できたのではないかと。年代を意識させる随所の演出も十分表現できていたのではないでしょうか。
前期、後期と分けられ、期間が空いてしまうのは勿体ない気もしますが・・・その分後期には期待したいと思います。ひたすら由綺とのすれ違いが続き、静かに幕を閉じた第一幕。次に『WHITE ALBUM』が幕を開けるときは、果たして、どのような展開が待っているのでしょう・・・。冬弥を巡る絡まった人間模様は、簡単には解けそうもありませんね・・・。
ここまで感想にお付き合い頂いた皆様、本当にありがとうございました。
後期シリーズでもどうか再び巡り合えますように・・・。
<関連サイト>
TVアニメ 「WHITE ALBUM」公式サイト
Tag ⇒ | WHITEALBUM | | ホワイトアルバム | アニメ
この記事へのコメント
>ヴィーさん
実際には由綺しか歌っていないコンサート、あくまで今回は由綺と冬弥をメインにという演出を感じました。理奈には後期での活躍を期待したいですね(^^; 舞台は冬や雪をイメージをしているので、それほど季節の揺れ幅はないんじゃないかな? 終わりは新しい始まり・・・という事で、春を迎えて終了するという予感も。どんな結末になるのかは分かりませんが(^^;
最後に後期があることを知らせなかったのは確かに・・・これで終わり!?って思ってしまいますね。事の顛末は後期に全て引き継がせる終わり方でしたが、それでも期待して待ちたいと思います。
実際には由綺しか歌っていないコンサート、あくまで今回は由綺と冬弥をメインにという演出を感じました。理奈には後期での活躍を期待したいですね(^^; 舞台は冬や雪をイメージをしているので、それほど季節の揺れ幅はないんじゃないかな? 終わりは新しい始まり・・・という事で、春を迎えて終了するという予感も。どんな結末になるのかは分かりませんが(^^;
最後に後期があることを知らせなかったのは確かに・・・これで終わり!?って思ってしまいますね。事の顛末は後期に全て引き継がせる終わり方でしたが、それでも期待して待ちたいと思います。
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WHITE ALBAM 第十三頁 『器が傾いているのに、気づかなかった?水はもう一滴も残ってないからね』
(アニメ感想) WHITE ALBUM 第13話 「器が傾いているのに、気づかなかった?水はもう一滴も残ってなかったからね」
WHITE ALBUM VOL.1 [Blu-ray]クチコミを見る 由綺のコンサートは成功するのか?そして冬弥と由綺の恋の行方は・・・。
1期はこれで終了。
2期は冬という事は10月からですね。
いよいよクリスマスコンサート対決開幕。
シリーズ前半の最終回です。
ついにWHITE ALBUMの第1期も、最終回に突入。
第1期の最終回は、どのような結末を見せてくれるのでしょうか。
URL :
- ヴィー - 2009年04月02日 01:40:16
宍戸留美は私の中ではアイドルなんですが(笑)
CD持ってるし。
最初は30分歌のPVみたいにするのかと思ってしまいましたが、三者三様のコンサートを上手く見せてましたね。
由綺と理奈のデュエットというか、それぞれがそれぞれの会場で歌ってるような感じでしたが、演出の問題だからCD化はされないのが残念。
冬弥はせっかく由綺に会えてもピントのズレた発言で距離を感じさせ、残りのキャラもここへきて一気に情動が動き出したかのような展開は、途中を端折ったほうが良かったんじゃないかとは思いますが、後期への期待感は高まりました。
原作を知らないのでなんとも言えませんが、後期は一週間ぐらいのことを濃密にやったりするんでしょうかね?
まさか夏になったりはしないと思うので(笑)
最後の作画が少し残念な感じなのはどういうことかと思いますが、その平板な絵が「ハートカクテル」みたいで、これのアニメがまた1986年開始というのはどんな偶然だと思いましたです。
あと、テレビ局にもう少し気を使ってほしいと思ったのは「ホワイトアルバムは今回で終了させていただきます」というテロップ。
定型文だけど、打ち切りみたいだから勘弁してほしい(^^;
本当に後期を放送しなかったら悲しいけど。