化物語 第二話 『ひたぎクラブ 其ノ貳』 感想
化物語 第二話 『ひたぎクラブ 其ノ貳』より感想です。

“重い”は“想い”に繋がって。

化物語第二話。OPが入ったことでより感じられるようになったシャフトの演出は今回も随所で全開です。この作品、まずはここで好き嫌いが別れるんだろうな?・・・。
OPは「ひたぎクラブ」のキーキャラクターでヒロインの戦場ヶ原ひたぎ役、斎藤千和さんが歌う「staple stable」。ホッチキスを使った独特の演出も見られましたが、各エピソードごとにボーカル&OPの演出効果は変わるんですか・・・化物語が各エピソード単位で語られるお話だという事は理解してましたけれど、何とも凝ったつくりですね。こういう部分に力を入れるのもシャフトらしいと言えるのかもしれません。

冒頭、忍野は文字演出を使った1枚絵でひたぎを皮肉った昔話を語ってるんですが、これに限らず初見では間違いなく見逃してしまうものがいくつか。お馴染みの演出の一つと見逃せばそれまでですが・・・第1話もそうでしたけど、2回以上見ることを前提にしないといけないかも。
・・・で、開始早々見せつけられるひたぎさんのシャワーシーンとか裸とか下着姿とか。えーとこれは原作がこの通りこういう事なんですよね?(笑) ひたぎの毒舌が混じった馬鹿にしてるんだか誘ってるんだか冗談なのかよく分からない言動に暦が突っ込みを入れる、これが化物語の日常なのか・・・それにしてもエロス。作品内容が飛ばしてるんなら製作側にもそりゃ力が入るってもんですよねきっと(;´∀`)

Aパートを存分に使ってサービスシーンを見せたかと思いきや、話の本題に入る“蟹”との対面に至る流れは全く別物の重いテーマを引き摺っていて、これはやられたと正直思いました。
二人が忍野の許に向かう辺りからスイッチが入ってシリアスパートへ移行していくんですが、忍野が神たる“蟹”の在り様について語る言い回しが、『化物語』の根底である伝奇小説の世界観をしっかりイメージさせてくれるのが良い。BGMも場の雰囲気に合っていて好感触でした。見た目はふざけた感じですけど、“忍野メメ”という人物がこの物語の日常と怪奇を橋渡ししている、そんな印象です。

ひたぎが「重さ」を失ったのは“蟹”のせいではなく、ひたぎが自分自身の忌むべき過去と重圧から逃げてしまったことにありました。
幼少時にひたぎが患った大病で心労を重ねた母親は、心の拠り所を求めて宗教に走り、ひたぎが手術で九死に一生を得たことで更にのめりこむという結果になってしまった。そしてその宗教の幹部がひたぎに乱暴を働こうとし、抵抗したひたぎが幹部に怪我を負わせてしまったことで、母親は心を壊し、ひたぎは助けてくれなかった母親への絶望を感じると同時に、その心を壊してしまった罪の意識に追いやられていく。そんな時行き遭ったのが“重し蟹”だった・・・。

“重し蟹”は“想いし神”。ひたぎの“想い”や“しがみ”・・・しがらみを肩代わりした“蟹”はそのまま“重さ”を奪うことになってしまったけれど、ひたぎにとっては悪い神様じゃなかったんですね。それでもその“重さ”には母親との大切な想いも混じっていたから、どうしても切り離すことはできなかった。過去と向き合うことで母親への想いを全て取り戻し、それまでの自分を受け入れた。終わった過去は何も変わらない、けれど変わった現実は確かにある。
『・・・何も変わらないなんて事はないわ。それに、けして無駄ではなかったのよ。少なくとも、大切な友達が一人、できたのだから』
『誰のことだ?』
『あなたのことよ。阿良々木君』
あの猛毒吐いてた女の子が急にデレると違和感バリバリなんですが、これが本当のひたぎってわけじゃないですよねそうですよね(笑)次回にはきっともとのツンドラに戻っているはず(^^; しかしエンディングテーマの入り方といい、『良い最終回だった』って言葉は今回によく当てはまると思います。もちろん良い意味で。話の構成が上手いんですよね。演出とかは別にして、決められた尺を使って綺麗に収められているのが素晴らしい。エピソード完結型のシナリオ構成としては最良の部類に入るんじゃないでしょうか。あとは良くも悪くも濃すぎるシャフトのノリをどう受け止めるかで評価は割れそうですが、個人的に続きを見たいと思わせてくれる作品だと思います。
EDテーマはsupercellのryoさんが手掛ける『君の知らない物語』。ガゼルさん・・・じゃなくて今はnagiさんでしたか。久しぶりに声を聞いたんですがやっぱり良いなぁ・・・(´∀`*) あとどうでもいいけどスタッフロール読ませる気なさすぎです(笑)次回も期待!
次回 化物語 第三話 『まよいマイマイ 其ノ壹』

<関連サイト>
化物語 オフィシャルサイト
ランキング参加中です。

1クリックの応援をお願い致します。


私を登録して頂けますか? by BlogPeople

“重い”は“想い”に繋がって。

化物語第二話。OPが入ったことでより感じられるようになったシャフトの演出は今回も随所で全開です。この作品、まずはここで好き嫌いが別れるんだろうな?・・・。
OPは「ひたぎクラブ」のキーキャラクターでヒロインの戦場ヶ原ひたぎ役、斎藤千和さんが歌う「staple stable」。ホッチキスを使った独特の演出も見られましたが、各エピソードごとにボーカル&OPの演出効果は変わるんですか・・・化物語が各エピソード単位で語られるお話だという事は理解してましたけれど、何とも凝ったつくりですね。こういう部分に力を入れるのもシャフトらしいと言えるのかもしれません。

冒頭、忍野は文字演出を使った1枚絵でひたぎを皮肉った昔話を語ってるんですが、これに限らず初見では間違いなく見逃してしまうものがいくつか。お馴染みの演出の一つと見逃せばそれまでですが・・・第1話もそうでしたけど、2回以上見ることを前提にしないといけないかも。
・・・で、開始早々見せつけられるひたぎさんのシャワーシーンとか裸とか下着姿とか。えーとこれは原作がこの通りこういう事なんですよね?(笑) ひたぎの毒舌が混じった馬鹿にしてるんだか誘ってるんだか冗談なのかよく分からない言動に暦が突っ込みを入れる、これが化物語の日常なのか・・・それにしてもエロス。作品内容が飛ばしてるんなら製作側にもそりゃ力が入るってもんですよねきっと(;´∀`)

Aパートを存分に使ってサービスシーンを見せたかと思いきや、話の本題に入る“蟹”との対面に至る流れは全く別物の重いテーマを引き摺っていて、これはやられたと正直思いました。
二人が忍野の許に向かう辺りからスイッチが入ってシリアスパートへ移行していくんですが、忍野が神たる“蟹”の在り様について語る言い回しが、『化物語』の根底である伝奇小説の世界観をしっかりイメージさせてくれるのが良い。BGMも場の雰囲気に合っていて好感触でした。見た目はふざけた感じですけど、“忍野メメ”という人物がこの物語の日常と怪奇を橋渡ししている、そんな印象です。

ひたぎが「重さ」を失ったのは“蟹”のせいではなく、ひたぎが自分自身の忌むべき過去と重圧から逃げてしまったことにありました。
幼少時にひたぎが患った大病で心労を重ねた母親は、心の拠り所を求めて宗教に走り、ひたぎが手術で九死に一生を得たことで更にのめりこむという結果になってしまった。そしてその宗教の幹部がひたぎに乱暴を働こうとし、抵抗したひたぎが幹部に怪我を負わせてしまったことで、母親は心を壊し、ひたぎは助けてくれなかった母親への絶望を感じると同時に、その心を壊してしまった罪の意識に追いやられていく。そんな時行き遭ったのが“重し蟹”だった・・・。

“重し蟹”は“想いし神”。ひたぎの“想い”や“しがみ”・・・しがらみを肩代わりした“蟹”はそのまま“重さ”を奪うことになってしまったけれど、ひたぎにとっては悪い神様じゃなかったんですね。それでもその“重さ”には母親との大切な想いも混じっていたから、どうしても切り離すことはできなかった。過去と向き合うことで母親への想いを全て取り戻し、それまでの自分を受け入れた。終わった過去は何も変わらない、けれど変わった現実は確かにある。
『・・・何も変わらないなんて事はないわ。それに、けして無駄ではなかったのよ。少なくとも、大切な友達が一人、できたのだから』
『誰のことだ?』
『あなたのことよ。阿良々木君』
あの猛毒吐いてた女の子が急にデレると違和感バリバリなんですが、これが本当のひたぎってわけじゃないですよねそうですよね(笑)次回にはきっともとのツンドラに戻っているはず(^^; しかしエンディングテーマの入り方といい、『良い最終回だった』って言葉は今回によく当てはまると思います。もちろん良い意味で。話の構成が上手いんですよね。演出とかは別にして、決められた尺を使って綺麗に収められているのが素晴らしい。エピソード完結型のシナリオ構成としては最良の部類に入るんじゃないでしょうか。あとは良くも悪くも濃すぎるシャフトのノリをどう受け止めるかで評価は割れそうですが、個人的に続きを見たいと思わせてくれる作品だと思います。
EDテーマはsupercellのryoさんが手掛ける『君の知らない物語』。ガゼルさん・・・じゃなくて今はnagiさんでしたか。久しぶりに声を聞いたんですがやっぱり良いなぁ・・・(´∀`*) あとどうでもいいけどスタッフロール読ませる気なさすぎです(笑)次回も期待!
次回 化物語 第三話 『まよいマイマイ 其ノ壹』

<関連サイト>
化物語 オフィシャルサイト
ランキング参加中です。

1クリックの応援をお願い致します。


私を登録して頂けますか? by BlogPeople
Tag ⇒ | 化物語 | 第二話『ひたぎクラブ | 其ノ貳』感想
この記事へのコメント
>ヴィーさん
シャフトの演出は好き嫌いが別れるとして、中身はかなり好印象でした。あれだけ前半を遊ばせておいてスッキリ終わらせる構成は脱帽です。何かこう、引き寄せられる面白さがありますね。
『宙のまにまに』、4回連続の「2人乗りは禁止」テロップ・・・ですか(^^; 道路交通法厳しい・・・(笑)
シャフトの演出は好き嫌いが別れるとして、中身はかなり好印象でした。あれだけ前半を遊ばせておいてスッキリ終わらせる構成は脱帽です。何かこう、引き寄せられる面白さがありますね。
『宙のまにまに』、4回連続の「2人乗りは禁止」テロップ・・・ですか(^^; 道路交通法厳しい・・・(笑)
トラックバック
ひたぎの変わりように驚いてしまいました。前半の暴言ばかりの彼女は面白いですが、最後のいい子っぽい彼女はかわいいですね。
この掛け合いや言い回しの面白さは思わず原作を読みたくなる気持ちにさせてくれますね。それくらい2人のトークは痛快で爽快。
背負う重み。
化物語 第二話 ひたぎクラブ其ノ貮 ありゃりゃぎさんのこの顔wwwwww [ ひ...
オモイ、想い、重い―
化物語(上) (講談社BOX)VOFAN by G-Tools
引き続き 戦場ヶ原様無双!!
想い=重い
化物語(バケモノガタリ) 2話「ひたぎクラブ 其ノ貮」の感想
さて、このアニメに関してはtvkの放映日の遅さが完全に負け組ですね(´・ω・`)
URL :
- ヴィー - 2009年07月17日 00:49:15
前回と全く違った雰囲気に驚きました。
これは「いらない」と言った母にも是非勧めなければ。
小ネタがゴチャゴチャして見にくいのはシャフトの伝統芸みたいなものだから、無視できる人とできない人で選別されるんでしょうね。
相変わらず自転車の二人乗り部分ではテロップが出ますが、「宙のまにまに」の4連続テロップというギャグを見てからは全然気にならなくなりました(笑)