CANAAN(カナン) 第8話 『乞』 感想
CANAAN(カナン) 第8話 『乞』より感想です。

色を失くした世界に響く歌声。

色が見えなくなったカナンと、ある理由から言葉を話せないハッコー。今まで何の関連性も見出せなかった二人が出会って、物語は次のステージへ進んでいく。そんな印象を持った第8話でした。
ウーアについては、今まで仮定だった事実が真実として認識され始めたイメージですね。“蛇”は抗ウィルス剤を既に手に入れていて、“ある村”を使ってウーア感染による人体実験を繰り返していた。その村というのがアルファルドが口にした“ファクトリー”であり、ユンユンやハッコーの生まれ故郷であると。消えた村、ウーアの亡霊、ボナーと呼ばれ組織に利用される感染者たち。あやふやだったパズルのピースもはっきりした形を伴って一つに組み上がってきたように思います。

『分からない・・・まるで、目を閉じて歩いているみたいだ』
人の感情の色はカナンにとっての通常風景であり、世界の物事を判別する全てでした。その色が抜け落ちた本来見えるべき景色は、カナンには全く未知の領域、踏み込んだ事のない世界に映っているのでしょう。誰が何を考えているのか、見えない・・・分からない。それまで当たり前だった世界がまるで違ったものに見えるのだから、不安に陥るのは当然のこと。
しかし、あらゆる感情を望もうと望むまいと見続けてきた彼女にとって、これは大きな転機となるのかもしれません。人の心は本来見える事はない。それは時に相手に対する壁を作ったり、猜疑心を呼ぶものではありますが、同時に思慮や相手を労わる心を生み出す人間に在るべき本来の姿です。共感覚を失ったのは、カナンが人として成長するための契機であるように思えます。そしてその導き手がマリアなのでしょう。今後はカナンの心情の変化にも気を付けて見ていきたいですね。

“蛇”が引き起こしたテロは世界情勢を悪化させると同時に、企業利益を増加させる事にも繋がる。夏目の所属するNGOもその必要性を増し、その分多くの利益を生み出す事ができる。これまであまり触れられなかった“蛇”の反勢力ですが、どうやらクリーンな組織と呼べるものでもなさそうです。夏目自身は自分の過去に向き合う事を目的として、蛇に対立する立場に在ろうとしている節が見受けられましたが・・・やはりその過去と蛇との因縁が気になります。

今回はハッコーの存在感が特に強く感じられました。ウーアに感染後、備わってしまった自分の能力を知らないばかりに、他人を死に追いやってしまった悲しい過去。それは今もトラウマとしてハッコーの心を苛んでいるようです。
ネネのコンサート会場で歌を口ずさむハッコーの心情は察し切れませんが、軽く歌った程度であそこまで広範囲に影響を及ぼす能力とは思いませんでした。下手をすると最強な能力にもなりかねないのでは・・・まるでジャ○イアンのリサイタルシーンを彷彿とさせる場面でしたね(^^; それにしてもネネの役割って一体・・・ユンユンのように後から絡んでくるようでもなさそうですし、CANAANのストーリー上の背景キャラと捉えておけばいいのかな。いまいち存在が謎なキャラクターです(笑)

サンタナと再び接触し、“蛇”とウィルスに関する手掛かりを探るため、ハッコーを伴って“消えた村”へ向かうミノさん達。車の中でガンダーラを歌い始めた時は何やってるんだと思いましたが、対抗歌合戦やってたんですか(笑) やっぱりこの二人って似た者同士に思えます(^^;
そしてカナンとマリアの仲の進展。色が見えなくなった事に思い悩むカナンに、これまでの憧憬を打ち明け、ずっと傍にいてほしいと伝えるマリア。親友を労わる会話風景というより告白シーンですねこれは・・・まあ主人公とヒロインの正しい関係なんだと受け取っておきます(笑)

ハッコーとカナンの対峙シーンはいきなりで驚き。ハッコーが首を絞めた時にあのまま戦闘に突入してしまうのではとヒヤヒヤしましたが・・・。ハッコーがカナンに敵意を向けるのは、自分が置かれた境遇がカナンのせいだからと見るべきでしょうか。カナンの持つような共感覚を生み出すために、ウーア・ウィルスを使った“蛇”の実験に村が巻き込まれたと考えれば、理屈は分かりますが・・・もっと深い理由があるようにも思えます。
“蛇”を抜け出してから今まで消息不明だったユンユンも再登場。無事で何よりですけど薬はまだ切れていないという事かな? ウーア・ウィルスに関る人物たちの謎は、発端となった村、ファクトリーではっきり明かされる事に期待したいと思います。村を完全に廃棄しようとしているアルファルド、リャン・チーも再び登場と戦闘必至な次回。色を失くしてしまったカナンの戦闘シーンにも注目したいですね。
次回 CANAAN(カナン) 第9話 『過去花』

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色を失くした世界に響く歌声。

色が見えなくなったカナンと、ある理由から言葉を話せないハッコー。今まで何の関連性も見出せなかった二人が出会って、物語は次のステージへ進んでいく。そんな印象を持った第8話でした。
ウーアについては、今まで仮定だった事実が真実として認識され始めたイメージですね。“蛇”は抗ウィルス剤を既に手に入れていて、“ある村”を使ってウーア感染による人体実験を繰り返していた。その村というのがアルファルドが口にした“ファクトリー”であり、ユンユンやハッコーの生まれ故郷であると。消えた村、ウーアの亡霊、ボナーと呼ばれ組織に利用される感染者たち。あやふやだったパズルのピースもはっきりした形を伴って一つに組み上がってきたように思います。

『分からない・・・まるで、目を閉じて歩いているみたいだ』
人の感情の色はカナンにとっての通常風景であり、世界の物事を判別する全てでした。その色が抜け落ちた本来見えるべき景色は、カナンには全く未知の領域、踏み込んだ事のない世界に映っているのでしょう。誰が何を考えているのか、見えない・・・分からない。それまで当たり前だった世界がまるで違ったものに見えるのだから、不安に陥るのは当然のこと。
しかし、あらゆる感情を望もうと望むまいと見続けてきた彼女にとって、これは大きな転機となるのかもしれません。人の心は本来見える事はない。それは時に相手に対する壁を作ったり、猜疑心を呼ぶものではありますが、同時に思慮や相手を労わる心を生み出す人間に在るべき本来の姿です。共感覚を失ったのは、カナンが人として成長するための契機であるように思えます。そしてその導き手がマリアなのでしょう。今後はカナンの心情の変化にも気を付けて見ていきたいですね。

“蛇”が引き起こしたテロは世界情勢を悪化させると同時に、企業利益を増加させる事にも繋がる。夏目の所属するNGOもその必要性を増し、その分多くの利益を生み出す事ができる。これまであまり触れられなかった“蛇”の反勢力ですが、どうやらクリーンな組織と呼べるものでもなさそうです。夏目自身は自分の過去に向き合う事を目的として、蛇に対立する立場に在ろうとしている節が見受けられましたが・・・やはりその過去と蛇との因縁が気になります。

今回はハッコーの存在感が特に強く感じられました。ウーアに感染後、備わってしまった自分の能力を知らないばかりに、他人を死に追いやってしまった悲しい過去。それは今もトラウマとしてハッコーの心を苛んでいるようです。
ネネのコンサート会場で歌を口ずさむハッコーの心情は察し切れませんが、軽く歌った程度であそこまで広範囲に影響を及ぼす能力とは思いませんでした。下手をすると最強な能力にもなりかねないのでは・・・まるでジャ○イアンのリサイタルシーンを彷彿とさせる場面でしたね(^^; それにしてもネネの役割って一体・・・ユンユンのように後から絡んでくるようでもなさそうですし、CANAANのストーリー上の背景キャラと捉えておけばいいのかな。いまいち存在が謎なキャラクターです(笑)

サンタナと再び接触し、“蛇”とウィルスに関する手掛かりを探るため、ハッコーを伴って“消えた村”へ向かうミノさん達。車の中でガンダーラを歌い始めた時は何やってるんだと思いましたが、対抗歌合戦やってたんですか(笑) やっぱりこの二人って似た者同士に思えます(^^;
そしてカナンとマリアの仲の進展。色が見えなくなった事に思い悩むカナンに、これまでの憧憬を打ち明け、ずっと傍にいてほしいと伝えるマリア。親友を労わる会話風景というより告白シーンですねこれは・・・まあ主人公とヒロインの正しい関係なんだと受け取っておきます(笑)

ハッコーとカナンの対峙シーンはいきなりで驚き。ハッコーが首を絞めた時にあのまま戦闘に突入してしまうのではとヒヤヒヤしましたが・・・。ハッコーがカナンに敵意を向けるのは、自分が置かれた境遇がカナンのせいだからと見るべきでしょうか。カナンの持つような共感覚を生み出すために、ウーア・ウィルスを使った“蛇”の実験に村が巻き込まれたと考えれば、理屈は分かりますが・・・もっと深い理由があるようにも思えます。
“蛇”を抜け出してから今まで消息不明だったユンユンも再登場。無事で何よりですけど薬はまだ切れていないという事かな? ウーア・ウィルスに関る人物たちの謎は、発端となった村、ファクトリーではっきり明かされる事に期待したいと思います。村を完全に廃棄しようとしているアルファルド、リャン・チーも再び登場と戦闘必至な次回。色を失くしてしまったカナンの戦闘シーンにも注目したいですね。
次回 CANAAN(カナン) 第9話 『過去花』

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Tag ⇒ | CANAAN(カナン) | 第8話乞 | アニメ感想
この記事へのコメント
>ヴィーさん
まあ、細かい事は気にしたら負けって気もします(^^; 某掲示板なんかはテロや国際情勢の話が出てきた時点で現実との違いについてあーだこーだと盛りあがっていましたけれど(笑)
後半に向けてキャラクターの安否も予断を許さない状況のようです・・・今まで死亡フラグを回避しすぎた感も正直あるんですが、やっぱり皆が救われる終わり方を迎えてほしいですよね。
まあ、細かい事は気にしたら負けって気もします(^^; 某掲示板なんかはテロや国際情勢の話が出てきた時点で現実との違いについてあーだこーだと盛りあがっていましたけれど(笑)
後半に向けてキャラクターの安否も予断を許さない状況のようです・・・今まで死亡フラグを回避しすぎた感も正直あるんですが、やっぱり皆が救われる終わり方を迎えてほしいですよね。
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ハッコーの事情が少しずつ明らかに。
とはいえ少々失速気味な印象です。
「守れない。色が見えないと,何かがあったときマリアを・・・」
亡霊と消えた村
コミュニケーション―
全ての謎は消えた村に……
聞こえない 見えない 分からない
URL :
- ヴィー - 2009年09月05日 02:25:41
ボーイング、ロッキード、クライスラーといった米巨大軍需産業がイラクとアフガンのおかげで軒並み虫の息か統合・合併だというのに…
ま、フィクションだからいいか(笑)
ちなみに、消耗品であるはずの爆弾でさえ、ピンポイント爆撃が主流になったので生産量ガタ減りです。
ハッコーの歌うシーンはシリアスなはずなのに、能登が歌ってるだけで笑ってしまうのはどうしたものか(笑)
彼女が抱えてる使命なり恨みなりが気になりますが。
それぞれが正面から自分や状況を捉えて動き出しましたが、アルファルドも含めて救われて欲しいです。