CANAAN(カナン) 第5話 『灯ダチ』 感想
CANAAN(カナン) 第5話 『灯ダチ』より感想です。

再び繋がる絆。
組織(蛇)との繋がりが発覚しても、いまいち立ち位置が把握できなかったユンユンの素性が明らかに。そして“ボナー”についても掘り下げられていました。全てを繋ぐキーワード“ウーア・ウィルス”の扱いについても考えさせられるお話ですね。今回は・・・。

まず改めてウーア・ウィルスについての考察。あの双子がそうだったように、“ボナー”とは“蛇”によって組織からウーア・ウィルスを投与、あるいは感染させられた存在。そしてウィルスの効力によって特殊な能力を備えている。まず疑問なのが、そもそも致死率100%という殺人ウィルスの肩書きだったはずなのに、“ウィルスが超人的な能力を得るための薬”として作中で機能し始めていること。ストーリーの流れでは分かるんだけど違和感を感じるんですよね。
ウィルス感染者の呼称としては、“アンブルーム”という言葉が1話から出ていました。1話の時点では組織から逃げた人間を指すのかと思っていましたが、かぶりものを取られて死亡していた状況を見ると、超過された感覚が日光によって刺激され、体が耐えられずに死亡した・・・カナンが持つ共感覚のプロトタイプとして生み出された失敗作という位置付けのように思えます。あるいはウィルスを得ても“能力”と呼ばれる域に達しなかった存在と見る事もできますね。
また、“蛇”はアンブルームという言葉を使っていた描写は無かったように思えるので、夏目たち蛇に反する側が感染者を区別するための言葉という線もあります。そういう意味では、組織に准ずる者とそうでない者を分ける言葉とも考えられる。いずれにせよアンブルームについては明言されていないのではっきりはしませんが・・・。
ウーア・ウィルスの感染者は、感染状況で“ボナー”と“アンブルーム”に大別されるのか否か。感染して適応能力を持たなかった者は死に至り、また適応しても後述の“薬”を摂取しないと死亡するから、『致死率100%』なのか・・・。まだ不明な点はありますが、いずれにしても『CANAAN』のウィルスの扱いは当初のイメージから変わってきた印象を受けます。ストーリーもそれに比例してSFめいた展開になってきていますし・・・。

答えの出ない考察は終わりにして本編。リャン・チーの暗躍ぶりが冴え渡ること・・・。アルファルドに構ってもらえない上、カナンとの“密会”を知って相当フラストレーション溜まってそうですね(^^;
“蛇”との関係が不明瞭だったユンユンはボナーであった事が発覚。数々のバイトに従事してマリアたちと遭遇していたのも、どうやらマリアやカナンの様子を探るためだったようで。はっきりと感じられたのはボナーが組織にとっての道具でしかないということ。故郷を奪われたあげく、ウィルスに感染させられて、いいようにこき使われ・・・。あの双子といい、カナンとほぼ同じ身の上のはずのボナー達はなぜ組織に従っているのか。
それはひとえに、ボナーたちが“薬”を定期的に摂取しなければ生きられない存在だから。『エサ』と言ってユンユンに薬を投げ渡すリャン・チー。役に立たなければ『死ねばいい』とまで言われて・・・奴隷より酷い扱いです・・・。
リャン・チーがユンユンに与えた、日本の事務次官をウーア・ウィルスに感染させろという命令自体が経過で、ユンユンをカナンと道連れにさせるのが本懐なんだろうけど、そうなると事務次官+ユンユン+カナンが一同に会する場所が必要になってくる。その場所というのがサンタナのバーだっていうんだからまた複雑になってきます・・・。

サンタナのバーでバニーガールとして働くことになるユンユン。ハッコーとは組織に居た時に面識があったようですね。気になるのはサンタナなんですが、事務次官がやってきた時に『あいつらどこでこの店を知った・・・?あの女・・・』という発言をしています。
前回の夏目とサンタナの会話内容から、サンタナはかつて“蛇”に所属していた事と、元・組織の一員として、夏目に情報を提供する立場にあった事が浮かんできます。『村を消した』云々からは、その罪を償うために蛇の敵対組織に属する夏目に協力していたと考えるのが妥当でしょう。元々アンブルームの保護も夏目が依頼していたようですし。
サンタナが関わっていたと思われる“蛇”の在籍時に、リャン・チーと因縁があったとしたら、事務次官をサンタナのバーへ寄こしたのはリャン・チーであると考えるのが自然。しかし夏目は蛇の末端であるはずのユンユンの情報を掴んでいて、カナンにそれを伝えている。
もしかしたら、夏目がスパイなのではという可能性も浮かんできます・・・。
蛇の隠れ蓑であるダイダラ社が、対テロ国際会議の警備に名乗り出たという時点で、その会議に出席する事務次官を案内できるのはリャン・チーだろうと想像できますから、あくまで可能性でしかないわけですが。カナンが出張ってくる原因を作った事を考えるとどうも怪しく見えてしまうんですよね。それにリャン・チーが差し向けるにしても、わざわざサンタナのバーを選ぶ必然性がないのも気になります。ユンユンをエサに泳がせていた所に夏目がまんまと引っ掛かったのか、それとも・・・。
そういえばハッコーもボナーだから、薬が必要になるはずなんですが、どこから調達しているんでしょう。サンタナがまだ組織と関わっているとは考えづらいですし・・・。それとも全てのボナーが薬を必要としているわけではないとか?それだとリャン・チーの言っている事と相反してしまいますが・・・う?んこの辺りもまだ分かりません。

リャン・チーの仕組んだ通り、ユンユンはマリアを人質にとってカナンとの心中を決行。酷い仕打ちを受けているのに悲壮感があまり感じられないのはこのキャラゆえか・・・自棄になり過ぎですw 笑うところじゃないのに笑ってしまう(^^;
マリアが悲しむ顔を見たくないためにユンユンを手に掛けなかったカナン。根本は解決していないけれど、絆は再び繋がったようです。カナンの現実をマリアがどう受け止めていくのか、二人が互いの現実と日常の差異を乗り越える過程は最後まで描き切ってほしいですね。
リャン・チーの目論見は外れたものの、事務次官はきっちりウーア・ウィルスに感染。実行犯は何でもこなす有能なリャン・チーの部下・・・というか下僕のカミングズ。今回リャン・チーからの“ご褒美”は無かったみたいですが(笑) あれさえなければ本当に“ただの”優秀な部下なのに・・・(笑)
ウィルスを感染させる理由は、薬がないと生きられない状態にして傀儡として操るって事でいいんでしょうか・・・。蛇の言いなりになるよう動かせる手駒を作って、対テロ国際会議に何かを画策しているとか。時限性のウィルスを仕込んで大規模テロを狙うって事なら分かりやすいんですけれど。

結果的にはマリアはカナンと仲直り、ユンユンも無事に助けられて万事解決と言いたいところですが、リャン・チーの言うとおり、ボナーである限り薬が無ければユンユンは生きていけない。組織を裏切る時点で死亡フラグが立ってしまうんですよね・・・。ウィルスが発症した時点で『428』の抗血清は効かないのでしょうし、何か別の解決策が出てくれば良いのですが・・・。
今回のサブタイトル『灯ダチ』。“儚い灯”と“友達”を掛けたというより、希望の灯という意味であってほしいと願うばかりです・・・。
次回 CANAAN(カナン) 第6話 『LOVE&PIECE』

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再び繋がる絆。
組織(蛇)との繋がりが発覚しても、いまいち立ち位置が把握できなかったユンユンの素性が明らかに。そして“ボナー”についても掘り下げられていました。全てを繋ぐキーワード“ウーア・ウィルス”の扱いについても考えさせられるお話ですね。今回は・・・。

まず改めてウーア・ウィルスについての考察。あの双子がそうだったように、“ボナー”とは“蛇”によって組織からウーア・ウィルスを投与、あるいは感染させられた存在。そしてウィルスの効力によって特殊な能力を備えている。まず疑問なのが、そもそも致死率100%という殺人ウィルスの肩書きだったはずなのに、“ウィルスが超人的な能力を得るための薬”として作中で機能し始めていること。ストーリーの流れでは分かるんだけど違和感を感じるんですよね。
ウィルス感染者の呼称としては、“アンブルーム”という言葉が1話から出ていました。1話の時点では組織から逃げた人間を指すのかと思っていましたが、かぶりものを取られて死亡していた状況を見ると、超過された感覚が日光によって刺激され、体が耐えられずに死亡した・・・カナンが持つ共感覚のプロトタイプとして生み出された失敗作という位置付けのように思えます。あるいはウィルスを得ても“能力”と呼ばれる域に達しなかった存在と見る事もできますね。
また、“蛇”はアンブルームという言葉を使っていた描写は無かったように思えるので、夏目たち蛇に反する側が感染者を区別するための言葉という線もあります。そういう意味では、組織に准ずる者とそうでない者を分ける言葉とも考えられる。いずれにせよアンブルームについては明言されていないのではっきりはしませんが・・・。
ウーア・ウィルスの感染者は、感染状況で“ボナー”と“アンブルーム”に大別されるのか否か。感染して適応能力を持たなかった者は死に至り、また適応しても後述の“薬”を摂取しないと死亡するから、『致死率100%』なのか・・・。まだ不明な点はありますが、いずれにしても『CANAAN』のウィルスの扱いは当初のイメージから変わってきた印象を受けます。ストーリーもそれに比例してSFめいた展開になってきていますし・・・。

答えの出ない考察は終わりにして本編。リャン・チーの暗躍ぶりが冴え渡ること・・・。アルファルドに構ってもらえない上、カナンとの“密会”を知って相当フラストレーション溜まってそうですね(^^;
“蛇”との関係が不明瞭だったユンユンはボナーであった事が発覚。数々のバイトに従事してマリアたちと遭遇していたのも、どうやらマリアやカナンの様子を探るためだったようで。はっきりと感じられたのはボナーが組織にとっての道具でしかないということ。故郷を奪われたあげく、ウィルスに感染させられて、いいようにこき使われ・・・。あの双子といい、カナンとほぼ同じ身の上のはずのボナー達はなぜ組織に従っているのか。
それはひとえに、ボナーたちが“薬”を定期的に摂取しなければ生きられない存在だから。『エサ』と言ってユンユンに薬を投げ渡すリャン・チー。役に立たなければ『死ねばいい』とまで言われて・・・奴隷より酷い扱いです・・・。
リャン・チーがユンユンに与えた、日本の事務次官をウーア・ウィルスに感染させろという命令自体が経過で、ユンユンをカナンと道連れにさせるのが本懐なんだろうけど、そうなると事務次官+ユンユン+カナンが一同に会する場所が必要になってくる。その場所というのがサンタナのバーだっていうんだからまた複雑になってきます・・・。

サンタナのバーでバニーガールとして働くことになるユンユン。ハッコーとは組織に居た時に面識があったようですね。気になるのはサンタナなんですが、事務次官がやってきた時に『あいつらどこでこの店を知った・・・?あの女・・・』という発言をしています。
前回の夏目とサンタナの会話内容から、サンタナはかつて“蛇”に所属していた事と、元・組織の一員として、夏目に情報を提供する立場にあった事が浮かんできます。『村を消した』云々からは、その罪を償うために蛇の敵対組織に属する夏目に協力していたと考えるのが妥当でしょう。元々アンブルームの保護も夏目が依頼していたようですし。
サンタナが関わっていたと思われる“蛇”の在籍時に、リャン・チーと因縁があったとしたら、事務次官をサンタナのバーへ寄こしたのはリャン・チーであると考えるのが自然。しかし夏目は蛇の末端であるはずのユンユンの情報を掴んでいて、カナンにそれを伝えている。
もしかしたら、夏目がスパイなのではという可能性も浮かんできます・・・。
蛇の隠れ蓑であるダイダラ社が、対テロ国際会議の警備に名乗り出たという時点で、その会議に出席する事務次官を案内できるのはリャン・チーだろうと想像できますから、あくまで可能性でしかないわけですが。カナンが出張ってくる原因を作った事を考えるとどうも怪しく見えてしまうんですよね。それにリャン・チーが差し向けるにしても、わざわざサンタナのバーを選ぶ必然性がないのも気になります。ユンユンをエサに泳がせていた所に夏目がまんまと引っ掛かったのか、それとも・・・。
そういえばハッコーもボナーだから、薬が必要になるはずなんですが、どこから調達しているんでしょう。サンタナがまだ組織と関わっているとは考えづらいですし・・・。それとも全てのボナーが薬を必要としているわけではないとか?それだとリャン・チーの言っている事と相反してしまいますが・・・う?んこの辺りもまだ分かりません。

リャン・チーの仕組んだ通り、ユンユンはマリアを人質にとってカナンとの心中を決行。酷い仕打ちを受けているのに悲壮感があまり感じられないのはこのキャラゆえか・・・自棄になり過ぎですw 笑うところじゃないのに笑ってしまう(^^;
マリアが悲しむ顔を見たくないためにユンユンを手に掛けなかったカナン。根本は解決していないけれど、絆は再び繋がったようです。カナンの現実をマリアがどう受け止めていくのか、二人が互いの現実と日常の差異を乗り越える過程は最後まで描き切ってほしいですね。
リャン・チーの目論見は外れたものの、事務次官はきっちりウーア・ウィルスに感染。実行犯は何でもこなす有能なリャン・チーの部下・・・というか下僕のカミングズ。今回リャン・チーからの“ご褒美”は無かったみたいですが(笑) あれさえなければ本当に“ただの”優秀な部下なのに・・・(笑)
ウィルスを感染させる理由は、薬がないと生きられない状態にして傀儡として操るって事でいいんでしょうか・・・。蛇の言いなりになるよう動かせる手駒を作って、対テロ国際会議に何かを画策しているとか。時限性のウィルスを仕込んで大規模テロを狙うって事なら分かりやすいんですけれど。

結果的にはマリアはカナンと仲直り、ユンユンも無事に助けられて万事解決と言いたいところですが、リャン・チーの言うとおり、ボナーである限り薬が無ければユンユンは生きていけない。組織を裏切る時点で死亡フラグが立ってしまうんですよね・・・。ウィルスが発症した時点で『428』の抗血清は効かないのでしょうし、何か別の解決策が出てくれば良いのですが・・・。
今回のサブタイトル『灯ダチ』。“儚い灯”と“友達”を掛けたというより、希望の灯という意味であってほしいと願うばかりです・・・。
次回 CANAAN(カナン) 第6話 『LOVE&PIECE』

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この記事へのコメント
>ヴィーさん
御法川は『428』では直接的に事件に関わっていませんでしたしね・・・。でもやっぱりウィルスの扱いは『CANAAN』だなあと(笑) 当初のB級映画風味からアニメの特色が着いてきていてこれはこれでなかなか・・・。
ブルーム=bloomという事で、花を語源にしたウーア・ウィルスがもたらす能力の発現に至らなかったとか、一定の基準に満たなかったとかいろいろ想像できますね。1話で組織と思われる人間からアンブルームが追われているような描写があったので、組織の意思にそぐわない人間の呼称なのかなーとも。まあ追々明かされるという事でストーリーを楽しみたいと思います。
御法川は『428』では直接的に事件に関わっていませんでしたしね・・・。でもやっぱりウィルスの扱いは『CANAAN』だなあと(笑) 当初のB級映画風味からアニメの特色が着いてきていてこれはこれでなかなか・・・。
ブルーム=bloomという事で、花を語源にしたウーア・ウィルスがもたらす能力の発現に至らなかったとか、一定の基準に満たなかったとかいろいろ想像できますね。1話で組織と思われる人間からアンブルームが追われているような描写があったので、組織の意思にそぐわない人間の呼称なのかなーとも。まあ追々明かされるという事でストーリーを楽しみたいと思います。
ああ、そうか。
「アン」「ブルーム」ですね。
「アンブルー」「ム」じゃ英単語になってない。
乗馬の言葉が最初に思い浮かんであのフラフラ具合がシンクロしたんで疑いもしなかったけど、疲れてたんだろう(笑)
「アン」「ブルーム」ですね。
「アンブルー」「ム」じゃ英単語になってない。
乗馬の言葉が最初に思い浮かんであのフラフラ具合がシンクロしたんで疑いもしなかったけど、疲れてたんだろう(笑)
>ヴィーさん
ウーア・ウィルスの語源になったのはスワヒリ語で“花”と“ころす”を意味する「ウーア」だそうで、それに掛けるとアンブルームという言葉も意味深ですね。ボナーと根本的に違うのはどこなのかが気になります。
ウーア・ウィルスの語源になったのはスワヒリ語で“花”と“ころす”を意味する「ウーア」だそうで、それに掛けるとアンブルームという言葉も意味深ですね。ボナーと根本的に違うのはどこなのかが気になります。
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敵、それとも味方―
儚くも消えない絆。
アニメ CANAAN 第5話 「灯ダチ」
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我、仕留めたり~♪
型月厨にとって忙しい1日でした。...
心地のよい場所 迫り来る死
URL :
- ヴィー - 2009年08月07日 23:32:43
致死率100%ってのはあくまで御法川が言っていたことで、世間一般で定説になっているウーアウイルスの特性なんだと思ってます。
「蛇」は、感染した人間が生き残れば特異な能力が発現することを知っているので、それを利用している、と。
それに、致死率100%のウイルスがありえないことは常識で、どんな強いウイルスを作っても必ず抗体を持った人間がいることが知られています。
アンブルームはambleが語源だと思うので、今回ボナーという言葉も出てきたし、蛇に管理されてない感染者を指すのではないかと考えました。
まあ、恐らくはカナンとアルファルドの対立、裏切らない離れないマリアとの関係がメインの話だと思うので、このあたりは「細けえことはいいんだよ!」な部分かもしれませんが(笑)